「第6回フードバンクこども応援全国プロジェクト」完了報告
―プロジェクトの背景と日本におけるフードバンク活動の現状について―
■プロジェクト結果報告
名称:第6回フードバンクこども応援全国プロジェクト
支援世帯数:38,317世帯
実施期間:2023年12月1日~2024年1月31日
参加団体数:39団体
活動内容:子どものいる困窮世帯に対しての集中的な食料支援活動
今回のプロジェクトでは、過去最多となる39のフードバンク団体と連携し、
全国の38,317世帯に食料支援を行いました。
■過去に実施した同プロジェクトの支援世帯数
第1回目(夏):延べ14,011世帯 第2回目(冬):延べ10,659世帯 第3回目(夏):延べ17,675世帯
第4回目(冬):延べ28,565世帯 第5回目(夏):延べ38,549世帯
■フードバンクこども応援全国プロジェクトとは
「フードバンクこども応援全国プロジェクト」は、全国フードバンク推進協議会と加盟フードバンク団体が協力して行うプロジェクトです。このプロジェクトでは、これまで把握が難しかった子どものいる困窮世帯の早期発見と支援、そして全国的な食料支援活動の拡大を目的としています。各地域のフードバンク団体は、行政、社会福祉協議会、学校などと協力し、給食のない長期休み期間中の、子育て世帯への集中的な食料支援活動に取り組んでいます。
■本プロジェクトの参加団体一覧
■近年のフードバンク活動の現状
2023年9月に行った、弊会の加盟フードバンク団体を対象としたアンケート調査では、約8割の団体で困窮世帯からの食料支援要請が増加している一方、約4割のフードバンク団体では食料の寄付が減少していることが示されました(図1)。この結果は、2023年2月に実施した調査と同様の傾向を示しており(図2)、近年の物価高騰の影響で社会的な食料支援ニーズが増加し続ける一方で、一部の団体では食料の寄付が減っている厳しい現状が浮かび上がりました。
全国のフードバンク活動のひっ迫による影響は、子育て世帯への食料支援にも及びます。
現在の日本の子どもの貧困率は11.5%、約9人に1人の子どもが貧困とされており、食べ物を必要としている子どもたちがたくさんいます。全国フードバンク推進協議会では子どもの貧困問題の解決に向け、加盟フードバンク団体と連携し、子育て世帯への集中的な食料支援を毎年行っています。
図1 調査時期:2023年9月、調査対象団体数:58団体(弊会加盟団体)、回答団体数:35団体
出所:加盟フードバンク団体を対象に実施したアンケート調査を基に弊会作成
図2 調査時期2023年2月、調査対象団体数:215団体(全国のフードバンク)、回答団体数:85団体
出典:ソーシャルアクションアカデミー(2022)「物価高の影響も含めたフードバンク団体の最新実態」P8
https://www.servicegrant.or.jp/news/10263/
【日米のフードバンクの比較】
先ほどのアンケート調査から明らかになった通り、物価高騰の中で社会的ニーズが増加し続ける一方で、フードバンク団体に集まる食品は一部の団体で減少しています。
一方、アメリカのフードバンクの年間食品取扱量は739万トンで、これは日本国内の食品ロス発生量(523万トン)より多く、また日本国内のフードバンク年間食品取扱量の900倍以上に相当します。このように、アメリカではフードバンクが膨大な量の食品ロス削減と、経済的な困難を抱える世帯への食料供給に大きく貢献しています。
国内フードバンクは組織基盤(マンパワーを含む食品の保管・運搬・配布能力)が脆弱であるため取扱量が少なく、支援を必要とする世帯に十分な食品を提供することが難しい現状があります。このような課題を根本的に解決するためには、海外のように公的支援による組織基盤の強化が必要不可欠であると全国フードバンク推進協議会では考えています。
※1 出所:消費者庁 諸外国における⾷品の寄附の実態等に関する調査
<団体概要>
団体名称:一般社団法人全国フードバンク推進協議会
本社所在地:〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目61−4エヌアイビル3F
代表理事:米山廣明
設立:2015年11月13日
URL:https://www.fb-kyougikai.net/
活動内容:政策提言活動、広報活動、フードバンク団体へのノウハウ支援、食品寄贈の仲介
ミッション:明日の食事に困る人のいない社会をつくる
担当者:田原(03-6912-9444)
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