日本発の水田抑草ロボット「アイガモロボ」、国連生物多様性COP17で発表。水田のメタン削減と生物多様性保全を両立する技術として各国政府に紹介

~日本・ベトナムの実証でメタン排出の低減を確認、西表島では水田の生物が約4割増加~

株式会社NEWGREEN

株式会社NEWGREEN(本社:東京都小金井市、代表取締役CEO 山中大介、代表取締役COO 中條大希、代表取締役CIO 対馬 慶貞、以下「当社」)は、アルメニア・エレバンで開催中の国連生物多様性条約第17回締約国会議(CBD-COP17)において、10月21日に農林水産省が主催したサイドイベント「Accelerating Nature-Positive Food Systems through Innovation」に登壇し、水田抑草ロボット「アイガモロボ」による水田からのメタン排出の削減効果と生物多様性の保全効果について報告しました。続くパネルディスカッションでは、タイ・インドネシアの政府関係者らとともに、アジアにおける稲作の環境負荷低減について議論しました。

CBD-COP17に関する環境省から生物多様性条約第17回締約国会議 (CBD-COP17)等の結果概要↓
https://www.env.go.jp/content/000439580.pdf

■ポイント

  • 国内のメタン排出源の第1位は稲作。家畜の消化管内発酵(いわゆる牛のげっぷ、約30%)を上回る約42%を占める(※1)

  • アイガモロボによるメタン排出の低減を、日本とベトナムでの実証実験で確認。ベトナムでは、既存の削減策との併用でさらなる低減効果を確認(※2、3)

  • 世界自然遺産・西表島では、導入水田で生物の種数・個体数が約4割増加。スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)による食害も約4割減少(※4)

■発表内容

国内のメタン排出量の約4割は稲作に由来

2024年度の国内メタン排出量のうち、稲作は約42%を占め、家畜の消化管内発酵(約30%)を上回る最大の排出源となっています(※1)。湛水した水田の土壌中では、酸素の少ない環境で微生物がメタンを生成します。メタンはCO2の約28倍の温室効果を持つガスであり(※1)、稲作に由来するメタンの削減は、米を主食とするアジア諸国に共通する課題です。

アイガモロボによるメタン排出の抑制効果

国内53圃場での測定では、アイガモロボを導入した水田でメタン排出量が大幅に少ない傾向が確認されました(農研機構西日本農業研究センターとの共同研究)(※2)。ベトナム・メコンデルタでは、現地で普及が進む節水かんがい(AWD)にアイガモロボを併用することでメタン排出量がさらに低減し、その差が統計的に有意であることも確認されています(東京農工大学、ロックトロイ・グループとの共同研究)(※3)。アイガモロボが土壌を攪拌して酸素を供給することで、メタンを生成する微生物が減少するメカニズムも解明されつつあります(※5)。


化学農薬に依存しない生物多様性の保全

世界自然遺産の西表島では、アイガモロボを導入した水田において生物の種数・個体数が約4割増加しました(※4)。また、稲に食害をもたらす外来種スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)による食害も約4割減少しています(※4)。アイガモロボの稼働で生じる水中の波が食害を抑制する要因であることも特定されており(※6)、魚類への毒性が強い薬剤に依存しない対策としても期待されています。

■パネルディスカッション

 COP17は、2030年を目標年とする生物多様性の国際目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の進捗を、各国が初めて点検する会議です(※7)。開幕に先立ち発表された「エレバン宣言」では、各国首脳が目標達成への決意を改めて表明しました(※8)。一方で、世界は目標達成に向けた軌道に乗っていないことも締約国間で認識されており(※7)、現場で実行可能な具体的手段が求められています。

 パネルディスカッションでは「イノベーションによる食料システムの変革を通じたネイチャーポジティブ社会への移行」をテーマに、タイ・インドネシアの政府関係者らと議論を行いました。本イベントは、2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」に向けて、アジア発の解決策を世界の行動へとつなげることを掲げて開催されたものです。当社は、アイガモロボが除草剤の削減、メタン排出の削減、生物多様性の保全を同時に実現し、現場ですぐに導入できる技術であることを示しました。なお、アイガモロボは農林水産省の「MIDORI∞INFINITY」において、タイ・ベトナムなどに展開可能な温室効果ガス排出削減技術に位置づけられています(※9)。

■今後の展開

COP17での発表に続き、農林水産省「MIDORI∞INFINITY」の取り組みの一環として、10月23日にはインドネシア国家研究イノベーション庁 農業・食料研究機構(ROAF-BRIN)と、10月26日にはマレーシアの農業関連企業Agricultural Chemicals (M) Sdn. Bhd.(ACM)と、アイガモロボの現地実証に関する覚書をそれぞれ締結し、両国の試験圃場で試験を開始しました(詳細は別途発表)。また、2026年3月にはベトナムの国家農業普及センターおよびロクチョイ・グループと覚書を締結し、2028年までにメコンデルタでの商業化を目指しています。今後も、アジアの稲作国への導入拡大と、カーボンクレジットの創出に向けた検証を進めてまいります。

■登壇者コメント

株式会社NEWGREEN
取締役副社長/アイガモロボ開発者  中村 哲也

日本ではアイガモロボは抑草ロボットとして知られていますが、海外では温室効果ガスの排出量を削減したり、生物多様性を向上させたりすることに注目が集まっています。今回のCBD-COP17の本イベントでは、会場がほぼ満員になるほどの注目を集め、多くの方々に知って頂くことができました。これからはアイガモロボの海外での販売も増やして行き、原材料費高騰の中でもできるだけ価格を抑えられる体制作りをして行きたいと思います。

サイドイベントの概要

名称:Accelerating Nature-Positive Food Systems through Innovation(イノベーションによるネイチャーポジティブな食料システムの加速)

テーマ:イノベーションによる食料システムの変革を通じたネイチャーポジティブ社会への移行 ~アジアの解決策から、GREEN×EXPO 2027に向けた世界の行動へ~

日時:2026年10月21日(水)13:15~14:35(現地時間)

会場:CBD-COP17会場 ブルーゾーン Sisian Room(アルメニア・エレバン)

主催:農林水産省

登壇者:
・農林水産省 輸出・国際局 審議官 西浦博之 氏
・株式会社NEWGREEN 取締役副社長 中村哲也
・株式会社シンク・ネイチャー 執行役員 五十里 翔吾 氏
・Director of Biodiversity National Focal Point of the Convention, Ministry of Environment, Indonesia Ms. Inge Retnowati
・Director Biodiversity Focal Point Section Biodiversity Management Division ONEP, Thailand
Dr.Benchamaporn Wattanatongchai

アイガモロボについて
水田に投入するだけで、太陽光発電により自動走行し、水を濁らせて雑草の生育を抑制する水田抑草ロボットです。全国で累計4,000台以上が導入されています(販売:井関農機株式会社の販売店)。

・農研機構などとの実証で、機械除草の回数を約6割削減、収量を約1割向上(※10)

・第11回ロボット大賞「農林水産大臣賞」、日本作物学会論文賞を受賞
・農林水産省「みどりの食料システム戦略 技術カタログ」に、民間農機メーカーの技術として初
 めて掲載(※11)

会社概要
株式会社NEWGREEN
所在地:東京都小金井市中町2-24-16農工大・多摩小金井ベンチャーポート101
代表者:代表取締役CEO 山中 大介 代表取締役COO 中條 大希 代表取締役CIO 対馬 慶貞
設 立:2019年11月
URL:https://newgreen.inc/

事業内容:水田抑草ロボット「アイガモロボ」の開発・製造、節水型乾田直播栽培の普及・推進、乾田直播用資材などの販売、米の買取販売、有機米加工食品「とろけるシリーズ」の製造販売など

出典

※1 農林水産省「『水稲栽培における中干し期間の延長』のJ-クレジット制度について」(2026年7月) リンク

※2 中村哲也ほか「アイガモロボ®を核とした除草体系における水稲栽培水田からのメタンフラックス削減効果」日本作物学会 第261回講演会要旨集(2026年、NEWGREEN・農研機構西日本農業研究センター)

※3 東京農工大学・NEWGREEN・ロックトロイ・グループによるメコンデルタでの実証(2025年12月~2026年2月測定)

※4 山形大学農学部 佐藤智准教授の調査(マイナビ農業、2023年6月) リンク

※5 中谷肇ほか「有機栽培支援ロボット(アイガモロボ)による水田微生物叢変化」第76回日本生物工学会大会(2024年) リンク

※6 農研機構「戦略的スマート農業技術の開発・改良」成果報告 SA1-417G2(新潟食料農業大学ほか、2023~2024年度) リンク

※7 生物多様性条約(CBD)事務局 COP17/メディア向け情報

※8 エレバン宣言(2026年10月16日) リンク

※9 農林水産省「農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ(MIDORI∞INFINITY)」(2026年4月改定)

※10 農研機構ほか「水田用自動抑草ロボット『アイガモロボ』の抑草効果を実証」(研究成果) リンク

※11 農林水産省「みどりの食料システム戦略 技術カタログ(Ver.6.0)」 リンク

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会社概要

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業種
製造業
本社所在地
東京都港区虎ノ門4-1-40 江戸見坂森ビル3階 SHONAI SPACE
電話番号
03-6432-4686
代表者名
中條大希
上場
未上場
資本金
25億7707万円
設立
2019年11月