海藻のフリー配偶体を「塗る」新技術「SP法」で藻場再生へ
BLUABLEと新潟県水産海洋研究所、佐渡の実海域でワカメ・ツルアラメの生長を確認。2026年度は全国5カ所以上での実証を計画、ブルーインフラへの活用も目指す
株式会社BLUABLE(本社:兵庫県宝塚市、代表取締役:魚谷 貴秀)は、海藻のフリー配偶体を基質に直接塗布する藻場造成技術「SP法(Sol Paint法)」の研究開発を進めています。このたび、新潟県水産海洋研究所と共同で佐渡の実海域で実証試験を実施し、本技術を用いてワカメとツルアラメの生長を確認しました。
SP法は、培養したフリー配偶体を基質に直接塗布し、すぐに海中設置できる技術です。藻場造成の新たな選択肢となることが期待されます。従来、種苗を準備するために必要だった工程や作業の効率化につながることが期待されます。
2026年度は、全国5カ所以上で実証を進める計画です。将来的には、自然海域での藻場再生に加え、港湾・護岸などの人工構造物を活用した「ブルーインフラ」への応用も目指します。
背景:藻場再生における種苗供給の課題
藻場は、多様な海洋生物の生息場となるほか、二酸化炭素の吸収・貯留や水産資源の維持など、重要な役割を担っています。一方、磯焼けなどによって海藻が減少した海域では、海藻の再生に向けて種苗を供給することが課題となります。
株式会社BLUABLEはこれまで、独自開発した基質「クライン管」を用い、全国18海域・10海藻種を対象に藻場造成の研究開発・実証に取り組んできました。クライン管は、約700gの基質を海中に設置することで、コンブ、ワカメ、アラメ、カジメ、アントクメ、モズクなど、さまざまな海藻種を対象とした藻場造成に活用してきた資材です。
しかし、周辺に海藻がほとんど存在しない海域では、海藻の種苗を確保する必要があります。一般的に、遊走子やフリー配偶体の培養から種糸の作製に至るまでには、時間と手間がかかります。
こうした課題の解決に向け、フリー配偶体を基質に直接塗布するSP法の研究開発を進めています。
SP法による実証試験で、ワカメ・ツルアラメの生長を確認
今回の実証試験では、培養したワカメとツルアラメのフリー配偶体を特殊なゾルに混合し、クライン管に塗布したうえで、翌日に佐渡の実海域に設置しました。その結果、両種の生長を確認しました。
SP法は、培養したフリー配偶体を基質に直接塗布することで、基質への種苗の付与を効率化することを目指す技術です。種苗を付けた資材を海中に設置するという工程により、藻場造成の新たな選択肢となることが期待されます。
今後は、対象とする海藻種や海域を広げながら、生長状況や海域ごとの適用条件などを検証し、技術の実用化に向けた知見を蓄積していきます。


2026年度の実証計画
2026年度は、全国5カ所以上の海域で、5海藻種を対象とした実証試験を進める計画です。複数の海域・海藻種で検証を行うことで、地域ごとの環境条件に応じた適用可能性を評価し、藻場再生への活用を目指します。
ブルーインフラへの応用を目指して
BLUABLEは、SP法を自然海域における藻場再生だけでなく、港湾・護岸などの人工構造物を活用した「ブルーインフラ」への応用にも展開していきます。
地域に適した海藻の種苗を付与した資材を護岸や消波ブロックなどに設置することで、海洋生物の生息環境の創出や、海洋環境と地域社会の持続可能性への貢献を目指します。
今後も、研究機関や地域の関係者と連携し、実海域での検証を重ねながら、藻場再生に向けた技術開発と社会実装を進めていきます。
■株式会社BLUABLE
代表者 :代表取締役 魚谷 貴秀
所在地 :兵庫県宝塚市社町20番7号
設立 :2024年10月
事業内容 :カーボンクレジット創出販売事業、ブルーカーボン申請代行事業、藻場造成関連事業、関連する事業および環境コンサルティング事業
URL : https://bluable.jp/
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