「平和の礎」の全刻銘者を紙面に掲載 沖縄タイムス 沖縄戦の戦没者24万2567人を13日連続で 不戦の決意 新たに
1日4ページ掲載、計52ページ。毎日抜き取ってつづると名簿になり、全紙面を広げて配置すると二つの風景が浮かび上がります

沖縄タイムス社(沖縄県那覇市、代表取締役社長・武富和彦)は戦後80年に合わせ、糸満市摩文仁の「平和の礎」に刻銘された全24万2567人の氏名を6月10日付から22日付にかけて日刊紙「沖縄タイムス」に掲載しています。「平和の礎」は1995年の建設から30年が経過しました。沖縄戦などで亡くなった一人一人の命の重さをかみしめ、不戦の決意を新たにします。
幾多の生きた証しに新聞で触れてほしい
特集は1日4ページずつ掲載し、計52ページになります。毎日抜き取ってつづることで一冊の名簿になり、全ての紙面を広げて配置すると、二つの風景が浮かび上がります。幾多の生きた証しを紙面で見て読み、手に触れ、なでながら不戦の誓いを立ててほしいとの願いを込めました。ご家庭や職場、学校などで、ぜひ保管してご覧ください。風景が浮かび上がるまでの過程は、那覇市久茂地のタイムスビル1階で展示しています。
沖縄県によると、刻銘対象は県出身者の場合、沖縄戦を中心に1931年の満州事変に始まる「十五年戦争」の期間中か、日米両軍による沖縄戦の降伏調印式があった1945年9月7日からおおむね1年以内に県内外の戦争が原因で亡くなった人。県外や外国出身者については、沖縄戦に関連して亡くなった人たちです。
戦艦大和乗員ら342人の新たな刻銘も
出身地別の内訳は、沖縄県14万9674人、県外7万8303人、米国1万4011人、英国82人、台湾34人、北朝鮮82人、韓国381人。沖縄県提供の名簿を基に、掲載順を一部再構成し、常用漢字でない文字は沖縄タイムスが独自に作成しています。
2025年には342人が新たに「平和の礎」に刻銘されることが決定しており、この追加分も含めた最新の名簿を掲載します。追加刻銘の内訳は県内166人、県外325人、米国1人で、県外の追加刻銘者は米軍の攻撃を受け沈没した戦艦大和など、日本軍の戦艦乗組員が大半を占めています。
「平和の礎」の意義を再確認
「平和の礎」は、平成7(1995)年に太平洋戦争・沖縄戦終結50周年を記念して建設されました。その基本理念は「戦没者の追悼と平和祈念」「戦争体験の教訓の継承」「安らぎと学びの場」の3つです。
「鉄の暴風の波濤が、平和の波となって、わだつみに折り返して行く」というデザインコンセプトのもと、沖縄県糸満市摩文仁の平和記念公園内に設置されています。
沖縄タイムスは本企画を通じて、「死の瞬間を知る人さえなく、遺骨になっても帰れなかった幾多の生きた証し」である戦没者の名前を呼び、「新たな戦争遺族に、私たちはならない」という誓いを読者と共有します。
掲載概要
掲載期間: 2025年6月10日~22日
掲載内容: 「平和の礎」刻銘者全24万2567人の氏名
掲載規模: 毎日4ページ、計52ページ
特別企画: 全ページを組み合わせると2種類の風景写真が出現

沖縄タイムス社
沖縄タイムス社は、沖縄県を代表する新聞社として、地域の歴史と文化を伝え、平和を希求する報道に取り組んでいます。沖縄戦の実相を伝え、平和の尊さを訴える企画を継続的に実施し、「戦争の惨禍を忘れない」という理念のもと、報道活動を展開しています。
お問い合わせ先
担当部署: 沖縄タイムス社会部
電話番号: 098(860)3552(平日午前11時~午後6時)
メール: shakai@okinawatimes.co.jp
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