動力アシスト機能付きパワード義足「Bio Leg®」、米国食品医薬品局(FDA)のクラスⅡ医療機器に登録
2024年前半に米国市場での販売開始を目指す
■米国市場への展開について
BionicMは今回の登録によって、米国市場への参入、事業成長を加速させていきます。
米国の義肢装具市場は2022年時点で43億ドルにのぼると推定されています(※1)。2020年時点で210万人いるとされる四肢切断者数(※2)が、2050年には360万人まで増加することが見込まれています。切断年齢は、45歳以上の切断者数が全体の88%を占め(※3)、筋力の衰えた高齢者など低活動の義足ユーザー増加に伴い、動力アシスト機能をもつ義足へのニーズが高まることが予想されます。
■Bio Leg®について
Bio Leg®は、東京大学が世界をリードするヒューマノイドロボティクス技術を活用し、膝の屈曲伸展を能動的に行える動力アシスト機能をもったパワード義足です。
現在世界で流通している義足は動力アシスト機能を持たないものが主流であり、義足ユーザーは身体的負担の大きさや、日常動作に制限が生じることに常に悩まされています。
Bio Leg®は、脚の切断により失われた筋力を義足の動力で代替することで、装着者の身体的負担を軽減するとともに、より自然な動作、アクティブな活動をサポートし、日常生活動作の幅を広げることが期待されます。
Bio Leg®の製品コンセプトは、世界最高峰のデザイン賞のひとつである2020年度「Red Dot Award」デザインコンセプト部門において、グランプリにあたる「Luminary(ルミナリー)」を受賞しており、機能面に加えてデザイン面でも世界で高く評価されています。
今回Bio Leg®は、2023年7月に米国FDAにてクラスⅡ 510(k)免除の医療機器として登録が完了致しました。
■代表取締役社長 孫 小軍からのコメント
Bio Leg®がFDA登録を完了したことを大変嬉しく思います。今回の登録は、足を失った人々のモビリティを革新的に向上させるための大きなマイルストーンであり、今後米国市場で販売を開始し、弊社のミッションである、すべての人々のモビリティに力を与えること「Powering Mobility for All」の達成に向けて、さらに事業を加速させていきたいと考えています。
■米国NY州OTF Prosthetics and Orthotic CEO兼義肢装具士(CPO) Gary Marano氏からのコメント
Bio Leg®は大腿切断者の日常生活動作を向上させる画期的な義足です。私のニューヨーク州の施設で何度か試用したところ、非常に良い反応が得られました。
Bio Leg®はより自然な歩行を可能にし、坂道での安定性向上や、長距離をより効率的に歩くことを可能にしていると感じます。もう一つの機能的な利点は、椅子から立ち上がるときに、より早くスムーズに移行できることです。この機能は、脳卒中や筋力低下、非切断側の股関節や膝関節を痛めてしまった人の動作支援にもつながるものと考えています。
■出典情報
(※1)出典:Hanger Investor Presentation May2022
(※2)出典:Nikhil Verma, Isaiah Levy, Devapratim Sarma, et al. Bilateral symmetry in ankle-muscle activation in transtibial amputees. Annu Int Conf IEEE Eng Med Biol Soc
. 2020 Jul;2020:3775-3778.
(※3)出典:Cain, Jeffrey J. MD, FAAFP; Ignaszewski, Daniel BA; Blymire, Carol MS. Living Well After Amputation: Lessons in Innovation, Peer Support, and Health Policy. Techniques in Orthopaedics 36(4):p 360-366, December 2021.
※グラフは上記出典データをもとに自社作成
■BionicM株式会社(バイオニックエム)会社概要
BionicMは、東京大学博士課程において孫小軍がヒューマノイド・ロボット技術を応用して発明したパワード義足をコアテクノロジーとし、2018年12月に設立されたスタートアップ企業です。すべての人々のモビリティに力を与えること「Powering Mobility for All」をミッションとして、下肢切断者のモビリティ・QOLを向上させるパワード義足の開発・販売を行っています。
設立:2018年12月21日
代表者:代表取締役社長 孫小軍
事業内容:ロボティクスと身体を融合したモビリティディバイスの研究開発・事業化
本社:東京都文京区本郷7-3-1 東京大学アントレプレナープラザ203室
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