株式会社ストラテジックキャピタルが極東貿易株式会社(東証一部:コード8093)への株主提案及び同提案に関する特集サイトの開設を公表
Shareholder Proposal to KYOKUTO BOEKI KAISHA, LTD. and Announcement of the New Website Open
弊社は、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)と投資一任契約を締結しており、ファンド及び株式会社ストラテジックキャピタルは極東貿易株式会社(以下「当社」といいます。)の議決権を300個以上6か月前から引き続き保有しております。
ファンド及び弊社は、本年4月24日に、当社に対し、来る6月開催予定の当社の定時株主総会について株主提案権を行使する書面を発送し、同月27日に当社への株主提案に係る書面の到達を確認しましたので、本件を公表いたします。株主提案の内容及び提案の理由のそれぞれの概要は以下の通りです。
詳細な説明は、https://proposal-for-kyokuto-from-sc-2020.com/又は株式会社ストラテジックキャピタルのホームページ右上の特設サイトリンク(https://stracap.jp/)をご参照ください。
[1] 提案する議題の内容
1.資本コストの開示に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第7章 資本コスト
(資本コストの開示)
第37条 当会社は、当会社が東京証券取引所に提出するコーポレートガバナンスに関する報告書(以下「CG報告書」という。)において、CG報告書提出日から遡る1か月以内において当会社が把握する加重平均資本コストを、その算定根拠とともに開示するものとする。
2.保有する株式の売却に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
なお、章番号と条数については、上記の議案1の「資本コストの開示に係る定款変更の件
」が可決されなかった場合は、第8章ではなく第7章、第38条ではなく第37条とする。
第8章 保有する株式の売却
(保有株式の売却)
第38条
①当会社が、本条を追加する定款変更の効力発生日現在、純投資目的で保有している株式は、第101期中に速やかに売却するものとする。
②当会社が、前項に規定する日現在、政策保有株式として保有している株式は、第101期から第103期までの3期中に速やかに売却するものとする。
3.剰余金を処分する件
(1)配当財産の種類
金銭
(2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
54円から、第100回定時株主総会において可決された当社取締役会が提案した剰余金処分に係る議案(以下「会社側利益処分案」という。)に基づく普通株式1株当たり配当金額(以下「会社提案配当金額」という。)を控除した金額を、会社提案配当金額に加えて配当する。
第100期1株当たり当期純利益金額から小数点以下を切り捨てた金額(以下「実績EPS」という。)が54円と異なる場合は冒頭の54円を実績EPSに読み替える。
なお、配当総額は、当社の第100回定時株主総会の議決権の基準日現在の配当の対象となる株式数を乗じた額となる。
(3)剰余金の配当が効力を生じる日
当社の第100回定時株主総会の開催日の翌日
なお、本議案は、第100回定時株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。
[2] 提案の理由
1.資本コストの開示に係る定款変更の件
当社の株価は、解散価値を大きく下回る状態が継続している。これは、当社のROE(自己資本利益率)が投資家の求める水準(株主資本コスト)に達していないということである。
東京証券取引所の有価証券上場規程別添の「コーポレートガバナンス・コード」(以下「コード」という。)において、「経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、自社の資本コストを的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を提示し、その実現のために、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発投資・人材投資等を含む経営資源の配分等に関し具体的に何を実行するのかについて、株主に分かりやすい言葉・論理で明確に説明を行うべきである」として、経営陣が自社の資本コストを的確に把握することを求めている(コードの「原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表」)。当社経営陣においても、当社の株主資本コストを踏まえた加重平均資本コストを的確に把握したうえで事業計画や資本政策等を立案・検証することが求められているというべきである。また、加重平均資本コストが開示されることにより、当社経営陣と株主を含む投資家との間で、共通の尺度に基づく対話も可能となる。このように資本コストを開示することによって、当社株式の市場における低い評価の改善を目指すことができると考える。
しかしながら、昨年の資本コスト開示に係る株主提案(以下「前回株主提案」という。)に対し、当社取締役会は「(資本コストの開示は)定款に記載すべき事項であると考えておりません」「(コードにおいては)加重平均資本コストおよびその算定根拠の開示についての言及はありません」「(中長期経営計画において)自社の資本コストを的確に把握した上で、収益力と資本効率に関する目標としてROEの目標数値を定め、その実現に向けた戦略についても開示しております」と主張し、提案に反対した。前回株主提案への賛成比率は33%にも上ったにもかかわらず、その後も当社は資本コストを全く開示していない。
そして、当社は2024年3月期までに達成すべき目標としてROEを8%と設定しているが、冒頭に述べた通り、現在の当社の株価は解散価値を大きく下回ると評価されている。しかし、当社が8%という低いROEを目標に設定しているのは、当社が誤った低水準の株主資本コストを認識している可能性があることを示すものである。そのような認識の誤りの結果、当社のROE目標が実際の株主資本コストよりも低くなっていると考えられる。したがって、当社は資本コストを開示し、さらに株主を含む投資家と対話を実施して、資本コストを正しく把握したうえで経営戦略や経営計画を策定するべきである。
2.保有する株式の売却に係る定款変更の件
当社は、2019年3月末現在、貸借対照表計上額で14億35百万円となる3銘柄の政策保有株式を保有し、また、貸借対照表計上額で32億62百万円の株式を純投資目的で保有している。
当社の有価証券報告書によれば、政策保有株式の保有目的は、「取引先との安定的・長期的な取引関係の構築、業務提携、または協働ビジネス展開の円滑化及び強化」と説明されているが、株式を保有することと、取引関係を構築することや協働ビジネス展開が円滑化及び強化されることの因果関係が理解できない。
さらに、純投資目的の株式保有に関しては、当社の株主は、そもそも当社の定款の目的に書かれていない株式投資による利益ではなく、当社の本業での利益拡大に期待して当社の株式を保有しているのであって、当社が純投資目的で株式を保有する理由はない。
当社は、現在保有する政策保有株式及び純投資目的の株式を早期に全て売却し、その売却代金を当社の株主価値向上のために使うべきである。具体的には、純投資目的の株式は今期中に売却することとし、政策保有株式は売却に時間を要する可能性があることに鑑み、今期を含む今後3期以内に売却することとする。
3.剰余金を処分する件
「第2 3.剰余金を処分する件」に記載の54円とは、2020年4月20日現在最新の当社予想1株当たり当期純利益の金額である。本件は、会社提案の1株当たり配当金がいくらであっても、当期純利益全てを配当金とすることを企図した提案であるが、単に2020年3月期の配当として54円の配当金を求めているのではなく、後記のように、今後の中長期的な資本政策として、配当性向100%を継続的に採用していただくことに期待した提案である。
当社の自己資本比率は2019年3月末現在で42.8%、同年12月末では49.2%となっているが、これは、当社が商社を生業としていることに鑑みれば、非常に高い数値である。この高い自己資本比率を反映して、新型コロナウィルス及び台風の影響が織り込まれていない期初予想の当期純利益を用いたROEは5.2%と低水準である。さらに、当社は自己資本比率が高いのみならず、2019年12月末現在で、現預金約89億円、投資有価証券約84億円、有利子負債は約51億円と、現金類似資産も十分な水準で保有している。
当社は、これ以上会社内に資金を留保する必要はなく、また、これ以上自己資本を増加させてもROEは減少するだけである。余剰資金を株主に還元することが、株主価値を高め、ひいては株価の向上につながるので、剰余金の配当を大幅に増額すべきである。そして、2020年3月期だけではなく、それ以降も当社の資本政策として配当性向100%を採用することで、中長期的にも当社が自己資本を積み上げないことを明らかにしていただきたい。なお、今回提案する剰余金の処分案を実行しても、その配当総額は当期純利益の範囲内であることから、前期末の当社の自己資本及び現預金水準を大きく変えるものではなく、当社の財務状態は良好なままである。
以上
ファンド及び弊社は、本年4月24日に、当社に対し、来る6月開催予定の当社の定時株主総会について株主提案権を行使する書面を発送し、同月27日に当社への株主提案に係る書面の到達を確認しましたので、本件を公表いたします。株主提案の内容及び提案の理由のそれぞれの概要は以下の通りです。
詳細な説明は、https://proposal-for-kyokuto-from-sc-2020.com/又は株式会社ストラテジックキャピタルのホームページ右上の特設サイトリンク(https://stracap.jp/)をご参照ください。
[1] 提案する議題の内容
1.資本コストの開示に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第7章 資本コスト
(資本コストの開示)
第37条 当会社は、当会社が東京証券取引所に提出するコーポレートガバナンスに関する報告書(以下「CG報告書」という。)において、CG報告書提出日から遡る1か月以内において当会社が把握する加重平均資本コストを、その算定根拠とともに開示するものとする。
2.保有する株式の売却に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
なお、章番号と条数については、上記の議案1の「資本コストの開示に係る定款変更の件
」が可決されなかった場合は、第8章ではなく第7章、第38条ではなく第37条とする。
第8章 保有する株式の売却
(保有株式の売却)
第38条
①当会社が、本条を追加する定款変更の効力発生日現在、純投資目的で保有している株式は、第101期中に速やかに売却するものとする。
②当会社が、前項に規定する日現在、政策保有株式として保有している株式は、第101期から第103期までの3期中に速やかに売却するものとする。
3.剰余金を処分する件
(1)配当財産の種類
金銭
(2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
54円から、第100回定時株主総会において可決された当社取締役会が提案した剰余金処分に係る議案(以下「会社側利益処分案」という。)に基づく普通株式1株当たり配当金額(以下「会社提案配当金額」という。)を控除した金額を、会社提案配当金額に加えて配当する。
第100期1株当たり当期純利益金額から小数点以下を切り捨てた金額(以下「実績EPS」という。)が54円と異なる場合は冒頭の54円を実績EPSに読み替える。
なお、配当総額は、当社の第100回定時株主総会の議決権の基準日現在の配当の対象となる株式数を乗じた額となる。
(3)剰余金の配当が効力を生じる日
当社の第100回定時株主総会の開催日の翌日
なお、本議案は、第100回定時株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。
[2] 提案の理由
1.資本コストの開示に係る定款変更の件
当社の株価は、解散価値を大きく下回る状態が継続している。これは、当社のROE(自己資本利益率)が投資家の求める水準(株主資本コスト)に達していないということである。
東京証券取引所の有価証券上場規程別添の「コーポレートガバナンス・コード」(以下「コード」という。)において、「経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、自社の資本コストを的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を提示し、その実現のために、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発投資・人材投資等を含む経営資源の配分等に関し具体的に何を実行するのかについて、株主に分かりやすい言葉・論理で明確に説明を行うべきである」として、経営陣が自社の資本コストを的確に把握することを求めている(コードの「原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表」)。当社経営陣においても、当社の株主資本コストを踏まえた加重平均資本コストを的確に把握したうえで事業計画や資本政策等を立案・検証することが求められているというべきである。また、加重平均資本コストが開示されることにより、当社経営陣と株主を含む投資家との間で、共通の尺度に基づく対話も可能となる。このように資本コストを開示することによって、当社株式の市場における低い評価の改善を目指すことができると考える。
しかしながら、昨年の資本コスト開示に係る株主提案(以下「前回株主提案」という。)に対し、当社取締役会は「(資本コストの開示は)定款に記載すべき事項であると考えておりません」「(コードにおいては)加重平均資本コストおよびその算定根拠の開示についての言及はありません」「(中長期経営計画において)自社の資本コストを的確に把握した上で、収益力と資本効率に関する目標としてROEの目標数値を定め、その実現に向けた戦略についても開示しております」と主張し、提案に反対した。前回株主提案への賛成比率は33%にも上ったにもかかわらず、その後も当社は資本コストを全く開示していない。
そして、当社は2024年3月期までに達成すべき目標としてROEを8%と設定しているが、冒頭に述べた通り、現在の当社の株価は解散価値を大きく下回ると評価されている。しかし、当社が8%という低いROEを目標に設定しているのは、当社が誤った低水準の株主資本コストを認識している可能性があることを示すものである。そのような認識の誤りの結果、当社のROE目標が実際の株主資本コストよりも低くなっていると考えられる。したがって、当社は資本コストを開示し、さらに株主を含む投資家と対話を実施して、資本コストを正しく把握したうえで経営戦略や経営計画を策定するべきである。
2.保有する株式の売却に係る定款変更の件
当社は、2019年3月末現在、貸借対照表計上額で14億35百万円となる3銘柄の政策保有株式を保有し、また、貸借対照表計上額で32億62百万円の株式を純投資目的で保有している。
当社の有価証券報告書によれば、政策保有株式の保有目的は、「取引先との安定的・長期的な取引関係の構築、業務提携、または協働ビジネス展開の円滑化及び強化」と説明されているが、株式を保有することと、取引関係を構築することや協働ビジネス展開が円滑化及び強化されることの因果関係が理解できない。
さらに、純投資目的の株式保有に関しては、当社の株主は、そもそも当社の定款の目的に書かれていない株式投資による利益ではなく、当社の本業での利益拡大に期待して当社の株式を保有しているのであって、当社が純投資目的で株式を保有する理由はない。
当社は、現在保有する政策保有株式及び純投資目的の株式を早期に全て売却し、その売却代金を当社の株主価値向上のために使うべきである。具体的には、純投資目的の株式は今期中に売却することとし、政策保有株式は売却に時間を要する可能性があることに鑑み、今期を含む今後3期以内に売却することとする。
3.剰余金を処分する件
「第2 3.剰余金を処分する件」に記載の54円とは、2020年4月20日現在最新の当社予想1株当たり当期純利益の金額である。本件は、会社提案の1株当たり配当金がいくらであっても、当期純利益全てを配当金とすることを企図した提案であるが、単に2020年3月期の配当として54円の配当金を求めているのではなく、後記のように、今後の中長期的な資本政策として、配当性向100%を継続的に採用していただくことに期待した提案である。
当社の自己資本比率は2019年3月末現在で42.8%、同年12月末では49.2%となっているが、これは、当社が商社を生業としていることに鑑みれば、非常に高い数値である。この高い自己資本比率を反映して、新型コロナウィルス及び台風の影響が織り込まれていない期初予想の当期純利益を用いたROEは5.2%と低水準である。さらに、当社は自己資本比率が高いのみならず、2019年12月末現在で、現預金約89億円、投資有価証券約84億円、有利子負債は約51億円と、現金類似資産も十分な水準で保有している。
当社は、これ以上会社内に資金を留保する必要はなく、また、これ以上自己資本を増加させてもROEは減少するだけである。余剰資金を株主に還元することが、株主価値を高め、ひいては株価の向上につながるので、剰余金の配当を大幅に増額すべきである。そして、2020年3月期だけではなく、それ以降も当社の資本政策として配当性向100%を採用することで、中長期的にも当社が自己資本を積み上げないことを明らかにしていただきたい。なお、今回提案する剰余金の処分案を実行しても、その配当総額は当期純利益の範囲内であることから、前期末の当社の自己資本及び現預金水準を大きく変えるものではなく、当社の財務状態は良好なままである。
以上
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