Malme、シードラウンドで1.7億円の資金調達を実施。土木技術者集団のスタートアップが業界のアップデートを目指す。
土木技術者集団によるスタートアップ株式会社Malmeは、ジェネシア・ベンチャーズとDEEPCOREを引受先とする第三者割当増資により、シードラウンドにて1.7億円の資金調達を実施しました。
土木技術者集団によるスタートアップ株式会社Malme(東京都千代田区、代表取締役:高取佑)は、ジェネシア・ベンチャーズとDEEPCOREを引受先とする第三者割当増資により、シードラウンドにて1.7億円の資金調達を実施しました。
今回の調達した資金を活用して3次元自動設計やベテラン技術の継承を実現するプロダクト開発に着手し、“Malme(マルメ)”が掲げる「ドボクをもっとおもしろく」を体現してまいります。
●Malmeが解決する課題
土木業界は高度成長期に一斉に建設された道路や橋、鉄道、上下水道といった公共インフラの老朽化問題や、度重なる異常気象に伴う災害復旧対応など、直面する問題が多様かつ高難度化しております。しかしながら、高齢化によるベテラン技術者の相次ぐ引退や高度な技術を受け継ぐべき若手技術者の不足が深刻です。このままでは次世代のインフラを支える土木技術者がいなくなり、私達の住む街の「安全」や「安心」が維持できない可能性があります。こうした業界の問題に対し、“Malme(マルメ)”はBIM/CIMなどの3次元技術やAI技術を駆使して業界の生産性向上に繋がるDX事業を展開してまいりました。特に創業以来の主力事業であるBIM/CIMサービスは、業界最大手から地域特化の地場企業まで、幅広いお客様からご評価いただいております。
●今後の展開 - 設計自動化や技術継承支援を通じて、ドボクをもっとおもしろく -
今後は“Malme(マルメ)”の基盤であるBIM/CIMの技術をより進化させつつ、構造解析・設計の3次元化や、技術継承へのAI活用に一層注力していく方針です。土木業界の各企業から現場の実情に基づく声をヒアリングし、その課題の解決に向けて、土木設計を自動化するアプリケーション「Structural Engine」や、AIを活用した技術継承システムの開発を進めております。この度の資金調達は、これらのDX事業をさらに拡大・深化させるとともに、新規事業への取組みを加速するために実施します。
〇 Structural Engine
熟練の構造設計技術者の代わりとなる革新的な設計自動化アプリケーションです。構造解析・計算・照査・図面作成・3D化・資料作成といった一連の作業をシームレスに行うことができ、部材の数値を入力するだけでBIM/CIMモデルへ即時反映される直観的な操作画面を備えております。また、技術的な知識をフォローする操作ガイダンスやアラート機能も搭載し、使いやすさも追求しました。さらに、AIを活用した設計最適化機能により、経験不足による入力ミス、基準の見落とし、判断ミスなどのヒューマンエラーを補正します。これにより、誰でも正確かつ熟練者レベルの高品質な構造設計ができるような未来を創ります。
〇Malme AI(仮称)
土木技術者の専門情報の検索・参照を支援するAIチャット型のナレッジマネジメントシステムです。お客様の社内データベースに蓄積された過去事例やノウハウなどの情報をデータベースに読み込ませてAIに学習させ、質問内容を入力すると自然言語を用いた対話方式で回答が表示されます。一般的なAIチャットツールと異なり、土木技術者向けに検索アルゴリズムを専門化しており、さらに会社ごとに必要な情報を読み込ませるため用途に応じた高度なチューニングが可能です。AI技術を実務に落とし込んだこのシステムは、ベテランの知見がないと判断しにくい設計検討の場面でも、土木技術者の情報検索速度を圧倒的に向上させ、さらにはチーム全体のノウハウ共有の効率化も実現します。
お問い合わせ:https://www.malme.net/contact
●出資者からのコメント
ジェネシア・ベンチャーズ
Investment Manager 黒崎直樹氏
この度Malme社に出資させて頂いたこと、とても嬉しく思います。高取さんとの出会いは昨年よりジェネシアが始めたEntrepreneurs Academyでメンターを務めたことでした。既にBIM事業で確固たる事業基盤を固めているにも関わらず、業界全体の深い課題を解決するために新事業を始めようとするその大きな志と使命に、強い感銘と共感を覚えたことは今でも忘れません。高齢化や業務のデジタル化が叫ばれている土木業界ですが、残業時間の規制強化や国営工事におけるBIM利用の原則義務化など、この10年で大きな変革が起きる業界、むしろ起こさなければいけない業界だと捉えています。その変化の渦の中心にMalmeがいる。そんな未来を強く信じ、これからもMalmeと共に歩んでいければと思います。
DEEPCORE
Senior Director 三宅 俊毅氏
国内公共インフラは老朽化が進み、再設計・更新が不可避の状況です。しかし、それを担う土木建設業界では、設計ノウハウが複雑・高度であるために、技術継承手法の大きな変革が起こりませんでした。結果、非効率を避ける若手が業界を敬遠し、高齢化と人手不足に繋がっています。同時に、建設資材費や労務単価の高騰で、工事採算の確保も難化しています。そんな中、高取さんを中心とする「Team Malme」の業界を変えたいという強い思いと、掲げるプロダクトがこの苦境を乗り越える大きな力になると確信し、ご出資させていただきました。設計自動化による生産性向上と技術継承を同時に実現することで、これから多くの志ある土木技術者が、生き生きと社会基盤の未来を創造できるよう、全力でご支援していきます。
●代表取締役 高取からのコメント
建設業という伝統産業の中で日本の公共インフラを支えてきたのが土木業界であり、土木技術者という存在です。その連綿に語り継がれる技術の粋は間違いなく世界に誇れるレベルにあり、高度成長期の経済発展を支えたこの技術力は実際に海外でも高く評価されました。なにかと暗い話題が続くいまの日本において、この国の素晴らしさをもう一度世界に知ってもらうための「いまだ有望な技術産業である」と私は考えております。そこで、日本の公共インフラを護り抜いてきた土木技術者という存在は、スタートアップの業界でも十分に活躍できるポテンシャルを秘めていることに気づき、“Malme(マルメ)”を設立しました。創業以来、土木技術者の可能性を信じて脇目も振らず走ってきましたが、その可能性を私たち以上に信じて力を貸してくださったのが、ジェネシア・ベンチャーズ様とDEEPCORE様です。今回株主としてお招きできたことで、高い志を持って集まってくれた仲間たちと共に「土木技術者集団によるスタートアップ」という唯一無二のポジションから、業界のアップデートに挑戦できるまたとないチャンスをいただきました。“Malme(マルメ)”にとって計り知れないほどの価値を感じております。私たちが創るプロダクトやサービスを通じてベテラン技術者の持つ貴重な技術やノウハウが次世代に継承され、これからの日本を支えるインフラ整備に少しでも活かされる可能性を考えると、身が引き締まる思いです。
最後に、今回の調達に際して多くの投資家様、企業様からお声がけや応援を頂戴しました。そのご期待に恥じぬよう、「次世代に遺すに値する日本の未来」を土木業界から創り上げるべくこれからも走り続けます。今後とも“Malme(マルメ)”を、よろしくお願いいたします。
●採用募集中!
“Malme(マルメ)”では、一緒にドボクをアップデートしてくださる方を積極採用中です。
ご興味をもっていただけましたら、下記より会社紹介資料をご覧ください▽
https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/files.malme.net/malme.inc.pdf
●出資者の概要
株式会社ジェネシア・ベンチャーズ
〇本社所在地:東京都渋谷区道玄坂1丁目10−5 渋谷プレイス3F
〇事業内容:ベンチャーキャピタル事業
〇ウェブサイト:https://www.genesiaventures.com/
株式会社ディープコア
〇本社所在地:東京都文京区本郷4-1-4 Design Place α 3F, 4F
〇事業内容:AI特化型のベンチャーキャピタル事業
〇ウェブサイト:https://deepcore.jp/
●弊社の会社概要
〇本社所在地:東京都千代田区麹町6-6-2 番町麹町ビルディング5F
〇事業内容:土木業界向け建設DXサービスの提供
〇創業:2021年2月
〇ウェブサイト:https://www.malme.net/
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