SMK 音声による認知症診断支援アルゴリズムの共同研究・開発が完了
MCIの検知において高い精度を実現し、本格的な販売を開始
SMK株式会社(代表取締役社長 池田靖光、以下SMKという)と国立循環器病研究センター(理事長 大津欣也)は、Canary Speech, Inc.(CEO ヘンリー・オコネル)の技術を活用して2022年3月から「音声による認知症診断支援アルゴリズム」の共同研究・開発を行ってきました。(※1)このたび、MCI(Mild Cognitive Impairment、軽度認知障害)検知モデル開発研究において、目標としていた検知精度80%を達成し、開発を完了しました。本日から本格的な販売を開始します。このアルゴリズムにより、スマートフォンやPC、電話等で取得した40秒の音声から簡易にMCIの状態を判別することが可能となります。
今後もSMKと国立循環器病研究センターは共同研究を継続し、MCIだけではなく抑うつ傾向、うつ、疲労度の検知モデルにおいても高い検知精度の達成を目指します。
MCI検知モデルの共同研究・開発
今回の共同研究・開発において、SMKは宮崎県延岡市及び兵庫県の通所介護施設から約1,500名の被験者のデータ(音声データ及びMCI、抑うつ傾向、疲労度のスクリーニング結果)を収集し、アルゴリズムの開発を実施しました。その結果、高精度なMCI検知モデルの開発に成功し、音声のみを使用したモデルでAUC(※2):0.81、音声に加えて年齢、性別、教育年数を追加情報として活用したモデルでAUC:0.89が得られました。今回の開発では、分析に耐えうる音声データのうち、約1,000名分を検知モデルの構築、約500名分を精度検証に使用しています。これは、高い検知精度(AUC > 0.80)をもつAIの外的妥当性を検証できるサンプルサイズ(N=310)を十分に確保しており、信頼性の高い検知モデルの構築に成功したことを意味します。(この研究に関しては、国立循環器病研究センターより2025年1月に論文投稿済み。)
今後の展開
SMKは、今回開発した日本語のMCI検知モデルの本格的な販売を本日開始します。サービスの提供形式はAPIによるプラットフォーム、デバイスとの連携や、アプリケーションの提供等を想定しています。認知症の前段階であるMCIを早期に発見し、適切な対策をとることで認知機能の改善や発症を遅らせることができる可能性があるとの報告もあり、幅広い業界での展開を検討しています。
また、認知症やうつは日本だけの社会課題ではないと捉え、アジア諸国を中心とした海外にも積極的に活動を展開していきます。
活用例
・高齢者向けヘルスケアサービス事業者:認知機能のスクリーニングツール
・自治体:イベントでの活用、地域住民の認知機能のスクリーニングツール
・保険会社:保険商品の付帯サービス、販促ツール
・金融機関:金融商品申し込み時の認知機能チェック 等
(※1)2022年3月発表のプレスリリース
https://www.smk.co.jp/news/press_release/2022/0308/
(※2)AUC (Area Under the Roc Curve)
機械学習モデルの性能(精度)を評価する指標で、1に近いほどモデルの性能が高いことを示す。
問い合わせ先:
SMK株式会社 TEL 03-3785-5334 広報室 古田 尚之
国立循環器病研究センター TEL 06-6170-1069(31120) 広報企画室 水本・桝崎
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