第三の原野商法詐欺をうまないために:国土交通省「不動産引取サービスを利用する際の留意点」公表を受けての当社見解について(株式会社KLC)
不動産引取サービスを提供する事業者として、不動産引取業が新たな原野商法詐欺の温床とならないために。国土交通省の公表を受けての当社見解を発表します。
国土交通省にて2025年2月14日に開催された、有識者を交えた不動産部会において、不動産引取サービスを提供する事業者に対して期待すること、および留意すべき点についての指針が示されました。
同部会においては、後掲する詳細の通り、遊休不動産や所有者不明土地の増加を抑止する手段として、引取サービス事業者に対する一定の好意的な評価・意見があった一方、宅建業法等の諸法令にかからない新たなビジネスであることから、事業者に対する注意喚起もなされました。
実際に、2019年の政府広報によると、なかには不動産処分に困る消費者の弱みにつけこんで、第二の原野商法と言われるような怪しい営業勧誘や、詐欺的な金銭詐取によるトラブルも多発しているという公表もなされています。
参考:政府広報オンライン:「原野商法」再燃!「土地を買い取ります」などの勧誘に要注意
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201806/2.html
当社(株式会社KLC)では、不動産引取サービスを提供する事業者の一社として、同不動産部会当日は傍聴人として現地参加し、国土交通省および有識者の見解を傍聴してまいりましたので、当日の傍聴内容や、それらを踏まえた当社の今後の方針についてご報告申し上げます。
1.国土交通省 不動産部会(2月14日)において報告・意見された内容
<国土交通省報告>
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不動産引取サービスは、空き家等の増加に伴い、その管理や、流通に要する期間等の負担を回避するため、不動産の所有者が金銭を支払い、事業者が当該不動産を引き取るサービスである。
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同サービスは、不動産の所有者のニーズに応じたものであり、通常の売買と同様に、所有権移転と金銭授受が円滑に行われる限りにおいて、特段の問題はない。また、現在までに大きな被害の増加等は報告されていない。
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一方で、同サービスは宅建業法等による規制が及ばない場合も多いと想定されることから、以下のような点が課題とならないか、注視していく必要がある。
(1)取引の安全性の確保
(2)不動産の適正価格での取引機会の確保
(3)引取後の不動産の適正な管理の確保
<有識者意見(抜粋)>
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同サービスは、多くの宅地建物取引業者が媒介業務として取り扱えない不動産や、相続土地国庫帰属制度の利用が難しい不動産の流通・利活用実現を補完するの手段の一つとして期待できる。
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同サービスが宅建業法をはじめとした諸法令の適用外となる側面を持つ以上、特に中長期的視点では大きな問題が生じる可能性は否めない。その点で、事業者により組成された任意団体による自主規制等の強化、国として継続的な注視が重要である。



出典:国土交通省 第42回不動産部会/配布資料2「不動産取引に係る新たなサービス形態について」P.12,13,16
2.当社の見解および今後の取り組み方針
不動産引取サービスは、売却が困難な不動産を所有する方々に対し、円滑な処分の機会を提供する重要な役割を担っています。
しかし、国土交通省の指摘にもあるように、取引の安全性の確保、不動産の適正価格での取引機会の確保、引取後の不動産の適正な管理の確保といった点において、慎重な対応が求められます。
当社では、2018年より不動産引取サービス事業を開始し、累計4000件以上の相談をお受けしてまいりました。そして、従前より、お客様が安心して不動産引取を依頼できるよう、以下の点を重視して事業を運営しております。
1.取引の安全性の確保
お客様に対し、必ず契約締結前の時点において、契約内容や手続きの流れ、費用発生のタイミング、引取後の対応についてご説明し、十分な理解を得たうえで契約を締結することを徹底しております。また、所有権移転登記については必ず司法書士に依頼することで適正な実施を徹底し、契約後のトラブルを防ぐ体制を強化しています。
2.適正価格での取引機会の確保
お客様の不動産における市場での適正価格や売却難易度について十分な検討を行ったうえで、提案額の算定根拠や内訳を可能な限り詳細に明示したご提案を徹底しております。
またご提案にあたっては、当社スタッフからお客様に対して早期契約を迫るような営業行為を厳格に禁止しているほか、当社提案への恣意的な誘導や、お客様の比較検討機会を逸しないよう、当社提案以外の選択肢についても積極的にご案内しております。
3.引取後の不動産の、適正な管理
近隣住民等への影響を最小限に抑えることが最も重要であると認識したうえで、引取後の不動産が適切に管理されるよう、当社が引き取りした全ての不動産について、管理の必要性やその内容を把握し、必要に応じて地域や専門業者と連携しながら維持管理または整備の対応をしております。
4.協議会設立による、引取サービスの安全性の担保
当社は、株式会社EINZ(東京都渋谷区)、株式会社AlbaLink(東京都江東区)、LandIssues株式会社(東京都千代田区)(以上、五十音順)の4社にて、2023年に不動産有料引取業協議会を設立し、当社代表である小林弘典が代表理事に就任いたしました。
同協議会では、以下のような引取サービスを提供する事業者において遵守すべき自主規制と行動指針を策定・公表しております。
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取引の安全性を確保すること
・契約締結前までに、業者から費用や引取条件等の明確な提示と説明があること・原則として、契約不適合責任が免責であること
・引取料金の支払が、所有権移転登記申請時以降であること(前金の支払がないこと)
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不動産の適正価格での取引機会を確保すること
・宅地や建物の引取を対象としている場合は、宅地建物取引業の免許があること -
引取後の不動産の適正な管理を確保すること
・引取後の管理や売却等の方針について、ホームページ等で提示すること・引取後の不動産の管理について、近隣からの苦情等があれば適切に対応し、放置しないこと
・営業実態のある事務所住所、連絡先を、ホームページや郵送物等を用いて公表していること
前項にて掲載した国土交通省の資料からも、同協議会の自主規制等を参考に、不動産引取サービスの課題整理をしているものと理解しており、当社および当協議会として、今後より安全・安心な不動産引取サービスの提供に向けた取り組みを強化してまいります。
参考:不動産有料引取業協議会ホームページ
https://www.fudosan-kyogikai.com/

出典:国土交通省 第42回不動産部会/配布資料2「不動産取引に係る新たなサービス形態について」P.14
3.各種報道機関の皆様へ
今回の国土交通省の発表に伴い、不動産引取サービス事業者の実態取材をご希望される場合は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。(担当:株式会社KLC 松原 080-1781-9284)
当社のお引き取り実績、引取後の管理や再販、お客様とのやり取り*、詐欺に巻き込まれないよう注意すべき点など、不動産引取サービスの実態や注意点を知っていただくために、できうる限りのご協力をさせていただきます。
*お客様撮影はお客様の許可をいただいた場合に限ります。
メディア実績
・NHK クローズアップ現代:“相続したくない土地”が続出! 所有者不明土地の波紋
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/episode/te/LR3GMQQ8NZ/
・テレビ朝日 ビートたけしのTVタックル
https://www.tv-asahi.co.jp/tvtackle/backnumber2/0071/
・大分放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/520ee9aace656f46fd8ffa6897a2bb832d95a0a4
・マネープラス連載記事
https://media.moneyforward.com/authors/586
・テレビ朝日 グッド!モーニング
自社発信コンテンツ
< YouTubeチャンネル 相続の鉄人 > *登録者1.34万人(令和7年3月時点)
・不動産引取サービス事業者3社での対談動画
https://youtu.be/a2gdFnKLr8s?si=V0zTBGh5N-Xp_l1c
・不動産引取サービスを依頼された方のインタビュー
https://youtu.be/w7fR3TMGigA?si=G2yCdksaPmHPA3sb
・不動産お引き取り後の再販事例、土地購入者のインタビュー
https://youtu.be/VfwbkP3oDoE?si=DgY_co07cKQuEwSB
4.代表者コメント
不動産引取サービスは、適正に運営されることで、空き家問題や所有者不明土地問題の解決にも貢献し得る事業です。当社スタッフ一同、その社会的意義を十分に認識し、引取サービス事業者としての責任を果たしていく所存です。
今後も、業界の健全な発展に寄与しつつ、お客様の信頼に応えるため、より一層の努力を重ねてまいります。
2025年3月4日
株式会社KLC 代表取締役 小林弘典
参考資料
国土交通省 第42回社会資本整備審議会 産業分科会 不動産部会(2025年2月14日)資料
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s203_hudousan01.html
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