ダニロ・カイミとヒカルド・バセラールが、ブラジル北東部の歴史を表現したシングル「A Água Que Faltou no Céu(ア・アグア・ケ・ファルトウ・ノ・セウ)」をリリース
ブラジルの実在のダークヒーロー、ランピオンが率いた伝説的盗賊団の一員、ヴォルタ・セッカの楽曲を現代に蘇らせたアルバムの発表に先駆けてリリース
9月17日に各配信プラットフォームで公開される新曲「A Água Que Faltou no Céu(ア・アグア・ケ・ファルトウ・ノ・セウ/和訳:空から消えた水)」は、ダニロ・カイミとヒカルド・バセラールが初めてタッグを組んだ新アルバムの発表に先駆けてリリースされます。

ブラジルには、北東部の伝説的な歴史があります。その一つが、ランピオンとして知られるヴィルグリーノ・フェレイラ・ダ・シルヴァに関する物語です。彼は「カンガッソの王」と呼ばれ、19世紀末~20世紀前半にかけて、社会問題や権威主義に対抗して盛んになった武装強盗を代表する人物でした。(※「カンガッソ」とは、当時の武装盗賊団の総称。)
「カンガセイロ」(男女問わず盗賊団のメンバーを指す呼称)たちは、革の帽子を被り武器を携えており、権力の乱用が横行していた時代背景のなかで犯罪行為をしていました。一部の人々は、カンガッソ(盗賊団)は、政府の権威主義がもたらした社会問題に対し、セルターネージョ(内陸部の住民)を守るために生まれたと説明しています。
こうした背景のもとリリースされる本シングル曲「A Água Que Faltou no Céu(ア・アグア・ケ・ファルトウ・ノ・セウ/和訳:空から消えた水)」は、現在もブラジルで広く知られている盗賊ランピオンが率いたギャング団の最年少メンバーであり、伝説的な存在である、通称ヴォルタ・セッカことアントニオ・ド・サントスの楽曲を、音楽的・歴史的に再評価する取り組みの幕開けとなるものです。
ランピオン
ダニロ・カイミとヒカルド・バセラールは、ヴォルタ・セッカが約50年前に発表したレコード『Cantiga de Lampião(カンティガ・デ・ランピオン/和訳:ランピオンの歌)』の楽曲に現代的な解釈を加えた新アルバム『Volta Seca - Canções do Cangaço(ヴォルタ・セッカ――カンソインス・ド・カンガッソ/和訳:ヴォルタ・セッカ――カンガッソの歌)』(ジャスミン・ミュージック)を制作。10月16日に各プラットフォームで同アルバムの配信が開始されます。
1957年に発表された音楽的至宝であるヴォルタ・セッカのアルバムには、彼自身が8曲を録音しており、指揮者ギオ・デ・モライスによる編曲が施されています。それが、今回の新アルバムのインスピレーションの源となっています。
本シングル曲「A Água Que Faltou no Céu(ア・アグア・ケ・ファルトウ・ノ・セウ/和訳:空から消えた水)」は、今回の新アルバムの中で唯一、ヴォルタ・セッカによる楽曲ではない新曲で、今回ジャスミン・スタジオでの制作過程のなかで生まれたものです。これは、ダニロ・カイミとヒカルド・バセラール、そしてセアラ州出身の作曲家ルイス・リマ・ヴェルデによる共作で、海を見たことのないカンガセイロ(盗賊団のメンバー)の姿からインスピレーションを得ています。
本シングル曲のリリースに合わせて、9月18日にはガブリエル・ラジェ監督によるミュージックビデオがYouTubeで初公開されます。
ヴォルタ・セッカを取り上げるというアイデアは、ダニロ・カイミが発案したものです。「YouTubeで研究者ロベリオ・サントスのチャンネル『O cangaço na literatura(和訳:文学におけるカンガッソ)』を見つけました。これは、セルジッペ州出身のロベリオが、半乾燥地帯に赴き、盗賊団が通った場所や野営地、襲撃された町などを巡り、数々の物語を綴るプロジェクトです。このチャンネルで私はヴォルタ・セッカの楽曲を知り、すぐに新しいアレンジを加えてレコーディングしようというアイデアが浮かびました」とダニロ・カイミは語ります。ダニロ・カイミとヒカルド・バセラールの架け橋となったのは、ヴォルタ・セッカの作品を管理し、本プロジェクトのパートナーでもある音楽出版社Editora Todamérica(エディトーラ・トダメリカ)でした。「私たちはすぐに意気投合しました。ヒカルド・バセラールはこの企画を大変気に入り、フォルタレザにある自身のスタジオでアルバムをプロデュースすることに決めました。出来上がった作品は、とても美しく、完成度の高い仕上がりになりました」とダニロは言います。
ヒカルド・バセラールは次のように語っています。「ダニロと私は、ヴォルタ・セッカの楽曲を創作し、レコーディングし、再解釈するなかで素晴らしい時間を過ごしました。また、アルバムに収録されている9曲のアレンジを私が担当しました。そのうち7曲はマルシオ・レゼンデと、1曲はステニオ・ゴンサルヴェスと共同で手掛けました。アルバムにより現代的な表現を加えるために、シンプルなハーモニーを持つこれらの短い楽曲にどのようにアプローチするのが最善か、かなりの時間をかけて模索しました。この制作プロセス全体が、北東部の音楽に関する綿密な調査の成果です。セアラ州出身の私にとって、生まれ育った環境に深く根ざしたこの世界に没頭できることは、この上ない喜びです。」
10月16日にリリース予定のアルバム『Volta Seca - Canções do Cangaço(ヴォルタ・セッカ――カンソインス・ド・カンガッソ/和訳:カンガッソの歌)』の収録曲には、「Mulher Rendeira」、「Acorda Maria Bonita」、「Escuta Donzela」、「Sabino & Lampião」、「Eu Não Pensei Tão Criança」などが含まれています。
ヴォルタ・セッカを取り巻く神話の最大の魅力は、その音楽にあります。わずか11歳の時にギャングの一味に加わった彼は、「カンガッソ」と呼ばれる盗賊団の生活を体験しただけでなく、ブラジルで知らぬ者はいない伝説のダークヒーロー、ランピオンの歌声や彼が演奏したアコーディオンの音色を耳にした作曲家でもあったのです。
プロフィール
<ダニロ・カイミについて>
ダニロ・カイミはミュージシャン、歌手、作曲家、編曲家として活動しており、トム・ジョビンのバンド「Banda Nova(バンダ・ノヴァ)」のメンバーでもあった。彼は、ブラジル音楽界を代表する作曲家の一人であるドリヴァル・カイミの息子である。カイミの家族は音楽一家で、母のステラ・マリスは歌手で、兄弟のドリ・カイミとナナ・カイミも同様に音楽の道に進んでいる。
ダニロ・カイミは、数多くのアーティストによってカバーされた楽曲「Andança(アンダンサ)」(エドムンド・ソウトとの共作)の作者である。また、TVグローボのテレビドラマ『Mulheres de Areia』、『Corpo de Alma』、『Riacho Doce』などのサウンドトラックも手掛けた。もう一つの大ヒット曲は、「Casaco Marrom (Bye Bye, Ceci)(カサコ・マロン(バイバイ、セシ))」で、これはグアラビラやレナート・コレイアと共同で作曲したものです。この曲で彼はジュイス・デ・フォラ音楽祭で優勝し、この曲は何度も他のアーティストによってカバーされています。
<ヒカルド・バセラールについて>
ピアニスト、作曲家、プロデューサー。ジャスミン・ミュージック(Jasmin Music)レーベルを設立し、現在ブラジルで最も重要なレコーディング・スタジオのオーナーでもある。商業的に大きな成功を収めたリオのグループ「ハノイ・ハノイ(Hanoi Hanoi)」のメンバーとして長年にわたり活動。ソロアーティストとしてはベルキオールやイヴァン・リンス、ジルベルト・ジル、ファグネル、ロベルト・メネスカル、フラヴィオ・ヴェントゥリーニ、エドナルド、アメリーニャら、ブラジル音楽界の重鎮たちと共演を重ねてきた。全米のジャズラジオチャートで、これまで2度上位にランクインしており、ヨーロッパや日本でも公演を行っている。2024年には、東京のブルーノート・プレイスを含め日本国内8か所でライブを開催した
本シングルは、プラットフォームで(https://ffm.to/aguafaltounoceu.ODL)配信されます。
▼プロモーション動画(YouTube)は以下リンクよりご覧下さい:
------------------------------------------------------------------------------------------------
「A Água Que Faltou no Céu(ア・アグア・ケ・ファルトウ・ノ・セウ/和訳:空から消えた水)」歌詞
(作:ダニロ・カイミ/ヒカルド・バセラール/ルイス・リマ・ヴェルデ)
O Sol bebeu
A água de todo o sertão sem sentir dó
Rachou o chão sem sentir
Alma secou
Nos olhos de quem viu riacho virar pó
E o peixe que morreu no pó
A água que faltou no céu
A mágoa que sobrou no chão
O sonho que morreu ao léu
A morte que assombrou em vão
O bando de lenço e chapéu
Seguindo a luz do lampião
Água brotou
Nos olhos de quem viu pela primeira vez
O verde mar sem escassez
Agora eu sei
Que a água que faltou no meu sertão talvez
O mar roubou duma só vez
A lua clareando o breu
Na imensidão do mar feroz
Teu sonho não alcança o meu
Meu grito não cabe em tua voz
O verde mar não escondeu
Que é verde o sertão que há em nós
(和訳)
太陽は飲み干した
セルタン(※)の水を、情け容赦もなく
地面をひび割らせ、何も感じずに
魂は乾ききった
小川が塵と化すのを見た者の瞳の中で
そして塵の中で死んだ魚
空から消えた水
地面に残された悲しみ
風まかせに消え去った夢
無駄に彷徨った死
スカーフと帽子を身につけた一団
ランピオンの光を追って
水が湧き出た
初めて目にした者の瞳の中に
尽きることのない緑の海
今、私は知っている
私のセルタンに欠けていた水は、もしかすると
海が一気に奪い去ったのだと
闇を照らす月
荒れ狂う海の果てしなき広さの中で
君の夢は私の夢には届かない
私の叫びは君の声には収まらない
緑の海は隠さなかった
私たちの中にあるセルタンが、緑であることを
(※「セルタン」とはブラジル北東部の内陸に広がる半乾燥地帯のこと。)
【クレジット】
ダニロ・カイミ:ボーカル
ヒカルド・バセラール:ボーカル、アレンジ、アコースティックピアノ、キーボード、モジュラーシンセサイザー、パーカッション
オト・ジュニア:パーカッション
ステニオ・ゴンサルヴェス:ナイロン弦およびスチール弦アコースティックギター
ネリオ・コスタ:フレットレスベース
マルシオ・レゼンデ:ソプラノサックスおよびフルート
マリア・バセラール:ボーカル
サラ・バセラール:ボーカル
・2026年4月、ブラジル・セアラ州フォルタレザのジャスミン・スタジオにて、
アレックス・レイス、メルク・ディアス、アメディシオ・ジュニアにより録音
・レコーディング・アシスタント:エリエル・フェレイラ
・プロダクションアシスタント:リヴィア・カンピーナ
・ジャスミン・スタジオにて、アレックス・レイス、メルク・ディアス、ヒカルド・バセラールによるミキシング
・マスタリング:カルロス・フレイタス
・写真:レオ・ソアレス
・ジャケットおよびグラフィックデザイン: MZK
・オリジナル絵画:カデ・ジュアサバ
・プロデュース:ヒカルド・バセラール
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
