直前に熱が下がっても、2人に1人が「帰省中止」を選択。高齢家族を守るため、予定変更も考える声が多数【2025年帰省調査】
帰省する側・迎える側の本音も調査。インフルエンザと帰省に関するアンケート

今年はインフルエンザが各地で大流行し、高齢者や基礎疾患のある方を中心に重症化リスクへの不安が高まっています。
特に年末年始は、久しぶりに家族や親族が集まる機会であるため、帰省にともなう移動や会食などで感染が広がる可能性も高まりやすいです。
こうした状況を受けてフィットクリニック(所在地:東京都渋谷区、院長:服部圭太)では、帰省する側・迎える側それぞれの立場の方を対象に、「今年の年末年始の帰省」についての意向や不安に関する意識調査を実施しました。
アンケート結果まとめ
・帰省直前に熱が下がっても、約半数が帰省を中止
・家族に会いたい気持ちの一方で、流行状況を踏まえ帰省に消極的な声は1割
・感染リスクを最も感じるのは電車・新幹線・飛行機などの長距離移動
・帰省先・同居家族に高齢者・基礎疾患がある人は8割以上
・予防薬を「使いたい」人は6割超、実際に使った/予定しているのは2割弱
今年の年末年始に帰省する予定の人は7割以上

今年の年末年始に「帰省により家族や親族と集まる予定がある」と答えた人は70.5%と、多くの人が帰省を予定している結果となりました。

今回の調査は、「帰省する側」にあたる人が76.5%を占めており、その意見が多く反映された結果となっています。
熱が下がっても2人に1人が「帰省中止・見送り」を選択

もし自分や家族内にインフルエンザの患者が出て、帰省の予定直前に熱が下がった場合の対応について尋ねたところ、「帰省を中止する・断る」と回答した人が47.5%と、約2人に1人が帰省そのものを見送る結果となりました。
次いで多かったのは「日程をずらす(38.0%)」であり、全体の約9割が「中止」または「日程変更」という形で予定を見直す意向を示しています。
8割以上が帰省先・同居家族に「高齢者・基礎疾患あり」

帰省先や同居する家族に、65歳以上の高齢者や基礎疾患のある家族がいるか聞いたところ、82.0%が「いる」と回答しており、多くの人が重症化リスクの高い家族と一緒に年末年始を過ごす可能性があることがわかりました。
インフルエンザは特に高齢者や基礎疾患を持つ方で重症化しやすいことが知られており、今年の帰省は「重症化リスクの高い家族がいることを前提に検討されているケースが多い」と言えます。
帰省する側・迎える側の本音

「帰省する側・両方の立場」の人に今年の帰省について聞いたところ、「積極的に帰省したい(18.1%)」「できれば帰省したい(54.4%)」を合わせて約7割が前向きに帰省を希望している一方で、「あまり帰省したくない」「帰省したくない」という消極派も約1割強いる結果となりました。

具体的な理由は、「普段はなかなか集まれないので、お正月くらいは元気な姿を見せたい」という声が非常に多くありました。
その一方で、「自分が感染源になったら怖い」「親や身内の子どもにリスクを負わせたくない」といった理由から、帰省をためらう意見も見られました。
家族に会いたい気持ちは強くありながらも、インフルエンザの流行状況を踏まえて迷っている人も少なくないことがうかがえます。

「帰省される側・両方の立場」の人に今年の帰省について聞いたところ、「積極的に来てほしい(17.0%)」と「できれば来てほしい(38.3%)」を合わせて、およそ半数が歓迎する一方で、「あまり来てほしくない(17.0%)」「来てほしくない(10.6%)」と答えた人も3割近くいました。

具体的な理由として「年に数回しか会えないので、できれば来てほしい」といった歓迎の声がある一方で、「高齢の両親への感染が不安」「感染しやすい時期に混んでいる交通機関は利用しない方がいい」といった、双方の健康面を気づかう意見も挙がっています。
こうした回答から、家族に会いたい気持ちと、感染させたくないという思いの間で、帰省のあり方を慎重に考えている人が一定数いることがうかがえます。
帰省中で最も感染リスクを感じるのは「長距離移動」

「帰省中、どの場面で感染リスクを感じますか?」と尋ねたところ、最も多かったのは「長距離移動(電車・新幹線・飛行機)」で63.5%という結果でした。
次いで「親族での会食や食事」が51.5%となり、多くの人が「移動」と「食事」の場面で感染リスクを強く意識していることがわかります。
帰省先そのものよりも、密になりやすい交通機関やマスクを外す場面を中心に、慎重な目線でリスクを見ている人が多いことがうかがえます。
コロナ禍と比べた感染症への予防意識の違い

コロナ禍の2020~2023年ごろと比べて、感染症予防への意識がどう変わったかについては、「かなり高まった(19.0%)」「やや高まった(28.0%)」を合わせて47.0%が「意識が高まった」と回答しました。
一方で、「やや下がった(21.0%)」「かなり下がった(3.5%)」を合わせると24.5%となり、およそ4人に1人はコロナ禍のピーク時よりも予防意識が下がっていることがわかりました。
全体としては「以前より予防を意識している」人が多い一方で、日常生活の戻りとともに警戒感が薄れている層も一定数存在しており、感染状況や身近なリスクに応じて意識にばらつきが生じている様子がうかがえます。
インフルエンザ予防薬の認知・利用状況

インフルエンザ予防薬について知っているか聞いたところ、「よく知っている(28.0%)」「聞いたことはある(44.0%)」と、合わせて72.0%が何らかの形で認知しているという結果になりました。
一方で、「知らなかった」と答えた人も28.0%おり、約3人に1人は予防薬の存在自体を知らないことがわかりました。

「今年、予防薬を投与(または家族が投与)しましたか?」という質問に対しては、「投与した(13.5%)」「今後投与を予定している(4.0%)」と、合わせて17.5%が予防薬の投与経験・投与予定ありと回答しました。
一方で、「投与していない」が82.5%と大半を占める結果となりました。

インフルエンザを防げる可能性が高まるとしたら、予防薬を使いたいと思うか聞いたところ、「強く思う(23.0%)」「やや思う(40.5%)」を合わせて63.5%が『使いたい』と前向きな意向を示す結果となりました。
一方で、「あまり思わない(8.0%)」「思わない(4.0%)」を合わせた否定的な回答は12%にとどまっています。
前問では実際に予防薬を「投与した/投与予定がある」人は合わせて17.5%でしたが、「使いたい」と考える人は6割を超えており、予防薬への期待と、実際の利用との間に大きなギャップがあることがわかります。
【解説】インフルエンザ予防薬とは
インフルエンザ予防薬とは、インフルエンザ感染者と濃厚接触した際に、発症を抑える目的で使用される抗インフルエンザ薬です。
体内でウイルスが増える前に働き、ウイルスの増殖を抑えることで感染を防ぐ「対処的な方法」と言えます。
これに対しインフルエンザワクチンは、あらかじめ体内に免疫をつくることで、発症や重症化を防ぐ「事前の防御対策」です。
そのため、以下のような役割の違いがあります。
予防薬:
・濃厚接触時の緊急予防
・職場や学校での蔓延時の予防
・高齢者への感染予防対策
ワクチン:
・流行前に免疫をつくる対策
・発症や重症化を防ぐ手段
双方は目的が異なるため、併用することで感染を防ぐ効果がより期待しやすくなります。

2025年11月に予防薬を投与したことがある方・またはその家族に対して実施したアンケートでは、ワクチンと併用した人は約4割という結果になりました。
フィットクリニック渋谷笹塚院では、医師の診療のうえで予防薬を取り扱っています。
※ワクチン接種は当院では行っておりません。
アンケートを受けて(院長コメント)
今回のアンケートでは、「今年の年末年始は基本的には帰省したい」と考えている方が多い一方で、家族内でインフルエンザの患者が出た場合には、熱が下がっていても帰省を中止したり、日程をずらしたりする方が大半であることが分かりました。
高齢のご家族や基礎疾患のある方がいる世帯が多い中で、「会いたい気持ち」と「うつしたくない不安」のバランスをとりながら、慎重に判断されている様子がうかがえます。
インフルエンザの予防としては、まずワクチン接種が基本となりますが、感染者との接触状況や家庭内の事情によっては、医師の判断のもとで予防薬(抗インフルエンザ薬の予防投与)を併用することで、発症リスクを下げられる可能性もあります。
年齢や持病、家族構成、仕事・受験などの状況に応じて、医師にご相談のうえで選択していくことが重要です。
フィットクリニックでも、オンライン診療を通じてインフルエンザ予防薬のご相談・処方に対応しています。
オンライン診療の場合は、診察日の15時までのご入金確認で即日発送が可能なので、お早めの受診がおすすめです。
※2025年12月30日14時~2026年1月2日は休診となります

【アンケートの概要】
・調査対象:帰省する・される立場にある方200名
・調査期間:2025年12月4日~2025年12月9日
・調査方法:インターネット調査
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