“朝市”を“産業”へ──東海最大級の朝市「暮らしの朝市」の価値を可視化する「暮らしの朝市 REPORT vol.01」を発表。
出店者の変化と運営の思いから見えてきた、暮らしに根ざした“小さな経済圏”の姿──その価値を言語化し、社会に届けていくプロジェクトが始動。
東海地域最大級の朝市「暮らしの朝市」は、これまで「売る・買う」だけにとどまらず、人と人、暮らしと地域が交わる“営みの場”として、多くの人々の暮らしに寄り添ってきました。
このたび、暮らしの朝市実行委員会(代表:飯尾うらら)と株式会社レジスタ(代表取締役:千賀信義)は連携し、朝市の持つ価値や可能性を“産業”として社会的に捉え直し、その意味を言語化・可視化していく取り組みをスタートしました。
言い換えれば、「朝市を産業と呼ぶとはどういうことか?」そのものを問い直し、その実態を明らかにしていくプロジェクトです。
その第一弾として、出店者の変化に焦点を当てた『暮らしの朝市 REPORT Vol.1』を発行。あわせて、公式Webサイト内に新たに「暮らしの朝市とは」ページを公開しました。
本レポートでは、出店者アンケートや代表インタビューを通して、収入や暮らし方の変化、挑戦の背景、地域とのつながりの広がりなど、朝市が生み出している多様な価値と影響を読み解いています。
本取り組みは、2025年末に発行を予定している統合的な「インパクトレポート」の制作に向けた第一歩となります。

■ 「インパクトレポート」とは
「インパクトレポート」とは、企業や団体の活動が社会に与えている影響(インパクト)を定量的・定性的に測定・評価し、その成果や学びをステークホルダーに透明性をもって共有するための報告書です。
暮らしの朝市においては、出店者・来場者・地域それぞれの視点から、朝市が生み出す変化や価値を可視化し、単なるイベントではなく、持続可能な地域経済・暮らしを支える「新しい産業」としての位置づけを目指します。

◾️「暮らしの朝市」とは
2011年に甚目寺観音てづくり朝市としてスタートし、今では東別院など複数の拠点で開催、年間を通してのべ500組以上が出店(2024年度)する東海地方最大級の朝市です。
地域の農産物や手づくり品が並び、作り手と使い手が出会い、語らい、つながる場所。出店者・来場者・地域の垣根を越えて「自分らしい暮らし」や「小さな経済圏」を育む場として、多様な営みが生まれています。
■ 本取り組みの背景
暮らしの朝市を「産業」として位置づけていく必要性
14年以上にわたり地域に根づいてきた「暮らしの朝市」は、単なる“モノの売買”の場を超えて、人と人が信頼関係を育み、暮らしや働き方の選択肢を広げていく場として、多くの人の営みに寄り添ってきました。
出店者にとっては、自分の作ったものやその思いを届ける場所として。来場者にとっては、つくり手とつながることで暮らしを見つめ直すきっかけとして。地域にとっては、関係性が交差する「場づくり」として。その価値は、数字には表しきれない多様な形で、人々の生活に息づいてきました。私たちは今、この朝市が持つ「価値」や「哲学」を、より広く社会に届けるタイミングを迎えています。
共同代表の飯尾うらら・飯尾裕光は、これまで現場の手触りのなかで育まれてきた営みを、社会のなかで持続可能なものにしていくには、「朝市を一つの産業として位置づけていく必要がある」と語ります。


店舗を持たない生き方・小さな営みを社会に認識される存在へ。
その背景には、制度や経済からこぼれ落ちがちな、「店舗を持たない働き方」や「小さな営み」の存在があります。特に、コロナ禍では多くの飲食露店やキッチンカーが制度的な支援の枠外に置かれた現実もありました。
こうした「見えづらいけれど、確かにある営み」を、社会の中で正しく認識される存在へとつなげていくことが急務だと感じています。
そして今、暮らしの朝市は、名古屋を起点に沖縄・北海道など全国へとその文化が広がりつつあります。これは、同じように小さな営みや関係性を大切にしたいと願う人々が各地に存在しているという証でもあります。
このタイミングで、朝市に関わるすべての人――出店者・来場者・地域の関係者そして、運営する「暮らしの朝市実行委員会」に、「なぜこの朝市という場が存在しているのか」「どんな未来を目指しているのか」というビジョンや価値観を共有していく必要があります。
「なんとなく心地よい場所」ではなく、「社会の中でどんな役割を果たす場所なのか」。それを共に言葉にし、理解し、育てていくことが、私たちの挑戦です。
■ 本取り組みのプロセス
今回のレポート制作は、「暮らしの朝市の価値を言語化し、社会に向けて可視化する」ことを目的に、約1年にわたって進められてきました。


定性的・定量的な調査を実施
まずは、出店者アンケート(有効回答数380件)を実施。出店動機、売上、暮らし方の変化、地域との関係性など、多角的な設問設計により、出店者の実態や変化を定量的に捉えることを目指しました。これに加え、代表インタビューを実施、出店者からのエピソードを収集し、数字だけでは見えにくい「営みの背景」に迫るストーリーを収集しました。

朝市の多層的な価値を描く
分析と編集のプロセスでは、アンケートデータから導き出された傾向と、実際の出店者の言葉、そして代表インタビューでの言葉を組み合わせることで、数字とエピソードの両面から「朝市の持つ多層的な価値」を描き出すことに挑戦。ロジックモデルやストーリーラインを検討しながら、「朝市が生み出している価値とは何か」を伝える構成を組み立てました。
さらに、調査・編集・デザイン・公開までを一貫して株式会社レジスタと暮らしの朝市実行委員会で進行。単なる報告書ではなく、“社会に伝わるアウトプット”としてのレポートを目指しました。
◾️レポートの内容|『暮らしの朝市 REPORT Vol.1』
今回発行した『暮らしの朝市 REPORT Vol.1』は、2025年末に予定している「インパクトレポート」の制作に向けた第一歩となる報告書です。
本レポートでは、出店者の声やアンケートを通して、暮らしの朝市がどのような“変化”や“営み”を生み出してきたのかを丁寧に記録しています。
最大の特徴は、暮らしの朝市の思想や哲学を、ストーリーとデータの両面から可視化した点にあります。
これまで代表や運営メンバーの中に確かにあった想いやビジョンを、客観的なデータによって“説得力ある形”で裏づけると共に、出店者と代表の言葉を通じて“感覚的にも共感できる形”で表現しました。


■ 今後の展望|朝市を新たな産業へ。
今後は、暮らしの朝市の社会的なビジョンと、それに照らし合わせた“インパクト指標”を構築・言語化していくとともに、来場者や地域関係者への調査を通じて、より多角的に「暮らしの朝市が地域や社会に与えている価値」を明らかにしていきます。
2025年度末には、出店者・来場者・地域・運営のそれぞれの視点を統合した『暮らしの朝市インパクトレポート』を発行予定です。
これにより、暮らしの朝市を「単なるイベント」ではなく、人と人がつながる空間や、地域のなかに豊かな暮らしを提案していく営みそのものが、社会のなかで“新しい産業”として認識され、定着していく未来を目指します。
つまり、暮らしの朝市だけでなく、全国各地で生まれつつある小さな経済や関係性の実践が、その集合として社会に価値ある産業として認識されていくこと──その一端を担う取り組みとして、今後も歩みを進めていきます。

■ 制作・ディレクション:株式会社レジスタ

株式会社レジスタ
■ 企業概要
株式会社レジスタは、「共創」をテーマに、クリエイティブ、まちづくり、チャレンジャー支援を軸に事業を展開するローカルゼブラ企業です。
企業や自治体、地域の人々に伴走することで価値を生み出し、「どうせならおもしろい社会」を創ることを使命としています。
■ 事業内容
クリエイティブ事業
・ブランド戦略・コンセプト設計
・グラフィック・WEBデザイン
・SNS運用支援
まちづくり事業
・まちづくりイベント企画・運営(名古屋アンティークマーケットなど)
・地域×企業のマッチング支援(学生・若手人材と地域企業の接点創出)
・お寺との共創事業(システム開発・お寺と若手起業家のマッチング事業)
チャレンジャー支援事業
・若手ソーシャルイノベーターのプロジェクト・キャリア支援
・ソーシャルクリエイティブ(若者支援団体へのクリエイティブ伴走)
■お問い合わせ先
担当者名:上田光太郎
メールアドレス:k.ueda@rgst.net
電話番号:052-339-0233
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