OpenZFSストレージ性能の高速化に向けてMaxLinear社のPantherプラットフォーム「Panther V」を採用

Panther-V DPUとZIAにより、OpenZFSの圧縮・暗号化・重複排除処理をハードウェアで高速化し、データセキュリティを強化した次世代ストレージ基盤を実現

コアマイクロシステムズ株式会社

コアマイクロシステムズ株式会社(本社:東京都板橋区、代表取締役社長:髙橋晶三、以下コアマイクロシステムズ)は、高性能なコネクティビティおよびデータムーブメントソリューションのリーディングプロバイダであるMaxLinear, Inc.(NASDAQ:MXL、以下MaxLinear社)のPantherプラットフォーム「Panther V」を、次世代ストレージインフラの基盤として採用いたしました。

本採用により、コアマイクロシステムズはMaxLinear社のPantherプラットフォーム「Panther V」を自社の次世代ストレージソリューションに統合し、MaxLinear社と協業してハードウェアアクセラレーション対応のOpenZFS機能を提供します。これにより、エンタープライズ、クラウド、ハイパースケール環境に向けて、ストレージの性能・効率・拡張性を大幅に高めてまいります。

コアマイクロシステムズは、Pantherベースのストレージソリューションを、インターネットサービスプロバイダやクラウド事業者、AIインフラ事業者をはじめとする、アジア地域のハイパースケール・エンタープライズ・クラウド・AIインフラのお客様に向けて展開する予定です。業界予測によれば、アジア太平洋地域のデータセンタストレージ市場は年率約8%で成長し、2030年には約250億ドル(推定420万ラック規模)に達するとされており、本協業はこの拡大する市場機会に対応してまいります。

■ エグゼクティブコメント

・MaxLinear社

コアマイクロシステムズとの協業は、高性能ストレージ環境におけるMaxLinear Pantherプラットフォームの採用を拡大するうえで重要な一歩です。Pantherのハードウェアアクセラレーション機能とCMSの深いシステム技術を組み合わせることで、OpenZFSの性能向上、システムの複雑さの低減、そして次世代のAI・クラウド・ハイパースケール・エンタープライズ向けストレージプラットフォームの市場投入までの時間短縮を、お客様にご提供できます。

MaxLinear, Inc. コネクティビティ&ストレージ事業担当 シニア・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー Vikas Choudhary氏

・コアマイクロシステムズ

私たちは、次世代ストレージソリューションのハードウェアアクセラレーション基盤としてMaxLinear社のPantherプラットフォーム「Panther V」を採用しました。Panther-V DPUとZIAにより、圧縮・暗号化・重複排除といったOpenZFSのワークロードで高い性能を実現すると同時に、高効率かつスケーラブルなストレージアーキテクチャをお客様に提供できます。今後、データインテンシブなアプリケーションの高まる要求に応えるべく、Pantherベースの製品ラインアップを拡充してまいります。

コアマイクロシステムズ株式会社 代表取締役社長 髙橋 晶三

■ ハードウェアアクセラレーションによるOpenZFS性能の進化

本ソリューションは、コアマイクロシステムズが次世代ストレージプラットフォームのハードウェアアクセラレーションエンジンとして採用したMaxLinear Panther Storage Acceleratorを活用します。OpenZFSのデータパスにハードウェアアクセラレーションを組み込むためのフレームワーク「ZIA(ZFS Interface for Accelerators)」と組み合わせることで、圧縮・暗号化・重複排除など、OpenZFS環境における重要なデータ処理を高速化します。これにより、ハイパースケール、エンタープライズ、クラウドの各環境で高まる、高性能かつスケーラブルなストレージへの需要に応えます。

・本ソリューションの主な特長

  • 包括的なデータアクセラレーション:MaxLinear Panther-V DPUとZIAにより、圧縮/伸長、暗号化/復号、チェックサム/RAIDZパリティ計算、重複排除向けのSHA-256処理をハードウェアで実行

  • OpenZFSへの最適化された統合:PantherのハードウェアアクセラレーションがOpenZFS環境のスループットとシステム効率をシームレスに向上

  • データ処理の高速化と低レイテンシ化

  • CPU使用率の削減による、CAPEX/OPEXの低減

■ LANLと共同開発したZIAによるハードウェアアクセラレーション

本ソリューションが基盤とする「ZIA(ZFS Interface for Accelerators)」は、米国LANL(ロスアラモス国立研究所)が中心となって開発した、OpenZFSのデータパスにハードウェアアクセラレーションを組み込むためのフレームワークです。ZFSのコアなファイルシステム・セマンティクスを変更することなく、圧縮・暗号化・チェックサム/パリティ計算などの処理をハードウェアへオフロードできる点が特長です。MaxLinear社はこのZIAに対して、Panther Storage AcceleratorとストレージSDKを提供し、ZFSのデータパス処理を高スループット・低レイテンシで実行します。

2026年6月にMaxLinear社とLANLが公表した共同検証では、ZIAを介してPanther-V DPUを活用することで、GZIP L9(圧縮率約1.3:1、高エントロピーな科学データを想定)において読み出し57GB/s・書き込み47GB/sを達成しました。Pantherを用いない場合のZFSは書き込み約1.2GB/s・読み出し約8.1GB/sにとどまり、ハードウェアオフロードによって書き込みで約39倍・読み出しで約7倍の高速化を実現しています。さらにZIAでは、複数のPanther Storage Acceleratorを並列に配置でき、処理のシリアライゼーションや中央集中的なボトルネックを生じさせることなく性能をスケールさせられます。

コアマイクロシステムズは、このZIAベースのアーキテクチャとPanther-V DPUを組み合わせることで、OpenZFSが本来もつデータ整合性の保証を維持しながら、AI/HPC/エンタープライズ領域に高性能かつスケーラブルなストレージソリューションを提供してまいります。

■ データ保護にフォーカスした「Panther V」

MaxLinear社のホワイトペーパー「Panther V Storage Accelerator: Taking Storage to the Next Level - Focus on Data Security」では、Panther Vが高度な暗号化・認証・セキュアブートの各技術をハードウェアに統合し、高性能なエンドツーエンドのデータ保護を実現する仕組みが解説されています。コアマイクロシステムズは、これらのセキュリティ機能を次世代ストレージ製品に取り込みます。

  • 暗号化(Encryption):AES-GCM/AES-CBC/AES-CTR/AES-XTS(鍵長128/192/256ビット)に対応し、保存データ(data at rest)と転送中データ(data in transit)の双方を、性能を損なうことなく保護します。

  • 認証(Authentication):AES-HMAC-SHA-1/SHA-2、AES-GMAC、AES-XCBC-MACにより、データの完全性と真正性を検証し、改ざんを検知します。

  • セキュアブート(Secure Boot):AES-256-CBCによるファームウェアの暗号化検証と、ECDSA P-384による署名検証を組み合わせ、信頼されたファームウェアのみを起動します。ファームウェアインジェクションやロールバック攻撃を防止します。

  • 政府機関グレードの準拠:CNSA 1.0(AES-256、ECDSA P-384、SHA-384)に完全準拠し、CNSA 2.0への移行も見据えています。FIPS 140-3認証の前提となるCAVPプログラムの要件を満たし、防衛・政府・重要インフラ分野への展開に適しています。

NAS、DAS、SAN、リモートレプリケーション、分散ストレージクラスタといった多様なストレージ構成において、Panther Vはハードウェアによる暗号化・認証・セキュアブートを組み込むことで、各構成に内在するセキュリティリスクに対処します。エンコード最大200Gbps/デコード最大450Gbpsのスループットと業界最小クラスのレイテンシを両立し、圧縮・パディング・暗号化・データ保護を単一コマンドで実行できる点も特長です。

■ 製品ラインアップ展開(ストレージサイエンス製品)

コアマイクロシステムズは、MaxLinear社のストレージアクセラレータ(DPU)とOpenZFSを組み合わせた基盤の上に、自社の「Storage Science」ブランドとして以下の製品ラインアップの展開を予定しています。用途特性に応じて、AI/HPC/エンタープライズの各ソリューションを、All Flashおよびハイブリッド構成で、CiB(Cluster in a Box)型HAクラスタからマルチノードHAクラスタまで幅広く提供します。

※上記の構成・型番は開発計画に基づくものであり、最終仕様は変更となる場合があります。

【用語について】

  • CiB(Cluster in a Box):コントローラ(ヘッドノード)とストレージを1つの筐体に統合し、1台で冗長化(HA=高可用性)を実現するクラスタ構成。

  • JBOD(Just a Bunch of Disks):RAID機能を持たず、多数のHDD/SASドライブを収容する拡張用ディスクエンクロージャ。

  • JBOF(Just a Bunch of Flash):多数のNVMe/フラッシュSSDを収容する拡張用フラッシュエンクロージャ。

  • EBOF(Ethernet Bunch of Flash):Ethernet(NVMe-oF)で直接接続するフラッシュエンクロージャ。

  • EBOD(Expander Bunch of Disks):SASエキスパンダを介して接続する拡張ディスクエンクロージャ。

  • RBOD(RAID Bunch of Disks):RAIDコントローラを内蔵したディスクエンクロージャ。

■ MaxLinear社のPantherプラットフォームについて

MaxLinear社のPanther Storage Acceleratorは、CPUに大きな負荷をかける複雑な処理をオフロードすることで、ストレージアプライアンスの性能と効率を最適化するために開発されたソリューションです。最新のPanther Vは、最大450Gbpsのスループット、MaxHash™技術による最大12:1のデータ削減率(DRR)、PCIe Gen5 x16インターフェースに対応し、マルチカード構成では3.2Tbpsを超える性能へと拡張できます。圧縮・重複排除・暗号化をハードウェアで処理することで、CPU負荷とシステムコスト(CAPEX/OPEX)を削減します。

■ MaxLinear, Inc.について

MaxLinear, Inc.(Nasdaq:MXL)は、アクセスおよびコネクティビティ、有線・無線インフラ、産業・マルチマーケット向けアプリケーションに向けた、RF(無線周波数)、アナログ、デジタル、ミックスドシグナルの集積回路を提供するリーディングプロバイダです。本社は米国カリフォルニア州カールスバッドに所在します。

https://www.maxlinear.com/

※MaxLinear、MaxLinearロゴ、Panther、MaxHash、およびその他のMaxLinearの商標は、米国およびその他の国におけるMaxLinear, Inc.またはその子会社の商標もしくは登録商標です。

■ コアマイクロシステムズについて

コアマイクロシステムズは、高度なストレージ関連技術を核として、大容量/高速/高可用性のストレージサーバシステム、AI/HPC/スパコン関係のトータルソリューションシステム、それら用途や特性に合わせたカスタムインテグレーション、およびODM/OEMを提供するサーバソリューションのトータルプロバイダです。

急速に進化を続けるIT/ICTにおいて必要不可欠な高度なサーバソリューションを開発/提供し、次世代のデジタルトランスフォーメーションを支える製品開発に取り組んでいます。

https://www.cmsinc.co.jp/

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コアマイクロシステムズ株式会社

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会社概要

URL
https://www.cmsinc.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都板橋区舟渡1-12-11 ヘリオスIIビル 3F
電話番号
03-6279-8501
代表者名
髙橋 晶三
上場
未上場
資本金
1億5300万円
設立
1992年10月