プロスポーツクラブ発のDAO型地域共創モデル「SAGA Take Action」

地方都市・佐賀から、新たな地域共創の仕組みを実装
公益財団法人日本財団・株式会社ヘラルボニー・佐賀県も参画。市民・行政・企業が主体的につながる共創モデル
プロスポーツクラブは、地域にどのような価値を生み出せるのか
株式会社佐賀バルーナーズ(本社:佐賀県佐賀市、代表取締役社長:田畠 寿太郎)は、2025-26シーズンを通じて、市民・行政・企業・教育機関など多様な主体がスポーツを起点に地域課題へ取り組む、DAO(分散型自律組織)の考え方を取り入れた地域共創プロジェクト「SAGA Take Action」を推進しました。
認知症、GX(グリーントランスフォーメーション)、子どもの居場所づくり、女性活躍など、スポーツとは一見結び付きにくい社会課題をテーマに、12の共創アクションを展開。
これらの実践について、公益財団法人日本財団、株式会社ヘラルボニー、佐賀県など各分野のリーダーからも関心と期待が寄せられ、地方都市から始まる新たな地域共創モデルとして、その可能性を示しました。
なお、本取り組みの成果は、2026年6月23日に開催した「SAGA Take Action成果報告会」において、活動に関わる行政、企業、地域団体、DAOメンバーなど約100名と共有しました。
「応援されるクラブ」から、「地域を動かすクラブ」へ
プロスポーツクラブの価値は、試合を開催し、多くの人を熱狂させることだけではありません。
佐賀バルーナーズは、スポーツが持つ「人を集める力」と「共感を生み出す力」を地域へ開放することで、行政・企業・市民・教育機関など、多様な主体が地域課題に挑戦するきっかけを生み出せると考えています。
その実践として推進しているのが、「SAGA Take Action」です。
クラブが地域課題を一方的に解決するのではなく、佐賀バルーナーズをハブとして多様な人々が主体的につながり、それぞれの強みや専門性を持ち寄りながら、地域課題の解決に向けた企画と実践を行う共創プラットフォームとして活動しています。
会費不要。誰もが参加でき、貢献が次の価値につながるDAO
スポーツクラブによるDAOやトークンを活用した取り組みは、国内外で広がりつつあります。
SAGA Take Actionの特徴は、参加にあたって会費やトークン購入を必要としない、開かれたDAOが運営を担っているという点にあります。
佐賀に関わり、地域をより良くしたいという想いがあれば、市民、行政、企業、教育機関、地域団体など、立場を問わず活動へ参加できる仕組みにしています。
また、参加者は、クラブや行政からサービスを受けるだけの存在ではありません。
それぞれの経験や専門性を持ち寄り、自ら地域課題へのアクションを企画・実践します。活動によって生み出された価値や貢献は、トークン、新たな体験、人とのつながり、次の活動機会などとして参加者へ還元され、それがさらなる参加や新しいアクションへとつながっていきます。
ファンコミュニティの枠を超え、地域に関わる多様な人々が主体的にクラブや地域づくりへ関わること。そして、活動から生まれた価値が参加者へ還元され、次の行動を生み出す循環をDAOの仕組みによって実装していることが、SAGA Take Actionの大きな特徴です。
地域・教育・環境など12の共創アクションを展開
2025-26シーズンは、地域・教育・環境など幅広いテーマで、12の共創アクションを実施しました。
その中でも特徴的な取り組みとして、
・認知症当事者が地域で活躍する機会を創出した「SAGAすまいるエールアクション」
・スポーツを入口に、生成AIやデザインなどを学ぶ「佐賀バルーナーズと学ぶ!スキルアップ×お仕事体験」
・「楽しい・おいしい」を切り口にGXを体感する「GXゲームデー」
・『BALLOONERS CAFE』を地域の新拠点にする「こどもの居場所づくり TIP OFF!」
・女性の挑戦を応援する「SAGA WOMEN'S CHALLENGE」
など、スポーツの枠を超えた社会課題へ、多様なパートナーとともに挑戦しました。
これらの活動は、クラブが主体となって提供する一方向の社会貢献活動ではありません。
市民、企業、行政、教育機関、地域団体などが主体的に企画・参画し、それぞれのアクションが新たなつながりや次の活動へ発展していく、「自律分散型」の共創プロジェクトとして実施されています。
各分野のリーダーが語る、SAGA Take Actionの可能性
公益財団法人日本財団
「佐賀を先進事例として、全国へ横展開できる可能性がある」
公益財団法人日本財団の佐々木 秀仁氏は、地域活動において、助成や外部資金が終了すると活動そのものも止まってしまうケースが少なくないことに触れました。
一方、SAGA Take Actionについては、仕組みだけでなく、一人ひとりが主体的に参加し、多様な人々がインクルーシブに関わっている点に着目。
「佐賀のモデルは、佐賀のみなさんに愛され、根付いたものだからこそ、ここまでうまく機能しているのだと思うが、佐賀でしか実現できないものではないのではないかとも思う。佐賀を先進事例として、全国へ横展開する取り組みに日本財団としても支援できないか」と、他地域への展開可能性に期待を寄せました。
また、2026年度も佐賀バルーナーズとともに取り組みを進めていく意向が示されました。
株式会社ヘラルボニー
「社会課題への向き合い方に、多くの共通点を感じた」
株式会社ヘラルボニーの伊藤 壮一郎氏は、「楽しい」「面白い」をきっかけにDE&Iとの接点を広げるヘラルボニーの考え方と、 SAGA Take Actionには多くの共通点があるとコメントしました。
また、地域課題への取り組みで生まれがちな「与える側・与えられる側」という関係性を超え、参加者一人ひとりが主体となる構造を生み出している点に言及。
それをDAOという形で持続可能な循環モデルへ落とし込んでいることが、SAGA Take Actionの特徴であると共感を示しました。
さらに、2026-27シーズンから始まる佐賀バルーナーズとの協働にも触れ、今後の取り組みへの期待を語りました。
佐賀県
「スポーツの力は、人を動かす『共感力』」
佐賀県 SSP総括監の日野 稔邦氏は、「スポーツの力とは何かを考えたとき、その一つは『共感力』だと思う」とコメントしました。
毎試合多くの観客が集まることだけではなく、佐賀バルーナーズが地域に愛され、共感されているからこそ、福祉、教育、環境など異なる分野の人々が集まり、一緒に新しい取り組みを始めることができていると語りました。
さらに、スポーツが一方的に応援や支援を受ける存在になるのではなく、地域の人々とともに価値を生み出すことの重要性に触れ、「地域のみなさんに、これからも佐賀バルーナーズを使い倒してほしい」と期待を寄せました。
地方都市・佐賀から、他地域への展開可能性を探る
SAGA Take Actionは、潤沢な人材や資金が集中する大都市ではなく、限られた地域資源の中で、行政、企業、市民、プロスポーツクラブが近い距離で連携できる地方都市・佐賀から生まれました。
佐賀での実践は、地域の規模やリソースにかかわらず、プロスポーツクラブが持つ共感力と地域内の関係性を生かすことで、多様な主体が参加する共創の仕組みを構築できる可能性を示しています。
今後は、佐賀で機能した要素や成立条件を整理し、他の地方都市やプロスポーツクラブでも応用可能な地域共創モデルとして、その展開可能性を探ってまいります。
地域貢献を、クラブ経営の柱として
株式会社佐賀バルーナーズ 代表取締役社長の田畠 寿太郎は、次のようにコメントしています。
「私たちはプロバスケットボールクラブとして、勝利や集客、売上を追求することはもちろん、それと同じくらい地域への貢献を大切にしています。地域に貢献できなければ、プロスポーツクラブとしての存在意義はないと考えています。
今シーズンは、行政、企業、市民をはじめ、多種多様な立場の皆さまが佐賀バルーナーズをハブとしてつながり、楽しみながら地域をより良くしようと主体的に動いてくださいました。このつながりは、クラブにとって何よりの財産です。
クラブビジョンである『日常を佐賀バルーナーズに。』が、試合やアリーナの中だけでなく、地域での活動を通じて少しずつ具現化していることを実感したシーズンとなりました。これからも一人でも多くの皆さまとともに、地域に新たな価値を生み出してまいります」
今後の展望
佐賀バルーナーズは、2026-27シーズンもSAGA Take Actionを継続・発展させ、市民、行政、企業、教育機関、地域団体などとの共創をさらに広げてまいります。
また、佐賀で実践してきたDAO型地域共創モデルの成果や成立条件を整理し、地方都市における新たな地域共創の仕組みとして、その可能性を全国へ発信してまいります。
スポーツが人を集めるだけでなく、人と人、人と地域をつなぎ、地域に関わる一人ひとりが主体となって新たな価値を生み出す存在となること。
佐賀バルーナーズは、プロスポーツクラブの新たな社会的価値の創造に、これからも挑戦してまいります。
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