JISDA、ドローン対処技術評価のための試験パッケージ「The SHIREN」の提供開始

ウクライナ前線で蓄積した知見をもとに、対無人機システム(C-UAS)評価を支援。試験シナリオの設計から、標的機の設計・制御、試験運営までを一体で提供

JISDA株式会社

JISDA株式会社(Japan Integrated Security Design Agency/日本技術安全保障戦略機構、東京都千代田区、代表取締役CEO:國井翔太、以下「JISDA」)は、このたび、ドローン対処技術の有効性を段階的かつ実運用に即して試験・検証するためのフルセットアップパッケージ「The SHIREN: Scenario-based Hostile Interaction and Red-team Evaluation Network」の提供を開始したことをお知らせします。「The SHIREN」という名称には、変化する脅威環境の中で、技術と運用について実証するまさに“試練の場”という意味を込めています。

近年、日本でも小型無人機等への対処能力の整備が進みつつあり、高出力レーザー、高出力マイクロ波、電子戦装備、迎撃用無人機など、多様な手段の研究・導入が進展しています。一方で、それらの手段をどのような前提・シナリオ・運用条件で評価すべきかについては、なお発展途上の領域が多く、特に日本の地理的・制度的・運用的条件を踏まえた評価設計には大きな負荷が伴います。

JISDAは、こうした課題に対し、単体装備の性能確認にとどまらず、指揮統制、センサー、通信、電源、電子戦環境、運用要員の連携を含めた「システムとしての対処能力」を評価するための試験パッケージを構築しました。標的機の準備、シナリオ設計、試験進行、記録・分析までを包括的に支援し、開発企業、研究機関、行政機関等が、より現実に近い条件で技術評価を行える環境の整備を目指します。

■「The SHIREN」パッケージの内容

あらゆる機体への対処を、あらゆるシナリオで検証可能なパッケージ

「The SHIREN」では、比較的単純な小型クアッドコプターへの対処の確認から始まり、固定翼機との組み合わせ、複数機同時侵入、群制御、耐妨害性を備えた機体、光ファイバー型を含むより高度なシナリオまで、段階的な試験を実施することが可能です。評価対象は、ジャマー、レーザー、マイクロ波、機関砲、迎撃ドローンといった対処手段そのものに限られません。探知センサー、識別機能、追尾機能、通信・中継機能、指揮統制機能、情報共有機能など、無人機対処能力を構成する各種要素について、個別の性能確認と、システム統合時の有効性確認の双方に対応します。

本パッケージでは、JISDAが運営するRISEコンソーシアムに参画する国内の多様な無人機企業の製品や技術を、標的機や試験構成要素として柔軟に活用できます。これにより、利用者はより現実的かつ多様な脅威像を前提とした評価を行いやすくなります(さらに、無人機企業側にとっても、自社機体のジャミング対処能力や耐妨害性、運用上の脆弱性を実証的に検証し、改善につなげる機会となります。対処側の評価だけでなく、被対処側となる無人機のレジリエンス評価にも資する枠組みである点に、本パッケージのもう一つの意義があります)。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000179032.html

また、JISDAは、試験に必要となる標的機の提供に加え、試験の企画、シナリオ設計、条件設定、試験運営までを一体として請け負うことが可能です。利用者は、標的機の個別調達や試験条件のゼロベース設計に過度な負担を負うことなく、評価そのものに集中しやすい環境を確保できます。さらに今後は、本パッケージを通じて蓄積される知見をもとに、無人機対処技術の評価項目や試験レベルの整理を進めていく予定です。変化の速い分野であることを踏まえつつも、評価観点や段階に一定の整理を与えることは、今後の研究開発、導入、運用を進めるうえで重要であると考えています。

■提供開始の背景 

現在、無人機への対処手段は急速に多様化しています。ジャマーによる妨害、レーザーやマイクロ波による無力化、機関砲による対処、迎撃ドローンによる捕捉など、それぞれ異なる原理と特性を持つ手段が存在しています。

しかし、対処手段が多様化していることと、それらの評価方法が十分に整備されていることは同義ではありません。対象が単純なクアッドコプターである場合と、固定翼機を組み合わせた運用、複数機の同時侵入、群制御、ジャミング耐性を持つ機体、光ファイバーを用いる機体などでは、求められる無人機対処能力も評価項目も大きく異なります。

このため、本来であれば、どのような脅威を想定し、どの段階で何を確認し、どのような条件で評価を行うかを、事前に体系的に設計する必要があります。しかし、その設計を開発側が個別に担うことは容易ではありません。JISDAは、こうした課題に対応するため、日本において想定すべき現実的な脅威と運用条件を踏まえた試験設計を外部化し、評価実務を支援する本パッケージの提供を開始しました。


ウクライナにおける継続的な現地調査で得た知見を試験設計に反映

JISDAは、これまでウクライナにおける継続的な現地調査を通じて、無人機および電子戦の運用に関する知見の蓄積を進めてきました。現地では、単純な小型クアッドコプターへの対処のみならず、固定翼機との組み合わせ、複数機による同時運用、群制御、妨害対策を施した機体、光ファイバーを用いる機体など、無人機運用の多様化が確認されています。

また、現場で重視されているのは、装備単体の性能だけではなく、探知から対処までをどのような手順で連接し、変化する脅威にどう適応していくかという運用全体の設計です。JISDAは、こうした知見をもとに、どのような脅威シナリオが想定され、どのような条件で試験を行うべきかを整理し、日本国内で実施可能な評価メニューとして構成しています。

ポイント① : スペックシート上の評価のみでは無人機対処能力を十分に把握できない

無人機対処に用いられる各種装備やコンポーネントは、それぞれ明確な性能指標を持っています。たとえば、センサーであれば探知距離や分解能、ジャマーであれば対象周波数帯や出力、レーザーであれば照射精度や出力、マイクロ波であれば影響範囲、迎撃機であれば速度、航続距離、応答時間、指揮統制システムであれば情報統合速度や表示能力などが挙げられます。

これらの指標は技術評価の出発点として必要です。しかし、実際の無人機対処能力は、これらの数値を個別に確認しただけでは判断できません。探知できても識別が遅れれば対処判断は遅れます。識別できても指揮統制系統への共有が滞れば適切な手段の選択に至りません。妨害手段が有効でも、対象が妨害対策を講じていれば期待通りの効果が得られない場合があります。迎撃手段が高性能であっても、探知、追尾、判断との連接が不十分であれば、実運用上の能力として成立しません。

また、各種装備はそれぞれ異なる制約のもとで運用されます。ジャマー、マイクロ波、レーザーなどの手段は電力供給や継続使用条件の影響を受けます。機関砲には射界や安全確保上の条件があります。センサーは天候、地形、建造物、背景環境の影響を受けます。通信系は妨害、遅延、輻輳の影響を受けます。指揮統制システムは情報量の増加や複数脅威への同時対応時に真価と限界が現れます。

したがって、無人機対処能力の評価は、各装備の性能表に記載された数値や、個別条件での部分的な成功だけでは足りません。必要なのは、複数のコンポーネントが接続された状態で、どのようなシナリオの下で、どこまで実際に機能するかを確認することです。JISDAは、「The SHIREN」を通じて、こうした実運用に近い条件下での総合的な評価を支援します。

ポイント② :無人機対処能力は単一装備ではなく、複数要素の連接によって成立する

無人機対処能力は、単独の装備によって成立するものではありません。探知手段、識別手段、追尾手段、情報共有手段、交戦判断、指揮統制、実際の対処手段が相互に接続されて初めて、実効的な能力となります。

たとえば、ジャマーは単独では万能な手段ではなく、対象の通信方式、飛行モード、妨害対策の有無、周辺電波環境によって効果が変化します。レーザーやマイクロ波も、条件によって高い有効性を発揮し得る一方で、継続使用条件や配置条件を無視しては評価できません。迎撃ドローンについても、機体単体の性能だけでは有効性を判断できず、探知、追尾、判断、投入までの一連の過程の中で評価される必要があります。機関砲についても、火器単体の性能だけではなく、安全な射界の確保、周辺環境、射撃判断、他手段との役割分担が重要になります。

このように、個別手段にはそれぞれ有効な条件と限界があります。したがって、評価においても、単体装備の性能のみを切り出して判断するのではなく、複数手段を組み合わせた場合に、どのような役割分担と相互補完が可能かを確認する必要があります。JISDAは、「The SHIREN」において、各構成要素を分解して評価する視点と、全体システムとして統合して評価する視点の双方を重視しています。

ポイント③ :変化する脅威環境を前提に、組み替え可能な構成を見据えた評価が必要

無人機および電子戦の運用環境は固定的ではありません。相手方は通信手段、周波数、飛行経路、制御方式、編成、改修内容を継続的に変化させます。特定の条件下で有効であった対処手段が、環境の変化や相手方の適応によって有効性を失うことは十分にあり得ます。

そのため、無人機対処能力の整備において重要なのは、単一の完成形を前提にすることではなく、変化する脅威環境に応じて組み替え可能な構成を前提にすることです。センサー、通信、妨害、迎撃、指揮統制の各要素を必要に応じて更新し、再構成できることが重要であり、その前提に立った試験設計が求められます。

JISDAは、「The SHIREN」において、各種技術を固定的な単体装備としてではなく、モジュラーに組み合わせられる構成要素として捉え、脅威シナリオや運用条件の変化に応じて評価内容を設計します。これにより、現時点の性能確認にとどまらず、将来的な改修や構成変更を見据えた評価の実施を可能にします。

■代表取締役CEO 國井翔太 コメント

私たちはこの3年間、ウクライナにおいて、無人機とそれに対抗する技術が極めて短い周期で変化し続ける現実を見てきました。ある時点では有効と評価されていた装備や構成が、作戦の変化、運用要件の変化、相手側の改修によって、急速に使えなくなる。その過程を、継続的な現地調査と一次情報の確認を通じて繰り返し確認してきました。

そこで強く認識しているのは、無人機対処技術を、ある時点の性能や単体のデモだけで評価することの危うさです。重要なのは、個別の装備が優れているかどうかだけではなく、探知、識別、指揮統制、妨害、迎撃といった複数の要素が接続され、変化する脅威環境の中で全体として機能し続けられるかどうかです。

日本においても、無人機対処技術が重要だからといって、個別の装備やシステムをそのまま実装するだけでは十分ではありません。必要なのは、継続的に評価し、改良し、組み替えながら、持続的にイノベーションを生み出していく仕組みです。JISDAは、ウクライナで蓄積してきた知見を日本における現実的な評価設計へと接続し、実効的な無人機対処能力の整備を支援してまいります。


【本件に関するお問い合わせ先】

社名:JISDA株式会社

所在地:​〒100-0005 東京都千代田区丸の内1丁目7-12 サピアタワー8F

代表者:代表取締役社長 國井翔太

URL:https://jisda.jp/

E-mail: info@rise.jisda.jp

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会社概要

JISDA株式会社

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URL
https://www.jisda.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区丸の内1丁目7−12 サピアタワー8階
電話番号
-
代表者名
國井翔太
上場
未上場
資本金
-
設立
2025年11月