中国は全車『環境対応車』へ、日本企業には追い風
三井住友DSアセットマネジメント株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:猿田隆)は、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しております。このたび、マーケットレポート「中国は全車『環境対応車』へ、日本企業には追い風」を2020年11月6日に発行いたしましたので、お知らせいたします。
<今日のキーワード>
中国政府は2035年をめどに新車販売のすべてを『環境対応車』にする方向です。50%を電気自動車(EV)を柱とする新エネルギー車とし、残りの50%を占めるガソリン車はすべてハイブリッド車(HV)にします。世界最大の中国市場の方針転換により、世界の自動車関連企業は対応を迫られます。この方針転換はHVに強い国内の自動車メーカーやEV部品に強い部品企業などには追い風になるとみられます。
【ポイント1】中国は2035年をめどに新車販売のすべてを『環境対応車』へ
■中国政府は2035年をめどに新車販売のすべてを『環境対応車』にする方向です。中国の有力業界団体の「中国自動車エンジニア学会」が「省エネルギー・新エネルギー車技術ロードマップ2.0」を10月27日に発表しました。50%をEVを柱とする新エネルギー車とし、残りの50%を占めるガソリン車はすべてHVにします。新エネルギー車を25年に20%前後、30年に40%前後、35年に50%超まで高め、新エネルギー車の95%以上はEVとします。残りのガソリン車などは、すべて省エネルギー車のHVに切り替えていきます。これはHVに強い国内の企業やEV部品に強い部品企業には追い風になるとみられます。
【ポイント2】国内企業は対応を強化
■中国でHVなどを優遇する方針は、一段の需要拡大につながり、HVを得意とするトヨタ自動車・ホンダなど日本メーカーにとっては追い風になりそうです。日本の自動車大手は対応を進めており、トヨタ自動車は昨年HVなど電動車の関連特許を無償開放しました。またトヨタグループは独自のHVの基幹システムを現地メーカーに外販することなどで普及を後押しする方針です。
■日本電産はガソリン車のエンジンにあたるEVの基幹部品である駆動モーターなどに最大1兆円規模の投資をする方針です。先行する中国では研究開発拠点や生産拠点の準備も進んでおり、約2,000億円を投じて欧州にも駆動モーターの工場を設ける方針です。同社の永守会長から2030年にEV向けモーターの世界シェアで40~45%を目指すことが示されました。
【今後の展開】HV優遇は日系企業に追い風、EVの競争は激化
■自動車の「脱ガソリン」は欧州が先行していましたが、中国の方針転換は『環境対応車』へのシフトを一段と加速するとみられます。中国のHV優遇はHVに強い日系企業の追い風になりますが、EVやその性能を左右する電池の開発競争はさらに激化していくとみられ、提携など各企業の戦略の巧拙が問われそうです。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
重要な注意事項
・当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
・当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
・当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
・当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
・当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
・当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
・当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
【三井住友DSアセットマネジメント株式会社について】
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
中国政府は2035年をめどに新車販売のすべてを『環境対応車』にする方向です。50%を電気自動車(EV)を柱とする新エネルギー車とし、残りの50%を占めるガソリン車はすべてハイブリッド車(HV)にします。世界最大の中国市場の方針転換により、世界の自動車関連企業は対応を迫られます。この方針転換はHVに強い国内の自動車メーカーやEV部品に強い部品企業などには追い風になるとみられます。
【ポイント1】中国は2035年をめどに新車販売のすべてを『環境対応車』へ
■中国政府は2035年をめどに新車販売のすべてを『環境対応車』にする方向です。中国の有力業界団体の「中国自動車エンジニア学会」が「省エネルギー・新エネルギー車技術ロードマップ2.0」を10月27日に発表しました。50%をEVを柱とする新エネルギー車とし、残りの50%を占めるガソリン車はすべてHVにします。新エネルギー車を25年に20%前後、30年に40%前後、35年に50%超まで高め、新エネルギー車の95%以上はEVとします。残りのガソリン車などは、すべて省エネルギー車のHVに切り替えていきます。これはHVに強い国内の企業やEV部品に強い部品企業には追い風になるとみられます。
【ポイント2】国内企業は対応を強化
■中国でHVなどを優遇する方針は、一段の需要拡大につながり、HVを得意とするトヨタ自動車・ホンダなど日本メーカーにとっては追い風になりそうです。日本の自動車大手は対応を進めており、トヨタ自動車は昨年HVなど電動車の関連特許を無償開放しました。またトヨタグループは独自のHVの基幹システムを現地メーカーに外販することなどで普及を後押しする方針です。
■日本電産はガソリン車のエンジンにあたるEVの基幹部品である駆動モーターなどに最大1兆円規模の投資をする方針です。先行する中国では研究開発拠点や生産拠点の準備も進んでおり、約2,000億円を投じて欧州にも駆動モーターの工場を設ける方針です。同社の永守会長から2030年にEV向けモーターの世界シェアで40~45%を目指すことが示されました。
【今後の展開】HV優遇は日系企業に追い風、EVの競争は激化
■自動車の「脱ガソリン」は欧州が先行していましたが、中国の方針転換は『環境対応車』へのシフトを一段と加速するとみられます。中国のHV優遇はHVに強い日系企業の追い風になりますが、EVやその性能を左右する電池の開発競争はさらに激化していくとみられ、提携など各企業の戦略の巧拙が問われそうです。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
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