今こそ地球へ"対話の炎"を。全国の学生の技術を結集!世界初の技術で、成層圏での炎の点灯・撮影に成功。
点火装置とカメラをスペースバルーンで成層圏に打ち上げ、宇宙と地球を背景に撮影した炎を、社会の分断を乗り越えるシンボルに。学生が企画から技術開発までを主導。
Earth Light Project実行委員会(代表:都築則彦、事務局:千葉県習志野市香澄3-8-8)は、9月4日(日)、茨城県鹿嶋市にて、点火装置を搭載したスペースバルーンを成層圏に打ち上げ、宇宙と地球を背景に炎を点灯・映像を撮影することに成功しました。機体を動かすためではなく、⾒るための炎を成層圏で点灯するのは⼈類史上初*となります。この挑戦は2018年にオリンピック聖火リレーから着想を得た若者たちが始めたものであり、コロナ禍や天候不良による10回以上の延期を乗り越えて、4年がかりで達成されました。撮影した「炎越しの地球」は、社会の分断を乗り越える、新たな共生社会のシンボルとして広げていきます。
- 世界中のみんなで、成層圏に灯る「炎」を一緒に見る
【Earth Light Projectとは?】
・点火装置を搭載したスペースバルーンを成層圏に打ち上げ、宇宙と地球を背景に炎を点灯し、撮影するプロジェクト
・企画から技術開発まで学⽣主体
・機体を動かすためではなく、⾒るための炎を成層圏で点灯するのは⼈類史上初*
・撮影した映像は共生社会のシンボルとして活用
【打ち上げ場所・日時】
・茨城県鹿嶋市
・9⽉4⽇(日)午前8時
【撮影した映像】
炎越しの地球の映像は、以下のURLよりご覧いただけます。
https://www.youtube.com/channel/UCx2nQzGFTLaYUAWcXPgjVjA
※映像を活用したドキュメンタリームービーなども制作中です。完成し次第、プレスリリースを発行いたします。
- なぜ「炎」を成層圏に打ち上げるのか
成層圏に炎を打ち上げるという発想は、平和や共生社会のシンボルであるオリンピック聖火から着想を得ました。
聖火リレーは以前、国境を越えて行われていました。しかし今は、開催国内でしかリレーできません。平和への思いが込められた聖火が、様々な国や地域を巡ることに大きな意味があったはずです。それならば、国境のない宇宙に炎を掲げることで聖火の理念を実現しようと私たちは考えました。この炎は、オリンピックの聖火ではないけれど、日本の若者が世界中の若者に声をかけながら実現する、若者の聖火です。
共生社会とは、価値観や考え方の違う人同士が共に歩み寄れる社会です。ただ同じ地域に住んでいるだけでなく、お互いが心地よく生きるために対話できる状態を指します。しかしながら、相手に歩み寄る姿勢を維持し続けることは大変困難です。だからこそ、共生社会を目指す姿勢を思い出すために、シンボルが必要だと考えました。国境のない宇宙を背景に炎が灯る映像をみんなで見ることで、その炎はお互いに歩み寄ることの大切さを思い出すためのシンボルとなります。
- コロナ禍にも異常気象にも屈さない、学生の奮闘
Earth Light Projectが2018年に始動してから今回の打ち上げ成功までを振り返ると、多くの障壁に立ち向かう日々でした。
まず、コロナ禍によって、学園祭やスポーツ大会、留学、ボランティア活動といったあらゆる学生活動が「不要不急」とみなされ中止になっていきました。本プロジェクトは、度重なる緊急事態宣言に阻まれながらも活動を続けたことで、むしろ”夢”を求める学生が全国から集結したのです。世代交代を重ねながら、最終的には37大学278名の学生が参画するプロジェクトとなりました。
次に立ちはだかったのは、ラニーニャ現象に伴う異常気象でした。平年であれば満たされるはずの天気・風・波といった必須の気象条件が満たされない日々が続き、炎の点灯に失敗した2021年6月26日(土)から数えて435日間、10回以上の再打ち上げ延期を重ねてきました。延期の度にかかる、打ち上げ場所への移動手配や打上げのための人員確保、広報や必要機材の準備に苦しめられました。
それでも諦めずにやり抜いたのは、世代を越えて繋いだ仲間たちと、クラウドファンディングなどで募った応援者たちの、想いを果たそうとする執念でした。
- 成層圏での炎の点火に向けた技術的な動向
【2021年4月3日(土):試験打上げ】
Earth Light Projectにとって初めてとなる機体を試験機として打ち上げました。当時は燃焼器が完成していなかったため、機体と撮影機材のみの打上げとなりました。機体に搭載した2台のカメラが⾼温のため⾃動停⽌してしまい、撮影できた映像はGoPro Maxによる360度映像のみとなりました。
【2021年6月26日(土):第1回本番打上げ】
第1回本番打上げでは、燃焼器と撮影機材を搭載した機体を打ち上げました。機構トラブルの影響で通信が断絶したため点⽕に失敗し、炎が灯った映像を撮影することができませんでした。⼀⽅、⾼温によるカメラの停止の問題を解決することができました。
【2022年9月4日(日):第2回本番打上げ】
確実な点火を行えるように実験を重ね、第1回本番打上げで課題となった点⽕システムを刷新しました。その結果、⾼度20km地点で炎を灯し、炎越しの地球と宇宙の映像を撮影することに成功しました。
- 運営体制
30団体(所属学⽣合計2,710名)の学⽣団体が連携し、各団体の代表者を中⼼とする若者によって実⾏委員会を結成しています。累計で37大学278名の若者が参画しました。幹事団体はNPO法人おりがみが務めています。
【ドリームサポーター】
宇宙⾶⾏⼠の⼭崎直⼦様やオリンピアンの増⽥明美様、クリエイターの⽔⼝哲也様をはじめ、各分野の第⼀線で活躍する 20名の⽅にドリームサポーターとして応援頂いています。
・ドリームサポーター⼀覧
⼭崎直⼦様・宇宙⾶⾏⼠/⼩坂悠真様・競泳元⽇本代表/花岡伸和様・パラリンピアン/船橋⼒様・トビタテ!留学JAP ANプロジェクトディレクターほか/中村伊知哉様・iU学⻑/興梠寛様・社会学者/⼩野雅裕様・NASA JPL/古野俊幸様 ・株式会社ヒューマンロジック研究所代表取締役ほか/⼋⽊浩光様・⼀般財団法⼈熊本市国際交流振興事業団事務局⻑/ 津⽥佳明様・ANAホールディングス経営戦略戦略室事業推進部⻑/⼩橋賢児様・The Human Miracle 株式会社CEO/⽯ 井更幸様・アルビノドーナツの会/川崎吾⼀様・合同会社Yspace代表/佐藤将史様・⼀般社団法⼈SPACETIDE COO/ ⼩⻄利⾏様・クリエイティブディレクター/佐渡島庸平様・株式会社コルク代表取締役社⻑/増⽥明美様・ロサンゼルス オリンピックマラソン⽇本代表 スポーツジャーナリスト/⽔⼝哲也様・エンハンス代表 慶應⼤学特任教授/河森正治様 ・アニメーション監督/⼤野⽊寛様・アニメーション脚本家
【スポンサー】
トップスポンサー:⽇本商⼯会議所⻘年部(⽇本YEG)
セカンダリースポンサー:パナソニック株式会社
サードスポンサー:株式会社amulapo/合同会社AoKoM/株式会社リンクアンドモチベーション/株式会社Relie/株式 会社ASTROFLASH/宇宙⼊(Change The Universe)/Kameyama Candle House/⽇本キャンドル協会/シェイクハンド 合同会社/株式会社グッぱくと/株式会社クルイト/株式会社リツアンSTC
【技術協⼒】
スペース・バルーン株式会社、有限会社ボーダック、株式会社フルスコア
【後援】
国連難民高等弁務官事務所、千葉市教育委員会
【参考文献】
* 樋口健・服部司・今村宰・板倉嘉哉「中層大気中における火炎維持装置の開発」, 千葉大学教育学部研究紀要, 第69巻, 311~320頁(2021)
【タイトルの「世界初の技術」について】
2022年9月段階での自社調べで、機体を動かす推進剤としての炎ではなく⾒るための炎を、かつ成層圏で点灯した事例、という括りで調査。
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