熱処理炉の脱炭素化に貢献する電気加熱式ラジアントチューブヒーター「D2-ERTH」を開発し、2026年8月から販売開始
大同特殊鋼株式会社(社長:清水 哲也)は、熱処理炉のカーボンニュートラルに貢献する加熱装置として、電気をエネルギー源としたラジアントチューブヒーター(名称:D2-ERTH(ディーアース、Daido Dual-Mode Electric Radiant Tube Heater、商標登録申請中)、以下 本ヒーター)(図1)を開発し、2026年8月から販売開始します。本ヒーターは、加熱装置にラジアントチューブバーナー(*1)を使用している熱処理炉全般に適用可能で、現在使用しているバーナーを取り外して本ヒーターに入れ替えることができるため、設備の大幅な改造をせずに電化を実現することができます。また、バーナーから本ヒーターに入れ替えることで、熱処理炉自体から発生するCO2を大幅に減らすことができ、スコープ1(*2)削減に大きく寄与するとともに、CO2フリー電力を組み合わせて使用することで、スコープ2(*3)の増加を抑制することが可能となります。
当社は本技術を通じて、サプライチェーンにおけるさらなるカーボンニュートラル推進に貢献していきます。

1.背景
日本政府が掲げる 2050 年カーボンニュートラルの実現に向け、温室効果ガスの排出削減ニーズは年々高まっており、熱処理炉においても対応が求められています。
当社は1980年にSTC炉(*4)の初号機を導入して以来、国内外で350基以上を販売し、現在も多くの設備が稼働しています。また、2016年には高効率熱交換器 DINCS(*5)、2022年には高性能な省エネシステムを搭載したプレミアムSTC炉を開発・販売するなど、サプライチェーンの CO2排出量削減に貢献する製品を提供してきました。さらに近年では水素バーナー(*6)を開発し、STC炉への実装評価を進めるなど、STC炉の完全カーボンニュートラルを実現するべく開発を継続しています。
こうした中、熱源の電化と CO2フリー電力の活用によるCO2排出削減は、水素社会実現までの移行過程において有効な手段と考えています。今回、STC炉をご利用いただいているお客様にも適用可能とするため、ラジアントチューブを流用できる本ヒーターを新たに開発しました。
2.「D2-ERTH」の特徴
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ヒーター 容量:45kW/式(*既存STC炉用ラジアントチューブバーナーと同等の出力)
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既存ラジアントチューブをそのまま流用でき、最小限の改造で電化が実現可能
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バーナー排ガスが発生しないため、排ガスによる熱損失および NOx排出がゼロに
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焼鈍処理工程における徐冷時のラジアントチューブ冷却機能を付属しているため、ヒーター化に伴い冷却回路を追加する必要なし
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ヒーター化によって、投入電流の精密な制御が可能。そのため、一般的なバーナー火炎制御と比較して炉内温度制御性が良化

3.その他
特許
国内出願済み(海外出願申請中)
特開 2026-054758
D2-ERTH(ディーアース)製品ページ
https://www.daido.co.jp/products/machinery/lineup/heat/d2_erth.html
<参考:過去プレスリリース>
ラジアントチューブ式水素バーナ-を独自に開発 水素混焼および専焼テストに成功し、実用化に目途(2022年12月14日)
https://www.daido.co.jp/about/release/2022/221214_burner.html
用語説明
*1 ラジアントチューブバーナー
当社のSTC炉のような雰囲気熱処理炉に多用される加熱装置。チューブ内の燃焼によりチューブ表面を熱し、その輻射熱を利用して間接的に被熱物を加熱する。直火による直接的な加熱方式と比べ、バーナーの燃焼排ガスを炉内へ排気せず、精度よく雰囲気ガス成分の制御が可能なため、被熱物の表面特性を高品位に熱処理することができる。
*2 スコープ1
企業や組織が直接排出する温室効果ガスの量。
*3 スコープ2
企業や組織が他社から購入した電気・熱などを使用することで、間接的に排出される温室効果ガスの量。
*4 STC炉
線材コイル、各種冷間鍛造品など多品種小ロット製品の多様な熱処理を可能にした設備。標準型STC炉と、高性能な省エネシステムを搭載したプレミアムSTC炉の2タイプがある。
*5 DINCS(ディンクス)
バーナー排ガスから高効率に熱回収を可能にする高効率熱交換器。
*6 水素バーナー
カーボンニュートラルを目的として燃焼ガスに水素を用いたラジアントチューブバーナー。
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