広域連携による次世代医療機器開発拠点形成事業が日本医療研究開発機構「医工連携イノベーション推進事業」に採択
地域のものづくり技術を活かし、医療機器を生み出すエコシステムの拠点を構築
今回採択された研究開発課題は「医療機器産業クラスターとの近接性を活かした、医療機器開発回廊の形成に係る研究（以下、本事業）」です。
やまなし産業支援機構はJCSと協働して運営する、山梨県のメディカル・デバイス・コリドー推進計画＊で、県内の機械電子産業メーカーの医療機器関連産業への参入を進めており、これまでに146件の参入を実現しています。本事業ではこの実績を活かし、以下の取り組みを主軸に、地域のものづくり技術を活かした医療機器開発につながるエコシステムの構築を行います。
2.広域での事業者間のネットワーク形成
3.参画企業の提案力向上を目指した臨床現場での医療機器の使用実態を学ぶイベントの開催
＊山梨メディカル・デバイス・コリドー推進計画：山梨県の基幹産業である機械電子産業の優れた技術を医療機器関連分野に活用し、医療機器関連産業を甲府盆地から静岡県東部の医療産業集積地「ファルマバレー」を結ぶ⼀帯に集積する「メディカル・デバイス・コリドー構想」を実現するため、令和2年3月に策定した推進計画。
【本事業について】
- １．本事業の類型
本事業は、AMEDによる公募事業「令和5年度医工連携イノベーション推進事業（地域連携拠点自立化推進事業）」の地域連携拠点自立化タイプとして採択されました。地域連携拠点自立化タイプは、過去に本事業に採択されていない新たな課題を対象とする類型です。
- ２．本事業の内容
本事業は、山梨県のメディカル・デバイス・コリドー推進計画で医療機器関連産業への参入を増やしてきた実績を活かし、「医療機器産業クラスターとの近接性を活かした、医療機器開発回廊の形成に係る研究」として、静岡県や東京都、中部地域、関西地域といった広域での連携体制の構築と開発機能の高度化を目指すものです。この度の採択を受け、研究開発代表機関のやまなし産業支援機構および分担研究機関のJCSは、本事業に参画する事業化人材と専門分野支援人材を配置し、地域における実践的な医療機器開発専門人材の育成や、広域での事業者間のネットワーク形成、参画企業の提案力向上を目指した臨床現場での医療機器の使用実態を学ぶイベントの開催などに取り組みます。
- ３．本事業の効果
山梨県には、産業用ロボット・半導体製造装置・工作機械のグローバル企業が立地し、それを支える高度なものづくり技術が発達しています。また、医療機器産業の研究開発拠点、製造拠点や、医療関連のアカデミアが集積している東京都や静岡県と地理的に隣接していることから、地域産業の特性、立地特性からも医療機器の開発・製造に適した地域です。
本事業により、医療機器開発の実務経験を積んだ事業化人材が育成され、県内の高度なものづくり技術を基にした提案型の開発コンソーシアムが形成されます。これにより医療機器の試作や量産など、地域連携拠点を中心とした医療機器開発回廊の形成が促進され、地域経済の更なる発展が見込まれます。
（参考）山梨県における医療機器開発支援について
・山梨県は、医療機器関連産業を、山梨県を牽引する産業に育成するため、県内の機械電子産業が持つ高いものづくり技術や山梨県の立地特性を生かし、医療機器関連分野への参入を強力に推し進めています。この一環で「メディカル・デバイス・コリドー構想」の実現を目指すため、2020年3月に「メディカル・デバイス・コリドー推進計画」（以下、推進計画）を策定しました。これにより、甲府盆地から静岡県東部の医療機器産業集積地「ファルマバレー」を結ぶ一帯に、医療機器関連産業を集積させることを目指しています。
・推進計画に基づき、やまなし産業支援機構に設置された医療機器関連分野参入・支援窓口「メディカル・デバイス・コリドー推進センター」は、企業支援の中核組織として医療機器開発・部材供給支援に取り組み、実績を積み上げてきました。
・JCSは、メディカル・デバイス・コリドー推進センターの運営を受託し、医療機器参入に関する相談対応や部材供給の企業マッチングを行うとともに、静岡県東部に立地する支援機関・ファルマバレーセンターと連携して、両県共同での医学会ブース展示や商談会、マッチングイベントなどを開催しています。
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