【実証実験レポート】8月26日、南多摩駅夕涼み会にて水素吸蔵合金配送システムの実証実験を3社共同実施
水素吸蔵合金配送システムとは、製造した高純度の水素を専用のタンクに貯蔵し、電気を必要とする利用先まで運搬後、水素を再び取り出し、燃料電池を使って電力を供給・利用する一連のプロセスです。今回の実証実験では、水素製造から運搬、設置、炎天下での運転状況の確認など、実際の使用を想定した状況下で実施しました。
■実証実験
三菱化工機川崎製作所内の小型オンサイト水素製造装置「HyGeia」を使って水素を製造、水素吸蔵合金タンク(MHタンク)に充填して夕涼み会の会場まで運搬し、会場に設置した可搬型燃料電池システムから調理用機器や音響機器に電力を供給、作動状況を確認しました。
水素充填
小型オンサイト水素製造装置「HyGeia」を使用して水素を製造します。8月23日から水素製造をはじめ20Nm3を製造、貯蔵と運搬工程にあたるMHタンクに充填しました。今回の実証実験においては、水素製造の原料にカーボンニュートラル都市ガスを使用するため、水素原料のカーボンニュートラル化が図れます。
会場設置および運転開始
水素充填が完了したMHタンクを会場まで運搬します。MHタンクは容器の肉厚や使用する水素吸蔵合金材料を最適化したことで、軽量化を実現しており、運搬や着脱作業が容易です。
南多摩駅夕涼み会当日は、燃料電池システムを午前中に会場に搬入、試運転を経て、15時から21時まで連続運転を行い、ステージの音響システムとキッチンカーに安定的に電力が供給できることを確認しました。
3社共同で開発した水素吸蔵合金配送システムは、水素の貯蔵や運搬が容易なことから、災害時やイベント時など、比較的小規模かつ場所や使用期間が固定されない場所での電力供給に大きな優位点があります。今後も3社は実証実験を重ね、2024年度の商業利用開始を目指して協働してまいります。
以上
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