【最終報告】ふるさと納税制度見直しに関する地域事業者1,911社の意識調査:35.5%が「事業存続」に懸念。47都道府県すべての事業者が回答。
〜地域雇用・地場産業への影響を可視化、小規模事業者の実態を浮き彫りに〜
一般社団法人ふるさと納税地域商社会(代表理事:株式会社パンクチュアル 守時健)は、政府において検討されているふるさと納税制度の見直しに対し、地域経済および事業者への影響を測定する緊急アンケートの最終結果を公表いたします。

本調査は、全国47都道府県の返礼品提供事業者1,911社からの回答を得たものです。回答数が前回速報時の約2倍となった今回も、制度改正が地域の「雇用」や「地場産業の存続」に及ぼす影響が改めて浮き彫りとなりました。当会は、事実に基づく客観的な統計レポートとして、以下の通り報告いたします。
1. 調査結果の要旨:事業継続と雇用への影響
Q:制度変更が続いた場合、事業継続に影響が生じる可能性はありますか?
3社に1社が「事業縮小・廃業」の可能性を懸念

制度変更が続いた場合の事業継続への影響について、「廃業・倒産の可能性がある(7.6%)」、「事業縮小の可能性がある(27.9%)」と回答した事業者は合わせて35.5%に達しました。
Q:制度変更が続いた場合、従業員の雇用に影響が出る可能性はありますか?
29.5%の事業者が「雇用への影響」を予測

従業員の雇用については、11.4%が「解雇・雇用調整の可能性が高い」、18.1%が「可能性がある」と回答。合計で**29.5%**の事業者が、地域の雇用維持に支障が出るリスクを抱えています。
2. 調査結果の詳細:地域事業者の構造と依存度
影響を受けるのは「地域の小規模事業者」が中心
Q:従業員数を教えてください。

回答事業者の従業員数は「1〜5名(48.2%)」、「6〜20名(25%)」と、全体の約73%が従業員20名以下の小規模事業者です。ふるさと納税の返礼品は各地域の中小企業が担っており、地域の細かな雇用を支える層が、制度変更の影響をより強く受ける実態が明らかになりました。
Q:現状のふるさと納税の売上は、経営にどれほど重要ですか?
経営への重要度:41.2%が「重要」と回答。

経営への重要度: ふるさと納税の売上を「非常に重要(27.1%)」または「重要(14.1%)」と捉える事業者は約4割にのぼります。
Q:ふるさと納税が年間売上に占める比率を教えてください。
34.5%の事業者が売上の5%以上をふるさと納税に依存しており、中には売上の50%以上を占める事業者も5.5%存在します。

返礼品の売上が会社における重要な販路の1つとなっている会社が多数存在することがわかります。この売上が失われることは、経営にとって致命的です。
3. 回答事業者の属性
本調査は全国から幅広く回答を得ており、業種も多岐にわたります。多くの事業者の協力もあり、47都道府県すべての地域から回答を得ることができました。
Q:御社の業種を教えてください。
農業や畜産・水産業などその地域ならではの一次産業に関わる業種は23%を超えており、地域を支える多用な業種が関わっています。

小売・卸(22.7%)、製造・工芸(21.7%)、農業(16.4%)、食品加工(15.3%)など。 一次産業から観光サービスまで、地域経済の多様なプレイヤーが回答しています。
4. 自由回答に見る現場の実態
① 小規模な事業者の販路確保
大都市の企業のような広告予算を持たない地方の小さな事業者が、全国の消費者と直接つながれる貴重な機会となっています。
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ネット販売のノウハウがない地域の高齢者が作る素晴らしい商品が、全国の方に知ってもらえる唯一の窓口になっている
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大手と同じ土俵で商売ができる数少ないチャンスであり、ここをきっかけに自社通販の利用者が増えるなど、長期的な顧客獲得の支えになっている
② 設備投資と経営計画への影響
農業や製造業は数年単位で計画を立てており、急なルール変更は投資の回収を困難にします。
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ふるさと納税による需要を見込んで、数年がかりで冷凍庫の建設や農機具の導入を行った。ルールが頻繁に変わると返済計画が立てられない
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農作物は翌年の作付けを1年以上前から決めている。直前の制度変更は、そのまま大量の在庫リスクや赤字につながる恐れがある
③ 地域の雇用と福祉への波及
売上は企業の利益だけでなく、現場で働く人々の賃金や、福祉施設の工賃に直結しています。
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福祉事業所として、マージンの少ないふるさと納税の売上は貴重。障害を持つ利用者の方々の工賃に反映されているため、縮小は死活問題だ
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受注に合わせて地元のパート採用を増やしてきた。売上が減れば、真っ先に地域の雇用調整を検討せざるを得なくなる
④ 制度のあり方に関する意見
現場からは「一律の制限」ではなく、本来の趣旨に沿ったルールの適正化を求める声が上がっています。
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毎年のように方針が変わり、現場の事業者は振り回されている。一度決めたら5年、10年は変えないでほしい
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寄附離れを招かないよう、納税者・自治体・事業者の三方が納得できる丁寧な制度設計をお願いしたい
他にも多数のご意見を頂いております。
5.2026年度以降のふるさと納税制度の変更予定
住民税の特例控除に上限を設定する方向
高所得者(給与収入1億円相当以上)に対して住民税の控除上限を約193万円にする案が与党の税制改正案に盛り込まれています(寄付分への適用は2027年以降の寄付から想定)。
返礼品の基準強化(2026年10月〜)
「地場産品」として認められる返礼品の条件が厳格化され、原材料基準や付加価値基準の明確化などが導入されます。
返礼品コスト比率の見直し案
返礼品・手数料等の費用割合の上限を現行50%から段階的に40%へ引き下げる案が含まれています(実行時期は段階的)
6. 地域経済効果の実態と今後の展望
メディア等で「寄附額の50%しか地域に残らない」といった表現がなされることがありますが、実態とは大きく異なります。

地域への実質的な還流: 自治体に直接残る財源に加え、返礼品は地域事業者が生産・加工するものであり、送料についても地域内の雇用や関連産業を通じて経済効果を生んでいます。これらを総合的に捉えれば、寄附額の8割以上が地域経済に還流していると評価することが妥当であり、実際にそのような地域内経済効果を示す研究結果や分析も数多く存在しています。
今回の最終調査の結果、回答数が約2倍に増えた状態でも、35.5%の事業者が存続への懸念を抱いているという事実に変化はありませんでした。47都道府県すべての現場から、制度の安定的な運用を求める声が上がっています。
当会としては、国および自治体が制度の適正化を推進するにあたり、これら地域事業者の経営実態と雇用の継続性に十分配慮し、地域産業と雇用を守り、持続的な制度運営を実現するための慎重な制度運用がなされることを願っております。
【調査概要】
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1-1. 調査期間
2025年12月6日~2026年1月31日
1-2. 調査機関(調査主体)
自社調査
1-3. 調査対象
全国のふるさと納税の返礼品出品事業者
1-4. 有効回答数(サンプル数)
1,911件
(47都道府県すべてを網羅)
1-5. 調査方法(集計方法、算出方法)
インターネット調査
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(一社)ふるさと納税地域商社会」について
(一社)ふるさと納税地域商社会は、ふるさと納税制度の健全な運用、啓蒙活動を通じて「ふるさと納税で地方を元気に!」を掲げ活動しております。全国20団体加盟しており(2026年2月現在)会員企業におけるふるさと納税サポート自治体数は179自治体を数え、令和6年度の取扱寄附額は1,100億円を超えています
【地域商社会 会員企業詳細 ※順不同】
株式会社ウィルドリブン 代表:髙田要一郎 (秋田県・青森県・宮城県・群馬県・埼玉県)
株式会社ラクセスイノベーション 代表:赤嶺充也(沖縄県)
株式会社フロムゼロ 代表:登内芳也(岩手県・福島県・宮城県)
株式会社ヒダカラ 共同代表:舩坂康祐/舩坂香菜子(岐阜県・愛知県)
株式会社Souplesse 代表:加納綾(北海道)
一般社団法人Disport 代表:高畑拓弥(徳島県)
株式会社パンクチュアル 代表:守時健 (高知県・香川県・徳島県・山口県・愛媛県・千葉県・静岡県・京都府・岩手県・滋賀県・埼玉県)
LR株式会社 代表:末永祐馬(鹿児島県・宮崎県・大分県・大阪府・宮城県・香川県・鳥取県・福岡県・北海道・京都府・茨城県)
一般社団法人nosson 代表:小野加央里(高知県)
株式会社さちふる 代表:笹川千尋(福井県)
株式会社ワールドワン 代表:井上貴司(島根県)
株式会社クーネルワーク 代表: 谷 俊介(新潟県)
株式会社 あきんど 代表: 廣田 拓也(福島県)
株式会社じゃばらいず北山 代表: 池上 輝幸(和歌山県、三重県、山梨県、岩手県、宮城県、大阪府、奈良県、岡山県、北海道)
株式会社ビッグゲート 代表: 大関 将広(宮城県・富山県)
合同会社HOUKO 代表:大滝雄介(京都府)
一般社団法人 明和観光商社 代表:千田 良仁(三重県)
合同会社なまけもの 共同代表:山中一之/原田祐志 (長野県)
株式会社シカベンチャー 代表:阿部 成史(北海道)
大豊産業株式会社 代表:橋本 琢万(兵庫県)
※()内はふるさと納税をサポートする自治体の所在地/本社
以上が「(一社)ふるさと納税地域商社会」の会員企業です。
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