【茅ヶ崎発】「農業を憧れの職業に」。前例のない市役所掲示を小学生が実現、定員超えの反響を呼んだ「耕さない畑のがっこう」

ー子どもの問いを起点に、学校・地域・行政が連携した実践プロジェクトー

NPO法人ふるさとファーマーズ

小学生の声が、市役所を動かしました。

きっかけは、一人の農家さんの言葉でした。

「農業を魅力的な職業に思ってくれたら嬉しいな」

神奈川県茅ヶ崎市立梅田小学校5年3組の総合学習から始まった取り組みは、教育委員会との協議を経て市役所内掲示を実現しました。子どもたちの問いから始まった学びは今、学校・地域・行政をつなぐ新しい循環へと広がっています。

茅ヶ崎の農業の現状と農家さんの困りごとを学ぶ総合学習の一環として、NPO法人ふるさとファーマーズは、梅田小学校5年3組で出張授業を行いました。子どもたちに”リアルな農家さんの声”を届けるため、私たちは地域農家さんへインタビューを行い、オリジナルの動画教材を作りました。

画面越しに語られた農家さんの本音は、予想外のものでした。 農家さんの困りごとは、「人手不足」でも「売上」でもなく、「憧れ」という言葉だったのです。

学年やテーマに合わせ、毎回ゼロから設計する完全オーダーメイドの出張授業。そのクラスだけの学びをつくります。
農家さんのインタビュー動画を制作。画面越しに、農家さんの”本音”が教室に届きました。

子どもたちは考えました。 サッカー選手に憧れるのは、小さい頃からサッカーに触れているからじゃないか。 それなら、農業も「習い事」にして、みんなが農業をやってみたらいいのではないか。

こうして生まれたのが「耕さない畑のがっこう」です。

こどもたちの小さな手で、籾殻や落ち葉をすき込む。私たちが大切にしている「土づくり」から始まる農の学び。

しかし、現実は甘くありませんでした。

子どもたちが作ったチラシを地域で配りましたが、募集開始から1週間、申し込みはゼロ。その事実を子どもたちに伝えると教室は一瞬静まり返りました。

でも彼らは諦めませんでした。「校内にもっとポスターを貼ろう」「一人一人に配布しよう」「放送で呼びかけよう」「市役所にも貼れないかな」子どもたちは、自分たちなりに”届ける方法”を必死に考え、声を上げ始めました。

子どもたちの挑戦を、どう社会につなげられるか

私たちは子どもたちの声を社会につなぐ役割を担いました。日頃から重ねてきた地域や行政との対話。その信頼関係の中で、市議会議員、そして教育委員会を通じた正式な協議が始まりました。

子どもの問いを、社会の仕組みへとつなぐ。それもまた、私たちの役割です。

市議会議員との対話を経て、教育委員会との協議が実現。子どもたち自らが説明に臨んだ。
「どうすれば届くか。」社会に働きかける言葉を、自分たちで書き出していく。

前例のない市役所掲示への挑戦

子どもたちは市議会議員との対話を経て、教育委員会へは自分たちから連絡を取りたいと言いました。

教育委員会の担当者を通じて、市役所建物管理を担う資産経営課、広報を担当するシティプロモーション課との協議の場が設けられました。子どもたちは、自ら日時を調整し、市役所内で直接説明する機会を得ました。

市役所敷地内に子どもたちのポスターを掲示する。通常では前例のないことでした。しかし子どもたちの熱意と教育的意義が評価され、2月12日、ついに子どもたちは教育委員会へ、自分たちで作ったポスターを届けることができました。

市役所に掲示された、5年3組のポスター。子どもたちの声がかたちになった瞬間。

子どもたちが ”主催者” になった日

2月22日、第一回「耕さない畑のがっこう」を開催しました。

定員10名のところ、子ども14名が参加。想定を上回る申し込みをいただき、やむなくお断りするほどの反響となりました。

当日は、5年3組の子どもたち自身が受付や司会進行を担いました。

楽しみながらも「次はどうする?」と自分たちで考え続ける姿がありました。その空気は参加者にも自然と伝わり、会場全体が温かい一体感に包まれました。

担任の先生はほとんど指示を出さず、子どもたちの挑戦を静かに見守っていました。信じて任せるまなざしがあったからこそ、子どもたちは主体的に動くことができたのだと思います。

土づくりから始まり、不耕起という選択の理由を学び、ポットに種を蒔きます。本葉が4〜5枚になったら再び畑へ持ち帰る。単発で終わらない、循環型の設計です。

子どもが子どもに伝える。そのやわらかなつながりが、この場の空気を作っていました。
「なんの種でしょう?」小さな種が、子どもたちの目を輝かせました。

この取り組みは単なる体験学習ではありません。

子どもの問いを起点に学校、地域農家、NPO、そして行政が手を取り合って生まれた、新しい地域教育のかたちです。

小さな出来事かもしれません。けれどこれは、教育・環境・地域再生をつなぐ、新しい地域の実践例です。

子どもの声が、地域を動かし、仕組みを動かす。その循環を、私たちは継続的に育てていきます。

子どもたちの問いは、黒板の言葉で終わりませんでした。その問いはポスターとなり、市役所へ届き、そして畑へとつながっていきました。

小さな革命から、地域の循環へ

この挑戦は、志を共にする方々の支えによって形になっています。 今回の「畑のがっこう」は、端数倶楽部様(*)からの寄付金を活用し、子どもたちが参加しやすい特別価格で実施することができました。子どもたちの挑戦を、地域の大人がそっと支える。その循環もまた、このプロジェクトの大切な一部です。

子どもたちの声が、地域を動かし始めています。 農家さんを、子どもたちが本気で「憧れる職業」に変えていく。 その循環を、地域全体で育てていきます。

本モデルは、子どもの問いを起点に、学校・地域・行政が力を合わせる新しい学びのかたちとして、今後さらに展開していきます。

ふるさとファーマーズの挑戦は、まだ始まったばかりです。

(*)「端数倶楽部」は、富士フィルムビジネスイノベーションおよび関連会社で働く人々や退職者によって構成され、自発的、自主的に運営されているボランティア団体です。

手を挙げる子どもたち。その一つ一つの声が、地域の未来を動かしていきます。

なお、NPO法人ふるさとファーマーズは、「第2回かながわ脱炭素大賞」を受賞いたしました。

受賞を受け、茅ヶ崎市の佐藤市長を表敬訪問し、本取り組みを含む環境教育活動について、ご報告の機会をいただきました。

第2回かながわ脱炭素大賞受賞に伴う茅ヶ崎市長表敬訪問の様子


NPO法人ふるさとファーマーズ

NPO法人ふるさとファーマーズ

神奈川県茅ヶ崎市を拠点に「不耕起栽培(環境再生型有機農業)」を軸とする農地再生や環境教育に取り組む団体です。無農薬・無施肥による野菜栽培を実践しながら、市内の幼稚園、小中学校を中心に完全オーダーメイド型出張授業や、企業との協働による環境教育プログラムを展開しています。

農を「育てる」だけでなく、「伝え」「つなぐ」ことで地域の循環を設計することを強みとしています。第2回かながわ脱炭素大賞受賞。

配信者名

NPO法人ふるさとファーマーズ

代表者名

代表理事 石井雅俊

所在地

神奈川県茅ヶ崎市芹沢

設立

2024年5月

URL

Instagram 

https://www.instagram.com/furusatofarmers

お問い合わせ先

担当:片岡由佳

メール:furusatof.jimukyoku@gmail.com

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会社概要

URL
https://furusatofarmers.org
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
神奈川県茅ヶ崎市中島1123-8
電話番号
080-6718-1346
代表者名
石井雅俊
上場
未上場
資本金
-
設立
2024年05月