移住支援Webアプリケーション「移住コンパス」の試験運用開始 早大発スタートアップVETA × JOIN-FURUSATO
「おすすめの移住先自治体」を提案、利用者の移住検討を後押し
<発表のポイント>
・早稲田大学発スタートアップVETA社とJOIN-FURUSATOは、移住支援Webアプリケーション「移住コンパス」を共同開発。10月21日から試験運用開始。
・「AとB、どちらのまちに住みたい?」という2択の質問に答えるだけで、「移住先選びで実は重視している要素」を可視化するとともに、一人ひとりに「おすすめの移住先自治体」を提案。
・「移住コンパス」の技術には、早大教授2名の研究から生まれた学術的調査分析「VE法」を実装。今後、蓄積された回答データを詳細に分析することで、移住希望者の価値観や、移住促進施策の訴求先等について、新たな知見を導出することを目指す。
■「移住コンパス」概要
早稲田大学発スタートアップのVETA株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:原 健人、以下、VETA社)は、公益社団法人 ふるさと回帰・移住交流推進機構(以下、JOIN-FURUSATO)の一般法人会員となり、移住支援Webアプリケーション「移住コンパス」(https://ijyuu-match.veta.co.jp/)を共同で開発し、2026年10月21日から試験運用を開始しました。
移住コンパスは、2つのまちを比べて質問に答えるだけで、「移住先選びで重視している要素」を分析・可視化し、その結果をもとに、全国47都道府県・約1,700の自治体から、一人ひとりに「おすすめの移住先自治体」を提案するWebアプリケーションです。移住に興味を持ち始めた方や、移住先選びでの情報収集を進めている方に対して、自身の価値観に合った自治体を見つける機会を提供し、移住検討を後押しします。
本サービスには、VETA社が独自に展開を行う調査分析技術「Value Elicitation法(VE法) ※1」(特許出願中)を活用しています。VE法では、「夏は涼しいが保育所に入りにくいまち」と「夏は暑いが保育所に入りやすいまち」のように、何かを取れば何かをあきらめる選択を繰り返してもらうことで、利用者が各要素をどの程度重視しているかを数値として捉えます。今後は、蓄積された回答データを分析し、「どのような層が、どのような要素に魅力を感じるのか」といった知見を自治体などに提供することも検討していきます。
移住コンパスは、JOIN-FURUSATOの公式サイトからご体験いただけます。また、2026年11月14日から2026年11月15日に開催される「JOIN-FURUSATO 移住・交流・地域おこしフェア」(会場:東京ビッグサイト)でも、VETA社の出展ブースでご体験いただける予定です。
「移住コンパス」サービスURL:https://ijyuu-match.veta.co.jp/

■「移住コンパス」サービス詳細
【質問に回答:AとB、どちらのまちに住みたい?】
はじめに利用者は、2つのまちを見比べる質問に繰り返し回答します。画面には、「まちの印象」・「保育所の入りやすさ」・「夏の気候」などの条件が異なる、2つの仮想のまちが提示されます。利用者は、どちらにより移住したいと思うかを選択します。この選択を最低10回、最大20回繰り返します。

【結果:「おすすめの移住先自治体」と「利用者が移住先選びで重視している要素」を提示】
回答終了後、回答データをリアルタイムで分析することで、利用者に以下の2つの結果をフィードバックします。
① 重視度:利用者が移住先選びで重視している要素
「まちの印象」・「保育所の入りやすさ」・「夏の気候」などといった、移住先選びで関わるさまざまな要素について、どの要素をどの程度重視しているかを計算し、可視化します。他の要素とのトレードオフを踏まえたうえで、どういった要素が重視されたかという、利用者自身も意識していなかった「本音の価値観」に迫ることができます。
② マッチ度:利用者におすすめの移住先自治体
利用者一人ひとりの重視度と、全国47都道府県・約1,700 の市町村のデータを組み合わせて、利用者自身の価値観に合うと考えられる移住先自治体を提案します。さらに、地域・マッチ度点数によって自治体の絞り込みをしたり、複数の自治体を比較したりすることも可能です。

【利用者にとっての活用のイメージ】
移住希望者には「移住に興味はあるけれど、どこから調べればよいか分からない」「理想の暮らしのイメージはあるものの、どの地域が自分に合うか見当がつかない」といった悩みを抱える方も少なくありません。とはいえ、全国約1,700の自治体を一つずつ調べて比べ、自分に合うまちを探すのは簡単ではありません。
移住コンパスはこうした移住先選びの課題に直接アプローチし、利用者に以下のような価値や知見を提供します。
◎ 重視度から「自身が実際の移住先選びの場面で、どのような要素を判断軸として用いているか」について、自分でも言語化できていなかった新たな気づきを得られます。
◎ これまで知らなかった自治体や、検討してこなかった自治体も含め、自分の価値観に合う可能性のある自治体と出会うことができます。
◎ SNS共有機能により、家族や友人同士で結果を比較したり、おすすめ自治体を共有したりすることができます。これを通じて、自治体との出会いをさらに広げることができます。

■「移住コンパス」技術的背景:学術研究手法に基づく知見提供
移住コンパスには、VETA社のコア技術である調査分析手法「Value Elicitation法(VE法)※1」を活用しています。VE法は、いずれも早稲田大学政治経済学術院教授である、日野愛郎(VETA社取締役CKO)、および山本鉄平(VETA社取締役CSO)が開発した技術です。
VE法を活用することで、回答データをリアルタイムで分析し、その結果を利用者本人に直接フィードバックすることが可能となります。移住コンパスでは、VE法によって、利用者の価値観に合ったおすすめ自治体の提案や、移住先選びに関わる各要素の重視度のフィードバックを実現しています。
さらに、移住コンパスでは、学術的な分析にも活用可能な、実際の意思決定場面に近い状況での価値観を捉えたデータを収集しています。「夏は涼しいが保育所に入りにくいまち」と「夏は暑いが保育所に入りやすいまち」のように、何かを取れば何かをあきらめる選択を繰り返してもらいます。その結果として、そうしたトレードオフを踏まえてなお何を重視するかという価値観が、一つ一つの回答に現れることになります。
今後、蓄積された回答データをさらに詳細に分析することで、自治体や公共機関、地域の企業等が抱える課題の解決や施策立案に役立つ知見を得ることを目指します。たとえば「若い世代の移住希望者は、移住先にどのような要素を求めているか」のような移住希望者の属性ごとに重視する要素や、「子育て環境の充実度は、どのような層にどの程度訴求するのか」のような個々の要素が選択に与える影響度合いなどについて、新たな知見を引き出してまいります。
■ 本取り組みの背景と今後の展望
人口減少や東京圏への一極集中が進むなか、地域活性化に向けた取り組みとして、地方への移住や二地域居住が注目されています。またコロナ禍以降のリモートワーク促進による働き方の多様化により、人々のなかにも、移住への関心は広がっています。
一方で、移住に関心はあるものの、具体的な移住先を決められていない人々は少なくありません。たとえば内閣官房の調査(2020年)では、東京圏在住の20~59歳の地方暮らしに関心を持つ回答者のうち、64.7%が移住先の候補について「決まっていない」と回答しています。こうした結果からは、特定の地域への移住にこだわらず、自分に合った移住先を探したいというニーズが存在することが示唆されます。
そうしたなかで、移住希望者それぞれの「本心では何を望んでいるのか」という価値観やニーズを的確に捉えること、そうしたエビデンスに基づいて、より効果的な移住促進施策を検討することは、ますます重要になってきています。
今回開発した「移住コンパス」は、VETA社の提供する「調査分析×マッチング」というソリューションを活用することで、 ①移住希望者に対する移住先選びの支援と、②自治体・公共機関・企業に対する、移住希望者の価値観についての知見を活用した施策立案・改善支援、双方の実現を目指すものです。
①移住希望者に対しては、重視度のフィードバックを通じて、これまで言語化できていなかった自分の価値観について気づきをもたらすことに加え、おすすめ自治体の提案を通じて、これまで知らなかった地域との出会いを生み出すとともに、移住支援ブースでの相談など、具体的な移住検討の「次のアクション」を促進します。
②自治体・公共機関・地域企業・移住分野の企業に対しては、今後、蓄積された回答データを詳細に分析することで、移住希望者の「本音の価値観」に関する知見を提供し、移住支援等についての施策立案や課題解決への活用につなげてまいります。
VETA社は、静岡市・早稲田大学と共同で市民意識調査を実施するほか、青森県と共同で高校生の就職意識調査を提供するなど、公共領域への展開を進めてまいりました。そうしたなかで本取り組みは、VETA社の「調査分析×マッチング」型ソリューションを移住分野に展開した、初の事例となります。
VETA社は、今後同様のソリューションを、人材領域・不動産領域をはじめとして、選択や意思決定が伴うさまざまな領域に展開することを見込んでおります。そうした展開を通じて、自治体・公共機関・企業の、データやエビデンスに基づく意思決定を支援するとともに、価値観の不一致に起因するフリクションの解消に取り組んでまいります。
【用語解説】
※1 Value Elicitation法
VETA社が提供する、コンジョイント分析を発展させ独自のアルゴリズムを組み合わせた調査分析手法です。コンジョイント分析は、各要素が意思決定にどれほどの影響を与えるのかを研究する際に有効な手法です。独自のアルゴリズムにより、この手法を①複雑な要因が絡む意思決定において、利用者はどの要素を重視して決定しているのか、②重視している要素を踏まえて導かれるマッチ対象は何かの2点のスコアを計算しフィードバックする技術に発展させています。
2026年11月現在、Value Elicitation法の技術(アルゴリズムと装置)は、取締役CKO日野・取締役CSO山本を発明者として、早稲田大学の知財として特許出願中です。VETA社は早稲田大学からの利用許諾契約を締結することで、本技術を事業展開しております。
→ VETA社ウェブサイトから、Value Elicitation法の説明をご覧いただけます:
https://www.veta.co.jp/technology/technology-socsci
【VETA株式会社 概要】

名称:VETA株式会社
設立:2025年4月30日
所在地:東京都新宿区西早稲田1-22-3 VETA株式会社
共同創業者: 代表取締役CEO 原 健人
取締役CSO 山本 鉄平
取締役CKO 日野 愛郎
E-mail:info@veta.co.jp
【公益社団法人 ふるさと回帰・移住交流推進機構 概要】

名称:公益社団法人 ふるさと回帰・移住交流推進機構
設立:2025年7月1日
主たる事業所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8F
会長: 増田 寛也
代表理事・理事長: 高橋 公
代表理事・副理事長: 百木田 康二
業務執行理事: 林﨑 理
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