JISDA、電磁環境と無人機運用を可視化する統合シミュレーションプラットフォーム「EMAQI」を発表

防衛・防災・警備などにおける教育・訓練・計画共有を支える可視化基盤

JISDA株式会社

JISDA株式会社(Japan Integrated Security Design Agency/日本技術安全保障戦略機構、東京都千代田区、代表取締役:國井翔太、以下「JISDA」)はこのたび、電磁環境と無人アセット運用を地図上で統合的に可視化・分析できるブラウザベースのシミュレーションプラットフォーム 「EMAQI(Electromagnetic Mapping, Analysis & Quantified Intelligence)」 を発表しました。

EMAQIは、高解像度の衛星画像を背景とした2Dマップ上に、通信ノード、レーダー、センサー、ジャマー、デコイ、UAVなどの各種アセットを配置し、それらの相互作用を時間軸とともに観察・比較できるプラットフォームです。通信妨害、レーダー探知・追尾、受動探知、GPS妨害・欺瞞といった、従来は個別に理解されることの多かった要素を、単一の画面上で関連づけて把握できる点を特長としています。

JISDAは本製品を、実在する装備や個別システムの忠実度の高い再現だけを目的としたものではなく、現代の複雑な運用環境において生じる事象や相互作用を、教育・訓練・シナリオ比較・状況説明の観点から理解しやすくするための可視化基盤として位置づけています。特に、JISDAが3年にわたり実施してきたウクライナ現地調査の知見を背景に、作戦環境が短時間で大きく変化しうる現場の複雑性、すなわち「通信」「監視」「探知」「移動」「欺瞞」などが同時に絡み合う状況認識の難しさを、より直感的に扱えるよう設計しています。

また、EMAQIは単なる教育ツールにとどまらず、電子戦への理解を深めながら、運用側と開発側、あるいは現場担当者と技術担当者が、同じ画面と同じ前提を共有しながら会話を進めるための共通基盤としての役割も担います。概念の説明、運用条件の整理、設計上の論点確認、想定シナリオの比較などを、抽象論ではなく可視化された状況に基づいて進められることにより、立場の異なる関係者同士の認識のすり合わせを支援します。

さらにEMAQIは、地図、アセット配置、状態変化、ログ、時間経過を統合的に扱えることから、デジタルツイン的な発想での利用も可能です。特定エリアの監視配置や通信環境、無人アセット運用の関係性を地図上で俯瞰しながら、条件変更による影響を比較できるため、教育や訓練だけでなく、災害対応、警備、重要施設周辺の監視計画など、多様な現場での検討基盤として活用が期待されます。

■開発の背景 

複雑化・流動化する現場環境を、単一の視点では捉えきれないという課題
 

近年、無人アセットの活用が進むにつれ、現場で重要になるのは個々の装備や機能そのものだけではなく、それらが相互にどのような関係を持ち、どのような条件下で優位・劣位が変化するのかを、全体として把握する能力です。通信が維持できるかどうか、レーダーに捉えられるかどうか、受動的に存在が察知されるかどうか、GPSへの依存がどの程度リスクになるか、欺瞞や妨害によって運用がどう変質するかといった点は、現代の運用環境において切り離して考えることができません。

一方で、現実の現場では、これらの要素は一定ではなく、時間の経過や配置の変化、周波数の選択、運用方法の違いによって絶えず変動します。ある瞬間には安定していた通信が次の瞬間には不安定化し、ある経路では問題なく飛行できた無人機が別の条件では探知やGPS異常の影響を受けるなど、現場は常に流動的です。しかし、教育や訓練、あるいは初期検討の場面では、こうした複雑な変化を体系的に理解する手段が十分に整っているとは言えませんでした。

JISDAは、こうした課題意識のもと、通信、探知、受動探知、GPS、欺瞞、移動といった要素を「個別の技術トピック」としてではなく、「同じ空間と時間の中で変化し合う関係」として可視化できる環境の必要性を認識し、EMAQIの開発を進めてきました。

 3年にわたるウクライナ現地調査の知見を、理解可能なかたちで反映
 

EMAQIの設計思想の背景には、JISDAが3年にわたって継続してきたウクライナ前線での現地調査があります。現地では、運用環境が固定的ではなく、地理条件、移動経路、通信条件、監視手段、妨害の有無、時間帯、配置の変化などによって、短時間のうちに状況が大きく変わります。重要なのは、単一の性能指標ではなく、複数の要素がどのように重なり合って結果を左右するかを把握することでした。

JISDAは、そうした現地の知見を踏まえ、EMAQIを「現場の複雑性をそのまま精密再現する装置」ではなく、「複雑性の構造を理解し、比較し、共有できる装置」として設計しています。すなわち、通信妨害、探知・追尾、受動探知、GPS異常、デコイ効果などを、ブラックボックス的な結果としてではなく、配置、距離、向き、帯域、状態変化、ログ、時間経過を通して追えるようにすることで、利用者が現象の背景を読み解けるようにしています。

 有事に限らず、災害・警備・重要施設対応にも活用可能 

EMAQIが対象とするのは、防衛・安全保障の文脈だけではありません。通信が不安定化した場合の影響、複数のアセットの位置関係、監視カバレッジ、移動ルートの妥当性、誘導や位置情報異常が運用に与える影響などは、災害対応や警備の現場でも重要な論点です。たとえば、災害時における臨時通信ノードや無人機の運用、警備時における監視・通信・移動の関係、大規模施設や重要拠点におけるセンサー配置の考え方など、多くの場面で「複数要素の関係を俯瞰する力」が求められます。

EMAQIは、そのための共通理解形成ツールとしても機能します。専門家だけでなく、教育担当者、講師、説明を受ける側、計画立案に関わる担当者が、地図上の状況を共有しながら、どの設定や条件が結果にどうつながるかを一緒に確認できることは、現場対応力の底上げにつながるとJISDAは考えています。

■「EMAQI」の主な特長 

1.地図・時間・状態変化を一体化した、理解しやすい可視化環境 

EMAQIでは、高解像度の衛星画像または地図を背景とした2D空間上で、複数のアセットを配置し、その相互作用を時系列で観察できます。利用者は、単に地図上の位置関係を見るだけでなく、タイムライン、イベントログ、通信状態、探知状態、GPS状態などを同時に確認しながら、変化の流れを把握できます。これにより、「どこで何が起きたか」だけでなく、「いつ」「なぜ」「どの条件で」状況が変わったのかを読み取りやすくなっています。

たとえば、ある通信リンクが不安定化したとき、その背景にあるのが単なる距離なのか、指向性の問題なのか、妨害の影響なのかを、地図・ログ・状態表示を通じて追いやすくする構成を採用しています。同様に、UAVの経路逸脱が発生した場合にも、それがGPS妨害による精度低下なのか、GPS欺瞞による位置オフセットなのかといった違いを、視覚的に理解しやすい形で提示します。

 2.電子戦理解と関係者間の会話を支える共通基盤 

EMAQIは、電子戦の主要概念を理解するための教育・訓練基盤であると同時に、運用側と開発側が会話を進めるための共通基盤としても機能します。現場では、運用要件、技術制約、配置条件、監視範囲、通信品質、異常時挙動など、議論すべき論点が多岐にわたります。しかし、それらを文章や口頭だけで共有すると、同じ言葉を使っていても前提認識がずれていることが少なくありません。

EMAQIでは、アセット配置、時間経過、状態変化、ログ、可視化レイヤを共有しながら議論できるため、「どの条件下で何が起きるのか」「何を前提に設計・運用判断をしているのか」といった点を具体的にすり合わせやすくなります。これにより、教育用途だけでなく、仕様検討、初期構想、運用設計、説明資料作成といった場面でも有効な基盤となります。

 3.通信・探知・受動探知・GPS異常・欺瞞を単一シナリオで扱える 

EMAQIの大きな特長のひとつは、通信妨害、レーダー探知・追尾、受動探知、デコイ、GPS妨害、GPS欺瞞といった複数の要素を、同じシナリオの中で一体的に扱える点です。これにより、現場で起こる事象を個別機能としてではなく、相互に影響し合うものとして理解することができます。

たとえば、あるアセットの位置変更が通信品質に影響を与え、それが別のアセットの移動判断に波及し、さらに探知リスクや受動探知の成立条件を変化させる、といった連続的な関係性を確認することが可能です。こうした「複数要素の同時理解」は、教育や訓練だけでなく、説明資料やデモ、計画検討の場面でも有効です。EMAQIは、そうした複雑な関係性を、比較的低い導入負荷で扱えるようにしています。

 4.UAVを含む無人アセット運用を前提とした設計 

EMAQIは、電子戦要素のみを切り出したツールではなく、UAVを含む無人アセット運用を前提に設計されています。通信ノード、レーダー、受動探知センサー、ジャマー、デコイ、UAV、施設など、運用上相互に関係するアセットを組み合わせて配置し、シナリオとして扱うことができます。UAVについては、ウェイポイントに基づく移動、GPS依存度、搭載ペイロード、シグネチャ特性などを通じて、より現実に近い意思決定文脈を考慮したシミュレーションを行えます。

これにより、EMAQIは単なる「電磁波シミュレータ」にとどまらず、空間・移動・監視・通信・異常状態をまとめて扱う統合的な運用理解プラットフォームとして機能します。教育現場における概念説明はもちろん、複数アセットの役割分担や配置の考え方を共有したい場面にも適しています。

 5.デジタルツイン的な活用にも対応 

EMAQIは、地図、アセット配置、状態変化、時間経過、ログをひとつの画面上で扱えることから、デジタルツイン的な発想による活用にも適しています。特定エリアの監視配置、通信カバレッジ、移動ルート、異常時の影響範囲などを、現実空間に対応したかたちで俯瞰しながら、条件変更による違いを比較できるためです。複数の関係者が、現実の地理条件を踏まえたシナリオを共通の画面で確認しながら、どこに課題があるか、どこに冗長性が必要か、どの条件変更が有効かを議論できる点は、EMAQIの大きな価値のひとつです。

■想定される活用シーン 

EMAQIは、有事に関する教育・訓練用途だけでなく、災害対応、警備、重要施設監視、無人アセット運用訓練、計画説明、シナリオ比較といった幅広い場面で活用が見込まれます。たとえば、災害時における臨時通信網の構成や無人機運用の検討、重要施設周辺の監視・警備計画における配置の検討、広域イベントにおけるセンサー・通信・移動体の関係整理など、複数要素を重ねて考える必要がある場面において、EMAQIは有効な可視化基盤となります。

また、教育現場では、複数の概念を口頭説明だけでなく、地図と時間軸を伴う形で提示できるため、受講者にとって理解しやすい教材となります。組織内においても、専門性の異なる関係者同士が同じ画面を見ながら議論できるため、初期検討や共通理解形成の基盤としても有効です。

今後は、シナリオテンプレートの拡充、教材モードの強化、イベントトリガー機能、ヒートマップ表現、シナリオ比較機能などを順次拡張していく予定です。これにより、講義・訓練・説明用途にとどまらず、より高度なシナリオ設計や比較検討にも対応できる環境を目指します。加えて、現場で蓄積される知見を、より理解可能なかたちで可視化に落とし込むための機能改善も継続して進めていきます。

■代表取締役CEO 國井翔太 コメント 

私たちは、ドローンを単に航空機運用の延長として捉えるべきではないと考えています。ドローンの実用性は、機体性能や飛行効率だけで決まるものではありません。どの周波数を使うのか、どの変調方式を選ぶのか、どのように拡散・ホッピングさせるのかによって、到達距離、映像品質、通信の安定性、妨害への耐性は大きく変わります。

特に有事・災害時においては、ドローンの有効性はエネルギー効率や飛行性能以前に、通信の特性や電波の制御方法に強く依存します。その意味で、ドローンのコア技術は空を飛ぶこと自体よりも、むしろ電磁波領域にあるといえます。技術的な観点に立てば、作戦・戦術レベルでのドローンは、航空戦の一部というより、電子戦の構成要素として捉える方が実態に近いと考えています。

そして、ドローンへの対処も同じです。探知、妨害、追尾、欺瞞、航法への介入といった論点は、いずれも電磁波領域の理解なしには語れません。その上この領域は、民間インフラと有事の脆弱性が重なりうる、非常にデュアルユース性の高い領域です。だからこそ、一部の専門家だけでなく、運用側と開発側を含む関係者が共通の前提のもとでシナリオを検討し、対話できる基盤が必要です。

EMAQIは、そうした共通基盤をつくるための取り組みです。私たちはEMAQIを通じて電子戦や電磁波領域への理解を支援するとともに、より実践的な検討と認識共有を支えていきます。

■お問い合わせはこちら

JISDAでは、EMAQIを活用した電子戦に関する各種レクチャー、研修、コンサルティングのご相談を受け付けています。電子戦の基礎理解を深めるためのレクチャーから、運用側と開発側が共通認識を持つためのディスカッション支援、シナリオ設計、可視化を用いた説明支援まで、目的に応じた形でご提供します。 また、有事を想定した文脈に限らず、災害対応、警備、重要施設周辺の監視計画などに関する検討支援についてもご相談いただけます。詳しくは、以下よりお問い合わせください。

【本件に関するお問い合わせ先】

社名:JISDA株式会社

所在地:​〒100-0005 東京都千代田区丸の内1丁目7-12 サピアタワー8F

代表者:代表取締役社長 國井翔太

URL:https://jisda.jp/

E-mail: info@rise.jisda.jp

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会社概要

JISDA株式会社

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URL
https://www.jisda.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区丸の内1丁目7−12 サピアタワー8階
電話番号
-
代表者名
國井翔太
上場
未上場
資本金
-
設立
2025年11月