【開催報告】伊賀市×QWS、製造出荷8,000億円の技術と都市の知恵で共創案を創発

ローカル・スタートアップ支援「SHINOBI-Z IGA」初MeetUpを開催。コンロッド世界シェアNo.1の安永、先端ジャバラのナベル、伝統工芸「伊賀くみひも」の糸伍が登壇し、新事業アイデアを共創

SHIBUYA QWS

三重県伊賀市(市長:稲森 稔尚)、地域創生事業を展開する株式会社アルファドライブ(本社:東京都千代田区 / 以下、AlphaDrive)、および渋谷駅直結の共創施設「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ/以下、QWS)」(運営:渋谷スクランブルスクエア株式会社)は、2026年10月8日(木)、伊賀市のローカル・スタートアップ支援事業「SHINOBI-Z IGA(シノビズ イガ)」の一環として、共創イベント「忍者のまち伊賀市MeetUp『SHINOBI-Z ピッチ&トーク』@SHIBUYA QWS」を開催しました。当日は、首都圏のスタートアップ関係者や大手企業の新規事業担当者、ベンチャーキャピタリスト(VC)、地方創生伴走支援官など30名以上が結集。伊賀市が誇る世界レベルの技術力や伝統工芸のアセットと、都市部プレイヤーの多様な「問い」やアイデアを掛け合わせ、防災・ヘルスケア・海外展開などに繋がる革新的なビジネスアイデアを多数創発しました。

■開催の背景:「忍者の里」にして製造業出荷額8,000億円を誇る「ものづくりのまち」の挑戦

三重県北西部に位置する伊賀市は、伊賀流忍者の発祥地や松尾芭蕉の故郷として知られるほか、伊賀牛・伊賀米・伊賀酒、伝統的工芸品の伊賀焼や伊賀くみひもなど豊富な地域資源に恵まれています。

しかし、伊賀市にはもう一つの極めて重要な側面があります。それは、年間製造品出荷額が約8,000億円に達する、三重県内有数の「ものづくりのまち」である点です。人口約8万人の自治体でありながら、全国1,700以上の市町村の中で上位5%に入るなど突出した「稼ぐ力」を有しており、表舞台には目立たずとも世界や日本の基幹産業を裏方として支えるグローバルニッチトップ企業が集積しています。

一方で、多くの地方都市と同様に、若者の流出や地元企業の人材確保、既存産業の持続可能な変革といった課題に直面しています。こうした課題に対し、伊賀市では市内企業の技術・アセットと外部スタートアップ等の共創を促進する「SHINOBI-Z IGA」を始動。産学官金(上野商工会議所・伊賀市商工会・ゆめテクノ伊賀・三重大学伊賀研究拠点等)が一体となった重層的エコシステムを背景に、都市部プレイヤーとの「共創の第一歩」として本イベントが企画されました。

■ 第1部:ピッチ「世界トップシェアと伝統技術が抱える『問い』の提示」

第一部では、伊賀市長・稲森 稔尚 氏による開会挨拶と事業説明に続き、伊賀市を代表する先進企業3社が登壇。自社の唯一無二の技術力や伝統と、単独では解き明かせない事業開発上の「問い」をピッチ形式で提示しました。

【登壇企業と技術アセット・提示された「問い」】

糸伍株式会社(いとご)|伝統工芸「伊賀くみひも」の一貫生産とアスリート展開

アセット: 昭和29年創業。くみひもの製織から加工まで一貫生産できる技術を有し、プロスポーツ向け「くみひもシューレース」は各種国際大会や陸上・プロ選手が愛用。世界的なステージ衣装や高級ブランド店頭ディスプレイなど多目的な採用実績を持つ。

問い: 伝統的工芸品である伊賀くみひもを、現代のライフスタイルや海外市場に最適化させた新しい用途・プロダクトとは何か?

株式会社ナベル|「必要な時に伸び、不要な時に縮む」最高峰の伸縮カバー技術

アセット: カメラ用蛇腹から創業し、医療機器用カバーやレーザー加工機用カバーなど高度な防塵・遮光素材技術を誇る。照明デザイナーとの共同開発による和紙風の折りたたみ間接照明「アコーディオンパーテーション」など、環境・向上・設備の「3E」領域へ事業を拡大。

問い: 光とジャバラ(伸縮・折りたたみ構造)の組み合わせにより、現代人の心に響く「和」やレトロな造形・癒やし空間をいかに創出できるか?

株式会社安永(やすなが)|100年企業が誇る新技術「微匠孔加工」:1mm四方に625個の微細孔加工技術

アセット: 自動車エンジン部品(コンロッド)で世界シェアNo.1を誇る100年企業。「安永微匠技術」により、1mm四方に625個(1秒間に1億個以上)の微細な孔を高速で開ける独自加工技術を保有。これを使い加工した孔により、様々な効果を生む。例えば、気体・液体の制御、静電気の放電、防音・吸音など素材自体の物理特性を劇的に変化させる。

問い: 微細穴加工という加工プロセスを用いて、既存素材や新プロダクトの可能性をどこまで広げられるか?

■ 第2部:共創トーク&ワークショップ「技術×都市の知恵が引き出すアイデア」

第2部のワークショップでは、参加者が3つのグループに分かれ、登壇企業が持参した素材サンプルや技術デモ(放電実験、通気性フィルム、組みひもサンプル等)を手に取りながら、20分×3ラウンドの白熱したディスカッションを行いました。

【創発された主な共創アイデア】

① 防災・アウトドアに特化した「高機能くみひも」(糸伍×都市プレイヤー) 強靭で結びやすく美しいという特性を活かし、地震時に家具の転倒を防ぐ「防災固定紐」や、夜間に光る素材と笛を組み合わせた「防災用ホイッスルストラップ」、ヨット・キャンプ用高耐久ロープ、建築用インテリア(レースカーテン状の空間仕切り)への応用案が創出されました。

② マインドフルネス・五感を刺激する「触感リラクゼーショングッズ」(ナベル×都市プレイヤー) ジャバラの伸縮構造と打鍵感・音を掛け合わせ、デスクワーク中に無意識に触り続けたくなる「ストレス解消・スクイーズ型リラクゼーショングッズ」や、BtoB向けカバーからBtoC向け空間インテリアへのドラスティックな転換アイデアが提案されました。

③ 快適性を極める「アパレル・海外・防災向け微細穴加工」(安永×都市プレイヤー) 名刺自体に微細穴で文字を刻むブランディング案をはじめ、靴や手袋、大型テントの湿気・熱気放出シート、高温多湿な海外地域向けのレインウェアや宗教用衣装の通気性改善、さらにはマイクロバブル均一発生シートなど、具体的かつ身近な困りごとの解決に向けた提案が多数挙がりました。

■ ステークホルダー・担当者コメント

三重県伊賀市長 稲森 稔尚 氏

「本日、渋谷の地で首都圏のスタートアップや新規事業担当の皆様と熱い対話ができたことに心から感謝いたします。伊賀市には、コンロッド世界シェアNo.1の安永様をはじめ、世界に誇る卓越した技術や伝統を持つ企業が数多く集積しています。今日のワークショップでは、防災やサスティナブル、ヘルスケアなど、従来の枠組みを超えた非常にしなやかで面白いアイデアが次々と飛び出しました。『SHINOBI-Z IGA』を通じて、失敗を恐れずに挑戦できる環境を整え、都市のプレイヤーの皆様と共に新しい価値を創造してまいります。」

株式会社アルファドライブ SHINOBI-Z IGA事業担当者

「今回の『SHINOBI-Z ピッチ&トーク』は、登壇企業3社が持ち寄った「問い」を通じて、伊賀市内企業が持つ唯一無二の技術力と、都市部の知見やスタートアップのスピード感を掛け合わせる素晴らしい交流の場となりました。単なる交流イベントに終わらせず、イベントで生まれたアイデアを実際のオープンイノベーションや共同事業開発へと着実に繋げ、持続可能な地域経済モデルを伊賀から発信してまいります。」

渋谷スクランブルスクエア株式会社 SHIBUYA 担当者

「QWSには、多様なバックグラウンドを持つプレイヤーの『問い』を交差させ、未知の価値を生み出す共創拠点です。今回のイベントでは、伊賀市の伝統と先端技術という本物のファクトに対し、渋谷に集うプレイヤーたちを含めて本気で向き合い、熱気あふれる議論が展開されました。地域と都市が対等に交差し、お互いの強みを引き出し合う理想的な共創の姿を目の当たりにしました。QWSは今後も伊賀市の挑戦を伴走支援してまいります。」

■ 主催・共催・パートナー概要

■ 三重県伊賀市 / IGAローカル・スタートアップ支援事業「SHINOBI-Z IGA」について

伊賀市は三重県北西部に位置し、歴史文化と製造業(出荷額約8,000億円)が高度に融合した自治体です。「SHINOBI-Z IGA」は、市内の産業振興、起業家育成、既存企業の第二創業・新規事業開発を目的とした包括的支援プログラムです。産業支援拠点「ゆめテクノ伊賀」や三重大学伊賀研究拠点等と連携し、地域エコシステムの形成を推進しています。

■ 株式会社アルファドライブ / AlphaDrive REGION について

新規事業開発・次世代人材育成を支援するコンサルティングファーム。AlphaDrive REGIONは、全国30以上の都道府県で行政・地域企業と連携し、産業振興・企業誘致・地域AX(行政・地域変革)を推進しています。

■ SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)について

2019年11月、渋谷スクランブルスクエア15階に開業した会員制共創施設。「渋谷から世界へ問いかける、可能性の交差点」をコンセプトに、500以上のプロジェクトやスタートアップを支援しています。

すべての画像


会社概要

URL
https://shibuya-qws.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア15階
電話番号
03-4221-4289
代表者名
山中 淳郎
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年07月