国立がん研究センター先端医療開発センターと湘南ヘルスイノベーションパーク、がん創薬支援プラットフォームの設立に向けた検討・協議を開始
国立研究開発法人国立がん研究センター先端医療開発センター(センター長:落合淳志/以下、「NCC-EPOC(エポック)」)と湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、「湘南アイパーク」)は、がん創薬支援プラットフォームの設立に向け、協議・検討する旨の覚書を締結しました。
キーポイント:「アカデミアから企業へ」「企業からアカデミアへ」双方向の創薬を視野
近年、創薬分野ではさまざまなオープンイノベーションの取り組みが行われていますが、「アカデミアから企業へ」という一方向の産学連携では、アカデミアと企業の間の知識や資産のギャップから、アカデミアシーズと企業戦略とのミスマッチが生じ、製品化に最適なシーズが得られにくい、また、臨床現場のニーズを反映した製品につながりにくいという課題があります。
このため、アカデミアに不足している知識を参加企業がサポートし、参加企業に不足している先端研究や医療現場でのニーズの知識をアカデミアが補完するなど、アカデミアと企業が持つ知識や資産のギャップを解決する仕組みの構築など、「がん創薬支援のプラットフォーム」の実現に向けて、検討・協議していきます。
本プラットフォームは、広く製薬企業や創薬ベンチャーに開放し、シーズの開発・同定※1から第I相臨床試験※2開始までの早期臨床開発におけるトランスレーショナルリサーチ※3を産学が双方向で連携して行うことによって、スピード感のある新薬開発を行うことを目指しています。
代表者メッセージ
●NCC-EPOC 落合淳志センター長
「アカデミアシーズを湘南アイパークの創薬技術・知識を用いて育成するだけではなく、企業発シーズをNCC-EPOCのトランスレーショナルリサーチアセットで育成する。このような双方向型コラボレーションが、今後の革新的医療実現の鍵と考えています。「がんの治癒」を目指す挑戦者として、本プラットフォームが大きな実を結ぶことを期待しています。」
●湘南アイパーク 藤本利夫ジェネラルマネジャー
「がん領域のトランスレーショナルリサーチの中核を担う NCC-EPOC とともに新しい形の研究プラットフォーム構築に挑戦できることを、大変嬉しく思います。製薬会社のみならず創薬ベンチャーにも公開していく本プラットフォームは、バイオベンチャーの育成やアイデアの社会実装の場となることを使命と考える湘南アイパークにとって、その実現を大きく後押しするものになると期待しています。」
用語解説
※1 シーズ:英語で種(seeds)を意味する。薬のもと(種)となる物質のこと。シーズにさまざまな改良を加えることで、安全で効果の高い物質が見出され、これが薬となる。
※2 第Ⅰ相臨床試験:少人数の被験者に対して薬を投与し、安全性に注意しながら適切な用量や投与方法を決めていく段階。
※3 トランスレーショナルリサーチ:創薬や医療技術の開発において、基礎研究の成果を実際の臨床現場で使える形にするために行う、基礎研究と臨床研究をつなぐ研究。
以上
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