【白川村公式】8割の旅行者が「混雑対策をしたい」と回答
情報発信で渋滞解消へ 新サイトに期待高まる
岐阜県白川村では、昨秋開設したオーバーツーリズム対策総合サイト「白川郷すんなり旅ガイド シラカワ・ゴーイング(Shirakawa-Going)」(以下、シラカワ・ゴーイング)に関するアンケート調査を2024年12月〜2025年1月にかけて実施しました。その結果、旅行者の行動変容を促す有効なツールであることが明らかになりました。
【主な調査結果】
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88%が「混雑予測カレンダー」を見て訪問日や時間を変更したい(ずらしたい)と回答
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92%が「次回、白川郷訪問時にはシラカワ・ゴーイングを参考にしたい」と回答
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白川郷ルールの認知度は5割程度。4人に1人は「全く知らない」と回答
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レスポンシブル・ツーリズムに97%が共感し、「100年先まで景観を守りたい」と意識
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84%が「旅行先の持続可能性に貢献したい」と考えている
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【調査概要】
本調査は、白川村を訪れた旅行者(対面調査)および訪問を予定している旅行見込み者(Web調査)を対象に、サイト利用状況や行動変容の意向を検証する目的で実施されました。
•実施期間: 2024年12月7日〜2025年1月31日
•対象: 白川村訪問者(対面調査)および旅行見込み者(Web調査)
•回答数: 計412サンプル(対面188名+Web224名)
•調査方法: Googleフォームを活用したアンケート
1.交通の混雑について
白川郷では特定の週末や連休に交通渋滞が発生しています。本調査では、70%の旅行者がこれを認識しており、88%が「混雑日を避ける」または「朝早い時間をずらす」意向を示しました。これにより、シラカワ・ゴーイングの「混雑予測」機能が旅行者の行動変容を促し、混雑回避につながる可能性が高まっていることがわかりました。
■約7割が「特定の日に交通渋滞が発生することを知っている」と回答
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45%が白川郷の「混雑もマナー違反もあることも知っている」と回答。一方で、24%が「混雑もマナー違反があることも知らなかった」と回答。
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70%が「混雑することを知っている」と回答。
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51%が「マナー違反があることを知っている」と回答。
■約9割が「白川郷に行く時には、シラカワ・ゴーイングを参考にしたい」と回答
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92%がシラカワ・ゴーイングを「参考にしたい」と回答。
→大いに参考にしたい(42%)、参考にしたい(50%)
■混雑日を事前に知ったら、約9割が「旅をずらしたい」意向が明らかに。
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混雑予測が「非常に混雑」の場合、88%がずらし旅の意向を示した。
→朝早い時間にずらす(38%)、日にちをずらす(50%)
2.白川郷ルールの認知度
白川郷では世界遺産集落と村民の暮らしを守るために独自の「白川郷ルール」を設けています。しかし、今回の調査では訪問前に何らかのルールを認知していたのは約半数にとどまり、多くの旅行者が現地で初めて知るという課題が浮き彫りになりました。今後、より一層の周知活動が求められます。
■最も認知が高いのは「ゴミの持ち帰り」(約5割)、認知が低いのは「ドローン禁止」(約3割)
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火気厳禁やゴミの持ち帰り、私有地への進入禁止の認知度は半数以上である一方で、4人に1人はルールを全く知らないと回答。
3.レスポンシブル・ツーリズムへの共感
白川郷では、その美しい景観を今も住民が大切に守り続けています。白川村が推進する「白川郷レスポンシブル・ツーリズム」は、村民が大切にしていることに理解あるレスポンシブル・トラベラー(責任ある旅行客)を呼び込み、観光で地域がより良くなることを目指す取り組みです。今回の調査では97%が「白川郷の美しい景観を100年先まで残したい」と回答し、高い共感を示しました。地域の持続可能性に貢献する意識を持った旅行者が増えており、さらなる認知向上が期待されます。
■9割超が「世界遺産・白川郷の美しい景観を100年先まで残したい」と回答
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97%が「白川郷の美しい景観を100年先まで残したい」と回答。
→「とても感じた」(77%) 、「感じた」(20%)
■9割超が「『観光と生活の調和』の取組みについて共感する」と回答
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97%が「観光と生活の調和の取り組みに共感する」と回答。
→とても共感した(69%)、共感した(28%)
■約8割が「旅行先の地域の持続可能性に何らかの形で貢献したい」と回答
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旅行先の持続可能性への貢献に対して、84%が「関わりたい」と回答
→「とても関わりたい」(36%)、「関わりたい」(48%)
4.旅行者の声
<シラカワ・ゴーイングについて>
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「混雑情報がリアルタイムに分かりやすく入手出来て、事前計画にも、現地でも役立つ。」
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「外国人観光客にも使い易い設計で、海外(特にアジア)に向けて積極的に広めてほしい。」
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「ライブカメラで積雪状況等が良く分かって助かる。」
<白川郷ルール、レスポンシブル・ツーリズムについて>
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「観光客である自分の立場を認識するきっかけになった。」
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「持続は大変で、壊すのは一瞬。地道だが幅広く共感を求めることが一番の近道だ。」
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「世界遺産だから、つい『住んでいる人がいる』ことへの配慮が希薄になりがちになる。謙虚な気持ちで敬意をもって訪れるためにも、必要なサイトだ。」
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「旅行者は地元ファーストを守って旅行して欲しいし、自分もそうしたい。」
5.課題と今後の展望
(1)さらなる交通混雑対策にむけて
シラカワ・ゴーイングの発信により、混雑時には行動変容が期待されることがわかりました。同サイトが「白川郷観光の旅マエサイト」として認知されるよう、今後も努めます。
(2)白川郷ルールの認知向上
世界遺産集落とそこに住む村民の暮らしを守るための白川郷ルールについて、4人に1人が「全く知らない」と回答しました。交通混雑の緩和対策とともに白川郷ルールの認知向上に取り組んでいきます。
(3)雪見インバウンドと大雪への対応
雪見目的の訪日外国人観光客が急増する中、記録的な降雪による交通機関や観光地が混乱する事態に、いかに適切に対応するかについて以下のような課題がありました。
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除雪のためやむを得ず駐車場の営業開始が遅れる際に、「移動中の観光客に対して、どう速やかにかつ効果的に情報を発信するのが適切か」
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警報級の大雪に際して、「来村を踏みとどまってもらうための発信やコミュニケーションはどのようなものが良いか」
シラカワ・ゴーイングの運用や機能面のさらなる充実によって混雑情報だけでない発信力や抑制力の強化を図りたいと考えています。
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今回の調査により、「シラカワ・ゴーイング」による発信が、混雑回避に向けた行動変容を促す可能性を持っていることが判りました。併せて、レスポンシブル・ツーリズムの推進により旅行者と地域の双方に良い影響をもたらし、持続可能な観光の実現にも貢献していることが分かりました。今後も残る課題に取り組み、「シラカワ・ゴーイング」を通じて混雑回避に役立つリアルタイム情報の充実、白川郷ルールの周知強化、レスポンシブル・ツーリズムのさらなる浸透を進め、観光と地域住民の暮らしの調和を図っていきます。
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白川村は、自然・暮らし・観光の調和を大切にし、これからも美しい村での忘れられない観光体験をご提供します。そして、調和の輪の中にレスポンシブル・トラベラー(責任ある旅行者)にも加わっていただき、より大きな調和を生み出していきます。
ご参考:
●白川郷すんなり旅ガイド シラカワ・ゴーイング(SHIRAKAWA-Going)
混雑が見える オーバーツーリズム対策総合サイトとして昨秋公開
(2024.11.27リリース「白川郷すんなり旅ガイド シラカワ・ゴーイング日本語版公開」より)
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