施工管理アプリ導入率31.9%、企業規模で最大60pt差──「現場定着」「操作性」など運用面の課題も
建設業従事者426名調査|導入率・未導入理由・運用課題・乗り換え意向など、アプリ活用実態を分析
現場TECHでは、建設業従事者426名を対象に、施工管理アプリの導入状況および活用実態に関する調査を実施しました。
建設業界では施工管理アプリやクラウドツールの普及が進む一方で、「どの程度導入が進んでいるのか」「実際に現場で活用できているのか」といった実態は十分に整理されていません。
本調査では、施工管理アプリの導入率や未導入理由、導入後の課題に加え、企業規模ごとの傾向を整理し、施工管理アプリ活用の実態を分析しました。
◾️サマリー
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施工管理アプリの導入率は31.9%、未導入は68.1%と、活用は一部にとどまる
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企業規模が大きいほど導入が進み、最大で約60ptの差が見られた
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未導入企業では「現場定着への不安」「コスト」が主な導入障壁
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導入企業でも「現場定着」「操作性」「機能過多」など運用面の課題が存在
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導入企業の方がデジタル化の進展を実感している傾向が見られた
◾️本調査の位置づけ
本調査は、施工管理DXの現状を整理した前回調査(脱Excelの進捗と課題)に続く第二弾として、施工管理アプリに焦点を当てたものです。
前回調査では、実務では依然Excel中心の運用が主流であり、DXに対して「現場定着」「操作負担」「二重管理」といった運用面の課題が大きな障壁となっていることが明らかになりました。
参照:【施工管理DX実態調査】ツール導入後も62.5%は依然「Excel中心」
本調査では、DXの中核となる施工管理アプリについて、導入状況や導入後の課題、未導入の理由などを整理し、実際の活用実態に踏み込んで分析しています。
◾️施工管理DXの現状
主な管理手段
施工管理業務における主な管理手段について調査したところ、「Excel等のPCソフト中心」が292件(68.5%)と最も多く、現在も主流であることが分かりました。
一方で、「クラウド型施工管理アプリ中心」は36件(8.5%)にとどまり、専用ツールの活用は一部にとどまっている状況です。また、「紙・手書き中心」も54件(12.7%)存在しており、アナログな運用も一定数残っています。
これらの結果から、施工管理業務においてはデジタル化は進みつつあるものの、専用アプリへの移行はまだ過渡期にあるといえます。

デジタル化の進捗感
施工管理業務全体におけるデジタル化の進捗について質問したところ、「3(中程度)」が47.4%と最も多く、次いで「4」が18.1%という結果となりました。
一方で、「5(十分に進んでいる)」は1.6%にとどまっており、デジタル化が十分に進んでいると感じている企業はまだ少数であることが分かります。
全体としては、「ある程度は進んでいるが、まだ発展途上」と捉えられている状況です。

施工管理業務における負荷が高い作業
業務負荷が高い作業としては、「関係者との連絡・調整」(74件・17.4%)、「日報・報告書作成」(68件・16.0%)、「写真管理」(67件・15.7%)が上位に挙がりました。
いずれも日常的に発生し、かつ関係者とのやり取りや整理・記録が必要な業務であり、業務負担の大きさがうかがえます。
また、「工程管理」「安全書類・検査対応」なども一定数挙がっており、現場管理全体において複数の業務が負担となっている実態が見られました。
<<施工管理業務で負荷が高い作業>>

|
関係者との連絡・調整 |
17.4% |
|
日報・報告書作成 |
16.0% |
|
写真管理(整理・台帳作成含む) |
15.7% |
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工程管理 |
12.4% |
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安全書類・検査対応 |
10.8% |
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人員・協力会社の手配・調整 |
9.2% |
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原価・見積管理 |
8.5% |
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資材・機材の手配・管理 |
4.7% |
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書類の持ち運び・移動時間 |
1.9% |
|
その他 |
3.5% |
複数選択,n=426
◾️施工管理アプリの導入状況
導入率
施工管理アプリの導入状況については、「導入している」が136件(31.9%)、「導入していない」が290件(68.1%)という結果となりました。
未導入企業が約7割を占めており、施工管理アプリの活用はまだ一部にとどまっている状況です。

従業員規模別の導入状況
従業員規模別に導入状況を見ると、企業規模が大きいほど施工管理アプリの導入が進む傾向が見られました。

小規模企業では導入率が1割未満にとどまる一方で、大企業では約7割が導入。最大で60ptの開きとなり、企業規模による差が明確に表れた結果となりました。
企業規模が大きくなるほど、管理対象の現場数や関係者が増えるため、情報共有や業務管理の効率化ニーズが高まり、専用ツールの導入が進んでいると考えられます。
◾️導入企業の実態
導入後の課題
施工管理アプリを導入している企業においては、運用面でいくつかの課題が見られました。
主な課題としては、「現場への定着が進んでいない」「操作性に課題がある」「機能が多すぎて使いこなせない」などが挙げられています。
施工管理アプリは導入自体が目的ではなく、現場で継続的に活用されることが重要であるため、導入後の運用や定着に関する課題が一定数存在していることがうかがえます。

<<従業員規模別にみる導入後の課題>>

|
項目 |
小規模 |
中規模 |
大規模 |
|
操作性に課題がある |
21.1% |
43.1% |
29.8% |
|
現場への定着が進んでいない |
29.0% |
37.3% |
40.4% |
|
必要な機能が不足している |
15.8% |
7.8% |
14.9% |
|
機能が多すぎて使いこなせない |
26.3% |
31.4% |
38.3% |
|
費用対効果が見合わない |
18.4% |
15.7% |
17.0% |
|
他システムとの連携が不十分 |
18.4% |
15.7% |
31.9% |
|
サポート体制に不満がある |
7.9% |
7.8% |
14.9% |
|
特に不満はない |
13.2% |
7.8% |
8.5% |
|
その他 |
2.6% |
3.9% |
2.1% |
複数選択,n=136。本設問では、傾向を把握しやすくするため、従業員規模を「小規模(〜49人)」「中規模(50〜299人)」「大規模(300人以上)」の3区分に整理しています。
導入後の課題について、企業規模別に見ると、傾向の違いが見られました。
小規模企業では、「費用対効果」や「操作性」など、基本的な使いやすさや導入メリットに関する課題が見られます。
中規模企業では、「現場への定着」や「操作性」といった、実際の運用段階における課題が中心となっています。
一方で大企業では、「現場への定着」に加え、「他システムとの連携」や「機能が多すぎて使いこなせない」といった、より複雑な運用に起因する課題が見られました。
企業規模が大きくなるほど、利用人数や業務範囲の拡大に伴い、運用面での難易度が高まる傾向があると考えられます。
乗り換え・追加導入意向
施工管理アプリを導入している企業のうち、「乗り換えを検討している」「追加導入を検討している」と回答した企業は一定数存在しています。
一方で、「特に予定はない」とする回答も過半数を占めており、現状の運用を継続している企業も多い状況です。

乗り換え・追加導入を検討する理由
アプリ導入済みで乗り換えや追加導入を検討している企業(39件)に対して、乗り換え・追加導入を検討する理由を質問したところ、「操作性に課題がある」(46.2%)が最も多く挙げられました。
次いで、「他システムとの連携に課題がある」(28.2%)、「必要な機能が不足している」「機能が多すぎて使いこなせない」(いずれも25.6%)といった回答が続いています。
また、「現場への定着が進まない」(23.1%)や「費用対効果が見合わない」(18.0%)など、運用面や導入効果に関する課題も一定数見られました。
一方で、「サポート体制に不満がある」といった回答は見られず、主に操作性や機能、運用面に起因する理由が中心となっています。

◾️未導入企業の実態
未導入理由
施工管理アプリを導入していない企業に対し、その理由を尋ねたところ、「現場への定着に不安がある」「コストが高いと感じている」といった回答が上位に挙げられました。
また、「現在の運用(Excel・紙など)で十分だと感じている」という回答も一定数見られ、現状の業務フローに対する大きな不満がないケースも存在しています。
これらの結果から、施工管理アプリの未導入企業においては、導入後の運用・定着、費用対効果に対する懸念が主な障壁となっていることがうかがえます。

従業員規模別の未導入理由
未導入理由を企業規模別に見ると、傾向の違いが見られました。
小規模企業では、「現在の運用で十分」とする割合が比較的高く、現状維持の意識が強い傾向が見られます。また、「導入検討の担当者がいない」といった回答も一定数あり、体制面での課題も見られます。
中規模企業では、「コストが高い」「現場への定着に不安がある」といった、導入判断や運用面に関する課題が中心となっています。
一方で大企業では、「現場への定着に不安がある」とする割合が特に高く、導入そのものよりも、現場への浸透や運用面を重視した課題が顕在化しています。
企業規模によって、導入前に抱える課題の内容が異なることが分かります。
<<従業員規模別の未導入理由>>

|
項目 |
小規模 |
中規模 |
大規模 |
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現在の運用(Excel・紙など)で十分だと感じている |
28.6% |
20.0% |
30.5% |
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コストが高いと感じている |
32.1% |
44.7% |
29.4% |
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現場への定着に不安がある |
46.4% |
47.1% |
31.6% |
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情報収集中・比較検討中 |
10.7% |
16.5% |
8.5% |
|
IT投資に対する社内の優先度が低い |
17.9% |
29.4% |
19.2% |
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本社・親会社の方針で導入していない |
17.9% |
10.6% |
7.9% |
|
導入検討の担当者がいない |
14.3% |
21.2% |
27.1% |
|
検討したが、自社に合う製品がなかった |
0.0% |
4.7% |
5.1% |
|
その他 |
0.0% |
2.4% |
2.3% |
複数選択,n=290
今後の導入意向
未導入企業における今後1年以内の導入意向については、「検討中」が33.8%、「導入予定なし」が32.1%、「分からない」が31.7%と、回答がほぼ均等に分かれる結果となりました。
一方で、「導入予定あり」は少数にとどまっており、具体的な導入計画まで進んでいる企業は限定的であることが分かります。
この結果から、施工管理アプリに対する関心は一定程度存在するものの、導入判断に至るまでには時間を要している企業が多い状況がうかがえます。

導入有無によるデジタル化認識の違い
施工管理アプリの導入有無によって、デジタル化の進捗に対する認識には明確な差が見られました。
導入企業では、「4(進んでいる)」「5(十分に進んでいる)」と回答した割合が52.1%となり、半数以上がデジタル化の進展を実感。
一方、未導入企業では同割合は14.5%にとどまり、「3(中程度)」が57.5%と最多でした。
導入企業と未導入企業の間には約38ptの差があり、施工管理アプリの導入がデジタル化の実感に大きく影響していることがうかがえます。

◾️企業規模別にみる施工管理アプリ活用の傾向
本調査結果を企業規模の観点から整理すると、施工管理アプリの導入および活用状況には、企業規模ごとに異なる傾向が見られました。
小規模企業(〜49人)で見られる傾向
施工管理アプリの導入率は低く、「現在の運用で十分」とする回答が比較的多く見られました。
また、「導入検討の担当者がいない」といった回答も一定数あり、導入以前の体制や必要性の認識が課題となっている傾向が見られます。
中規模企業(50〜299人)で見られる傾向
導入は進みつつある一方で、「現場への定着」や「操作性」に関する課題が多く挙げられました。
実際の運用段階における定着や使いこなしが重要なテーマとなっている状況です。
大企業(300人以上)で見られる傾向
導入は進んでいるものの、「現場定着」に加え、「他システムとの連携」や「機能の複雑さ」による課題が見られました。
利用人数や業務範囲の拡大に伴い、運用面での難易度が高まる傾向が見られます。
◾️まとめ
本調査では、施工管理アプリの導入状況および活用実態について分析しました。
施工管理アプリの導入は企業規模が大きいほど進んでいる一方で、未導入企業では導入前の不安、導入企業では運用面での課題がそれぞれ存在しています。
また、これらの課題や状況は企業規模によって傾向が異なり、施工管理アプリの導入・活用は一様ではないことが明らかとなりました。
さらに、導入企業ほどデジタル化の進展を実感している傾向が見られる一方で、「現場定着」や「操作性」といった運用面の課題は共通して存在しています。
これらの結果から、施工管理アプリの活用においては、導入そのものに加えて、現場での定着や運用設計が重要な要素となっていることが示唆されます。
調査概要
調査名称:施工管理アプリの導入・活用実態に関する調査
調査内容:建設業従事者を対象に、施工管理アプリの導入率、企業規模別の導入傾向、未導入理由、導入後の課題、今後の導入意向を調査
調査方法:インターネット調査
調査主体:現場TECH(合同会社ソウルグッド)
調査時期:2026年3月
調査対象:建設業従事者
有効回答数:426件
※本調査データを引用する際は、引用元の明記をお願いいたします。
例:
「施工管理アプリの導入・活用実態に関する調査」(現場TECH https://kensetsu.gemba-tech.jp/)
「施工管理アプリの導入実態調査2026|導入率は31.9%・企業規模別の差・導入後の課題」
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