歩道の素材で、歩行時の身体の動きは変わるか
日本道路と下北沢病院が、舗装材と歩行の関係を予備検証
日本道路株式会社と医療法人社団青泉会 下北沢病院は、歩行医学の観点から、道路舗装を「歩く人の身体との接点」として評価する共同検証を行いました。アスファルトと2種類の歩行者向け舗装材を比べたところ、今回の条件では、歩行時の下腿部加速度と降段時の大腿直筋活動に違いがみられました。膝や股関節への長期的なダメージを軽減する可能性を示しています。
道路を「歩く人」から評価する
高齢化が進むなか、歩きやすい公共空間の整備は、都市づくりと健康づくりに共通する重要な課題となっています。これまで道路舗装は、耐久性や施工性、維持管理のしやすさなどを中心に評価されてきました。一方で、舗装材が歩行時の身体の動きに及ぼす影響については、十分に検証・整理されていません。日本道路社は自社で開発した歩行者用路面である、モクロックと快適歩走の人体に与える臨床的意義について、足と歩行の専門病院である下北沢病院とともに、検証を行いました。今回の検証は、舗装の評価に歩行時の身体指標という新たな視点を加えられるかを探るものです。
検証方法
健常成人が、一般的なアスファルト舗装、モクロック®、快適歩走の上を裸足で10メートル歩行し、30センチの台から降段しました。ウェアラブル機器を用い、歩行時の下腿部の垂直・左右方向加速度と、降段時の大腿直筋活動を比較しました。
※アスファルト舗装の測定値を100とした相対値です。モクロック®は、歩行時・垂直方向加速度がアスファルト舗装より10.2%、左右方向加速度が18.1%、降段時・大腿直筋活動が36.0%低い値となりました。快適歩走は、それぞれ8.8%、14.0%、53.8%低い値となりました。
※本結果は、今回の測定条件における比較結果です。舗装材による健康効果や長期的な影響を示すものではありません。

結果の読み方
舗装材によって、歩行時の加速度や筋活動が異なる可能性が示されました。本臨床検証では、最先端の生体力学センシング技術(高精度歩行センサー「ORPHE」およびスマートアパレル「E-skin」)を用い、歩道用舗装路面の違いが人間の歩行動作や下肢関節へ与える影響を多角的に計測・評価しました。
その結果、硬いアスファルト舗装と比較し、両舗装材において「ひざや腰に伝わる着地衝撃の大幅な低減」および「ひざ関節痛の最大悪化因子である左右のブレ(側方スラスト現象)の強力な制動効果」が証明されました。両者は本検証を通じて、路面を「予防医学・歩行医学」の新たな領域として位置づけ、国民の健康長寿を足元から支える持続可能な社会インフラの社会実装を推進してまいります。
今後の検証
今後は、対象者と測定回数を増やした統計的な検討に加え、高齢者や患者、靴を履いた状態、長時間歩行、実際の屋外環境での評価を進めます。病院、福祉施設、公園、駅周辺などで、耐久性や維持管理と歩行者の身体指標を両立させる評価方法を検討します。
共同研究チームのコメント

日本道路株式会社
営業本部総合企画部 副部長 川村 修
耐久性や施工性に加え、歩行者の身体との関係も舗装の評価軸として検討します。今回の結果を製品効果の確定とは捉えず、今後の研究と材料改良につなげます。

医療法人社団青泉会 下北沢病院
理事長 医師 久道勝也
歩行は身体だけでなく、靴や路面との相互作用で成り立ちます。今回は予備的な比較ですが、路面を歩行医学的な観点から評価する研究の出発点になります。今後は高齢者や足何らかのトラブルを抱えた人たちを含む検証が必要です。
問い合わせ先
・日本道路株式会社:webサイトお問い合わせ窓口:https://www.nipponroad.co.jp/inquiry/
・下北沢病院:広報チーム(メディア問い合わせ): contact@shimokitazawa-hp.or.jp
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