総勢1417首の応募、745ペアがマッチング!『ヒュー!日向 マッチング短歌2023』受賞作決定!
「ベストカップル賞」「市民とマッチ賞」「モテ賞」を発表。受賞者はマッチング相手と2/10(土)交流会で初対面!
国民的歌人・若山牧水の生まれ故郷である宮崎県日向市は、日本ならではの文化である“短歌”と日向の魅力を広い世代に伝える「ヒュー!日向 ヒュー!短歌」プロモーションを行っております。本年、短歌(和歌)が古来「出会いの手段」であったことに着目し、友達・パートナーと出会う短歌のマッチングサービス『ヒュー!日向 マッチング短歌2023』をリリースし、合計1417首の短歌・返歌投稿による応募作から、745ペアがマッチング。マッチングしたペアの中から厳正な審査の結果、計12ペアの受賞作を決定しました。
■キャンペーン概要
日向市は、戦前に活躍した国民的歌人・若山牧水が生まれ育った地であり、「牧水・短歌甲子園」を毎年開催するなど、若者たちにも「短歌」の文化が受け継がれている街です。海、山、川といった豊かな大自然に恵まれ、思わずヒュー!と一首詠みたくなるような景色や体験にあふれた場所でもあります。
昨年度のご好評を受け、本年度も短歌をテーマとした観光来訪キャンペーンとして『ヒュー!日向 マッチング短歌2023』をリリース。特設サイトで、性別・年齢などを問わず、友達・パートナーとのマッチングを希望する方から短歌を募集しました。掲載された短歌に対して、返事である「返歌」が詠まれるとマッチング成立。今回受賞者として選出された方の中から、「ベストカップル賞(特選・準特選)」「市民とマッチ賞」「モテ賞」を受賞された10名様を2月10日(土)〜11日(日)に日向市にて開催する『マッチング短歌 交流会』にご招待。その場で初めてのご対面を予定しております。
▼受賞作品について
■ベストカップル賞:短歌・返歌ともに市外から応募によるマッチングの中から選出
●特選
「ん」じゃなくて「おやすみ」で終わるしりとりをずっと続けて生きていこうね
「おやすみ」に「みらい」で続けあてのない旅路のような家族になろう
●準特選
少し手を伸ばせば掴める距離にいる わたし光だと思うよ、きみの
手を伸ばすそのぶんだけの未来まであなたはきっと照らしてくれる
さびしさのかたち あなたはもういない犬を抱えるようにねむって
さびしがって泣いて笑って笑わせて眠りにつくとき誰もがひとり
●佳作
まだ誰に会いたいわけではないぼくの会いたい人になってください
今、きみが私の会いたい人だけど お友だちからお願いします
平安で贈れずにいたこの歌が令和できみに会えますように
令和まで届けてくれたこの歌の平安のきみに想い馳せる
遠くまでもしも一緒に行けたなら近づくこともあるのだろうか
ねじれてる直線はいつか出会うだろう 短歌と返歌が出逢うみたいに
人ひとり愛せないまますぎていく愛がなんだか曖昧のまま
八十億の愛がおそらく満ちていてまあだいたいで照らし合ってる
花束に顔をうずめて今からは私があなたの春の季語だよ
その花が枯れても僕のそばにいてすべての季節の季語になってね
■市民とマッチ賞:日向市民の短歌と、市外からの返歌によるマッチングの中から選出
御予約の電話を受けて言われる言葉あなた地元の人ではないですね
すこしずつ日向のことをしりながら地元のふたりになりたいんです
不安げな初めましてが語るほど笑顔いっぱい楽しいひととき
笑ったらあなたも笑ってくれたからロックアイスが溶けきっていた
へべすかけ焼いたサンマが踊りだすもう一杯とおかわりせがむ
止まらないへべすとサンマのマリアージュそれなら僕は日向とマリアージュ
■モテ賞:投稿されたうち最も返歌を集めた短歌と、その中で最もマッチしていると評価された返歌を選出
あたためてくださいそしてあたためたことをおぼえておいてください
あたためるために燃やした花束のにおいはずっと残るのでしょう
▼アドバイザリーによる講評
●枡野浩一さんより
短歌をつくり慣れてくると、不意に「ん」からスタートする一首に挑戦したくなったりする。それはもう作者の独創というよりは、「短歌という形式によって自動的に書かされてしまった何か」なのではないかと思う時もある。今回「特選」に選んだ一首は、「ん」からスタートする必然性がある短歌。かつ、しりとりという皆が知っている遊びをとりいれているため、返歌をつくる作者にも優しかった。ある意味「マッチング短歌という形式によって書かされてしまった何か」である可能性もあるけれども、たのしさが明確にあった。たのしさがあったかどうか、というのが全体を通じて選ぶ際の基準だった気もします。たのしい歌、どうもありがとうございました。
●天野慶さんより
まず、ベストカップル賞のペア。
「ロミオとジュリエット」に「朝が来るまでおやすみを言い続けていたい」という、恋人たちが別れを惜しむ甘いセリフがあります。
繰り返される「おやすみ」よりも、<「おやすみ」で終わるしりとり>はさらにスイートです。
「しりとり」という素朴な遊びを一緒にし続けてくれる。
そして、眠りに落ちる瞬間まで隣にいてくれる。
そんな優しい誰かを求める声とマッチングしたのは、さらにもう一歩踏み出そうと呼びかける歌です。
「おやすみ」と眠った顔を見ながらささやく「みらい」の尊さ。
ぜひ日向で、マッチングしたおふたりの姿を並んで見てみたい、そう強く思ったペアです。
その他のペアも、今年はすんなりと「あ、この歌にはこれしかない!」と決まりました。
対になるべき歌が、より強く結びついていて、すべてのペアを並べたとき、とても壮観でした!
そんな歌の作者のみなさんが、日向でどんな「はじめまして」をされるのか、今、とてもわくわくしています。
準特選について。
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少し手を伸ばせば掴める距離にいる わたし光だと思うよ、きみの
手を伸ばすそのぶんだけの未来まであなたはきっと照らしてくれる
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マッチング短歌は、「知らない誰かとマッチするための歌」です。
(私はこんな人です、どうぞよろしく。あなたに会いたいです。)という気持ちを、どんな風に31音に込めるか。
「わたし」は具体的なことは何も言っていません。好きな食べ物も、イヌ派かネコ派かも。
でも、<光だと思うよ、きみの>と言われた瞬間に、何もわからない「わたし」がキラキラ輝いて、「光に会ってみたい!」と思わせてくれます。
<手を伸ばせば>にしっかりと手を握るように<手を伸ばす>と答える。そして、ただ光っていたわたしの光量を上げて、未来までも輝かせてくれる返歌。
たくさんの投稿された歌のなかで、このペアの歌は眩しく光っているようでした。
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さびしさのかたち あなたはもういない犬を抱えるようにねむって
さびしがって泣いて笑って笑わせて眠りにつくとき誰もがひとり
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<もういない犬>と眠るあなたを<さびしさのかたち>と見ている眼差しに答えるのは、そのさびしさを受け入れてくれる歌です。
優しさに微笑んでしまう上の句に続くのは、冷静に「ひとり」を見つめる眼差しです。
<誰もがひとり>であることを知っているからこそ、<もういない犬>を見てしまう心とマッチングできるのですね。
▼『マッチング短歌 交流会』概要
『ヒュー!日向 マッチング短歌2023』でマッチした方々の中から10名様を2024年2月10日(土)に日向市で開催する『マッチング短歌 交流会』および2月11日(日)『日向スペシャル体験ツアー』にご招待します。匿名でマッチする皆様にとっての初めてのご対面の場となります。交流会では、日向市についての短歌を詠んでいただいたり、日向市の特産物を召し上がっていただいたり、ゲストと短歌を語るなどで、おもてなしいたします。
【ゲスト(予定)】
歌人・枡野浩一さん、天野慶さん
※不参加・もしくはオンライン参加になる可能性がございます。
【開催日(予定)】
2024年2月10日(土)〜2月11日(日)
【開催場所】
若山牧水記念文学館(宮崎県日向市東郷町坪谷1271番地)他、日向市内の各地
▼『マッチング短歌』アドバイザリーについて
枡野浩一(ますの・こういち)さん
1968年東京うまれ。歌人。1997年『てのりくじら』『ドレミふぁんくしょんドロップ』を2冊同時発売して歌人デビュー。代表作は複数の高校国語教科書に掲載された。短歌青春小説『ショートソング』は約10万部のヒットとなり、漫画化もされ、若い世代の短歌ブームを牽引。デビュー25周年の2022年『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』刊行。「フリースタイル」「NHK短歌」「共同通信」にてコラムを連載中。近刊はpha・佐藤文香との共著アンソロジー『おやすみ短歌 三人がえらんで書いた安眠へさそってくれる百人一首』。
天野慶(あまの・けい)さん
歌人。「ラジオ深夜便」出演や「NHK短歌」テキスト連載、小中学生向けワークショップの他、『ちはやふる』(末次由紀/講談社)93首目・95首目に短歌を提供するなど、 様々なメディアで短歌の魅力を伝えている。近刊に『見て楽しむことば図鑑』(共著・みっけ/幻冬舎)
▼日向市について
日向市は、宮崎県の北部に位置し、温暖な気候と美しい山々によって育まれた「森林文化」と、「日向灘」の恵みを被った「黒潮文化」が溶け合う魅力的なまちです。日豊海岸国定公園の南端に位置する海岸線は、変化にとんだリアス式の海と白砂青松の美しい砂浜が続き、なかでも、「日本の渚100選」にも選ばれた「お倉ヶ浜」は、温暖で上質かつ安定した波が年間を通して楽しめることから、全国各地から多くのサーファーが訪れ、毎年のようにプロ・アマのサーフィン大会が開催されています。
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