サン工業、摩耗に強い「超高硬度クロムめっき」量産設備を6月より稼働開始

ー 従来の2倍の硬度、5倍の耐摩耗性で、EV・半導体装置寿命を劇的に延長 ー

サン工業 株式会社

めっき技術のサン工業株式会社(本社:長野県伊那市、代表取締役社長:川上健夫)は、自動車のEV化や半導体製造装置の進化に伴う部品の高精度・高耐久性ニーズに応えるため、「摩耗に強い超高硬度クロムめっき」の大型量産設備を導入し、本日2026年6月18日より本格稼働を開始します。
本設備により、従来の硬質クロムめっきの約2倍の硬度と約5倍の耐摩耗性を持つ超高硬度クロムめっきを、最大長さ700~800mmの精密加工装置部品へ適用、量産可能となりました。なお、本設備は将来的な拡張性を見据えた設計となっており、今後は最大長さ2,500mmの大型長尺ロールへの対応も順次開始する計画です 。

図1 新たに導入された超高硬度クロムめっき槽

 新技術導入の背景:EV・半導体産業の進化と持続可能な社会への要請

近年、電気自動車(EV)の普及、半導体技術の飛躍的な進化、そしてそれらを支える精密加工装置の需要は、かつてない速度で拡大しています。これに伴い、関連部品には超高精度かつ極めて高い耐久性が求められるようになりました。特に、リチウムイオン電池の電極製造用ロール、精密フィルム延伸ロール、半導体ウェハー製造装置の部品などは、わずかな摩耗でも製品品質や生産効率に重大な影響を及ぼし、頻繁なメンテナンスや交換が避けられない状況でした。

従来の硬質クロムめっきは部品の耐摩耗性向上に貢献してきましたが、これらの最先端産業における高精度化・高稼働率要求には、さらなる技術的ブレイクスルーが不可欠です。
また、世界中でSDGsへの意識が高まり、「使い捨て」からの脱却と、製品の「長寿命化」による資源の有効活用、環境負荷低減は、製造業に課せられた課題であります。サン工業は、こうした産業界の課題と社会的要請に応えるため、従来のめっき技術を凌駕する「摩耗に強い超高硬度クロムめっき」を開発。このたび、その技術を大型製品へ適用するための量産設備を導入し、新たな価値を提供してまいります。

図2 超高硬度クロムめっきの適用例1(ドリル刃)
図3 超高硬度クロムめっきの適用例2(ロール)

「超高硬度クロムめっき」の特長

  • 湿式めっきの新境地を開く異次元の硬度と耐摩耗性:

    従来の硬質クロムめっきのビッカース硬度はHv800~1000程度です。超高硬度クロムめっきは400℃の熱処理により、硬質クロムめっきの約2倍となるビッカース硬度Hv1,800、ロックウェル硬度C HRC79を実現。湿式めっきとしては類を見ない硬さでキズがつきにくい表面です。

    さらに超高硬度クロムめっきは硬質クロムめっきに比べ摩擦係数が低減されており、耐摩耗性が約5倍に向上。リチウムイオン電池加工用ロールやフィルム用延伸ロールなど、摩耗による加工精度劣化が課題となる機械部品のメンテナンス頻度を大幅に低減し、装置の稼働率向上に貢献します。

  • 熱処理温度を上げるとさらに硬くなる被膜:

    硬質クロムめっきは熱処理温度を上げると軟化しますが、超高硬度クロムめっきは熱処理温度をあげるとさらに硬化がすすみ、600℃の熱処理でHv2,100に達します。硬度と耐熱性が必要とされる幅広い産業分野での応用が可能です。

  • 高い耐食性、耐薬品性:

    高耐食性で知られている高リン無電解ニッケルめっき以上に錆びないめっきであり、さらに硫酸、アンモニア、水酸化ナトリウムなど各種薬品に対して耐薬品性を示します。

  •  クラックフリーの被膜:

    3μm以下の膜厚では、従来の硬質クロムで課題となっていたクラックを発生させません。離型性に優れており、金型の表面処理としても活用されています。

   図4 超高硬度クロムめっき被膜硬度の熱処理温度依存性

量産設備稼働開始による効果

  • 大型・長尺製品への対応拡大:

    今回の設備導入により長さ最大700mm(アルミニウム素材では800mm)までの各種形状の製品へのめっき処理が可能となりました。

    対応可能サイズ(鉄素材):450mm(幅)×450mm(高さ)×700mm(長さ)

    対応可能サイズ(ステンレス鋼素材):300mm(幅)×450mm(高さ)×700mm(長さ)

    対応可能サイズ(アルミニウム素材):300mm(幅)×450mm(高さ)×800mm(長さ)

    超高硬度クロムのめっき槽は十分な大きさを確保しているため、今後の設備導入により

    長さ最大2,500mmまでの長尺ロールや特殊形状部品へのめっき処理が可能となる予定です。

  • コスト優位性と少量多品種生産対応:

    大型の真空チャンバーが不要なウエットプロセス(湿式めっき)であるため、特に大型品において高いコスト優位性が発揮されます。

    様々な異形状部品の少量多品種生産にも柔軟に対応し、試作から量産までサポートいたします。

  • 試作対応開始:

    本日より、試作対応を承ります。詳細については、弊社ホームページよりお問い合わせください。

    URL:https://www.sun-kk.co.jp/

今後の展望:長寿命化技術で「持続可能な社会」と「産業の発展」に貢献

部品を『使い捨てる』から『長寿命化して使い続ける』という循環型社会の実現を目指し、「超高硬度クロムめっき」を開発しました。今回の大型めっき槽の導入は、これまで対応が難しかった大型製品や、より多くの産業分野への貢献を可能とします。今後もあくなき技術革新と積極的な設備投資を継続し、産業の基盤を支える表面処理技術のさらなる高度化に邁進してまいります。

【サン工業株式会社について】

1949年の創業以来、半導体、自動車、産業機械分野に不可欠な表面処理技術を開発・提供。20種類以上のめっきに対応する40ラインのめっき設備と、ISO 9001・IATF 16949認証を有する高品質、文部科学大臣表彰科学技術賞、厚生労働大臣賞などを受賞した高い技術力で、日本のモノづくりを支えています。

本社所在地:長野県伊那市西箕輪大芝原2148-186

設立:1949年

代表者:代表取締役社長 川上健夫

資本金:9,000万円

事業内容:半導体機器、自動車部品、産業機械へのめっき、パッシベーション等の

表面処理技術の開発・提供。

公式サイト: https://www.sun-kk.co.jp/

【本件に関するお問い合わせ先】

 サン工業株式会社

  営業課 河合陽賢

  TEL:0265-78-4190

  Email:a.kawai@sun-kk.co.jp

  経営企画課 樫尾直子

  TEL:0265-98-7940

  Email:n.kashio@sun-kk.co.jp

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会社概要

サン工業 株式会社

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URL
https://www.sun-kk.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
長野県伊那市西箕輪2148-186
電話番号
0265-78-4190
代表者名
川上 健夫
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1949年10月