【腎臓病・糖尿病に関わる当事者を対象とした調査の結果】仕事や学業の治療との両立、社会生活の中での悩みや困りごとなど
「みんなでつくろう、これからの医療 with Kidneyプロジェクト」の一環としての仕事や学業などの社会生活の実態調査
厚⽣労働省「国⺠⽣活基礎調査」によると、何らかの疾患で通院している方の割合は年々増加し、日本の労働人口の約3人に1人は働きながら通院しています。
病気になっても安心して暮らせる社会は、病気をもつ当事者のみならず、社会全体で取り組んでこそ実現可能です。
当事者の生の「こえ」に耳を傾け理解を深める必要性から、腎臓病や糖尿病をもちながら社会生活を送る方々の悩み、困りごと、相談できる人はいるのか、などの実態調査を実施しましたのでお知らせいたします。
■アンケート内容
Q1:腎臓病・糖尿病が分かった時点の職業などの属性
Q2:腎臓病・糖尿病と診断されてから、治療と仕事や学業の両立の悩みの有無
Q2-2:治療と仕事や学業の両立での具体的な悩み
Q2-3:治療と仕事や学業の両立での悩みを相談する相手の有無
治療と仕事や学業の両立に関するアドバイスで印象に残ったもの
Q4:腎臓病・糖尿病が分かってからの変化の有無
Q4-2:腎臓病・糖尿病が分かってからの具体的な変化
Q5:社会生活での困りごと
■アンケート結果要約
1)腎臓病・糖尿病が分かった時点の属性は約7割が就労中でした。
2)8割近くの方が治療と仕事や学業の両立の悩みを抱えていましたが、そのうち半数近くの悩みを抱え相談先を求めている方に相談相手がいませんでした。
3)腎臓病・糖尿病が分かったことにより、6割以上の方に社会生活において何らかの変化がありました。就労中の方は、自ら申し出て仕事の負担を減らした場合と、配置転換を余儀なくされた場合のどちらも見られました。
4)社会生活においての悩みは、体調・病状などに関して周囲の理解を得られない、その上での人付き合いの難しさ、それまでできていたことができなくなった、などが寄せられました。
これらのことから、周囲の理解を得ることは、病気をもって社会生活を送る上で非常に重要なテーマだと再確認できる調査となりました。
■調査概要
調査方法|ウェブアンケート
調査対象|腎臓病・透析をしている方、糖尿病(アルブミン尿やeGFR値が気になる)の方、腎臓移植経験者
調査期間|2024年3月1日(金)~5月9日(木)
有効回答数|108名
▼本調査結果の詳細はこちら
URL|https://www.jinlab.jp/withkidney/survey/survey10_202403.html
この調査結果と同時に、
第9回調査「腎臓病や糖尿病の方の日々の健康チェック記録」も公開しました。
ぜひ併せてご覧ください。
URL|https://www.jinlab.jp/withkidney/survey/survey9_202402.html
■これまでの調査
対象 |
テーマ |
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第1回 |
当事者 |
腎臓病が分かったばかりの頃に一番知りたかったこと |
第2回 |
当事者 |
腎臓病が分かったときの状況やあなたの気持ち |
第3回 |
医療者 |
腎臓病と診断されたばかり(透析未導入)の患者さんに、 |
第4回 |
当事者 |
社会保障に関するあなたの意識 |
第5回 |
当事者 |
「食べること」について |
第6回 |
当事者 |
こころの健康について |
第7回 |
当事者 |
運動への意識や運動習慣について |
第8回 |
当事者 医療者 |
腎臓病や糖尿病の外来診療について |
第9回 |
当事者 |
腎臓病や糖尿病の方の日々の健康チェック記録 |
第10回 |
当事者 |
腎臓病や糖尿病の方の仕事や学業などの社会生活について |
第11回 |
当事者 |
腎臓病や糖尿病の方の薬局とのおつきあい実態調査 |
第12回 |
当事者 |
腎臓病や糖尿病の方のお金に関する実態調査 |
■現在実施中の調査
第13回「慢性腎臓病(CKD)の理解度調査」概要
調査期間|2024年8月30日(金)12時00分 ~ 10月31日(木)23時59分
調査対象|腎臓病・透析をしている方、糖尿病(アルブミン尿やeGFR値が気になる)の方、腎臓移植経験者/腎臓病・透析、糖尿病に関わる当事者のご家族の方、腎臓の健康が気になる方
調査方法|ウェブアンケート
所要時間|10~15分
調査機関|一般社団法人ピーペック
URL|https://www.jinlab.jp/withkidney/survey/wk_survey.html
with Kidneyプロジェクトの背景
■新たな国民病、慢性腎臓病(CKD)と向き合うために
腎臓は大量の血液をろ過したり、尿を作ることで老廃物を排泄し、体内のバランスを調整する大切な臓器です。慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の機能が徐々に低下していく、さまざまな腎臓病の総称です。CKDは2002年に国際的に定義された概念で、世界的に普及・啓発されています。
日本では成人の5人に1人がCKDと推算され新たな国民病とも言われていますが、ほとんど自覚症状がないために放置してしまったり、受診を中断してしまう方が多い現状にあります。
CKDが進行すると末期腎不全となり、透析や腎臓移植が必要になります。さらに進行に伴い心筋梗塞や心不全および脳卒中などの心血管疾患になりやすくなることが分かっており、早期発見・早期治療の大切さが積極的に周知されています。
■「みんなでつくろう、これからの医療 with Kidneyプロジェクト」について
「じんラボ」の10周年企画「with Kidneyプロジェクト」は、CKDの当事者をはじめとしてライフサイエンス企業や医療者などの腎臓病に関わる方々が協働し、腎臓病とのつきあい方のしくみづくりのために立ち上げたプロジェクトです。CKDの早期発見・早期治療の大切さはもちろんのこと、自己管理および治療の継続が進行抑制・重症化予防につながる点に着目し、療養生活に寄り添った提案を行います。
URL| https://www.jinlab.jp/withkidney/aboutwk.html
■「患者と医療者がつくった腎臓病とのつきあい方ガイド」について
医療のデジタル化が進み、エンドユーザーに向けた健康管理アプリなどが一般化する中においても、高齢の方などが自己管理に取り組むにはハードルが高い状況にあります。
当プロジェクトが提案する「患者と医療者がつくった腎臓病とのつきあい方ガイド」は、CKDの治療と生活に関わる資料や情報をすべてマネージメントするための、カスタマイズして長期にわたって使える管理のしくみです。
指導のプリントなど医療機関から渡される資料は未だに紙が多く、それらを入力などの手間なくまとめておける敷居が低い方法、紙媒体を一箇所にまとめる「1冊のファイルでの資料整理から簡単に始めるCKDの管理」が、発想の原点です。
URL| https://www.jinlab.jp/withkidney/sheets/
サービス概要
■じんラボについて
2013年4月にオープンした、腎臓病に関わるすべての方の幸せのためのウェブサービス。病気をよく知り(自覚)、病気と向き合い(自立)、自分が抱える悩みや問題をしっかりと直視するために、共感し互いに支え合う仲間とともに体も心もより豊かに過ごすための情報を発信しています。
【じんラボ所長 宿野部武志からのメッセージ】
私は3歳のとき腎臓病に罹りました。そして18歳から現在まで37年以上透析をしています。私は腎臓病の辛さ、苦しさを知っています。だからこそ私は一人でも多くの腎臓病患者を救いたい! と心から本気で思っています。腎臓病で悩み苦しむ方を一人でも減らしたいと。
自身の体験と想いから生まれたのが「じんラボ」です。腎臓がちょっと気がかりの方、検査で指摘を受けられた方など多くの方にとって、悩みや辛さを減らす一助になれば本当に嬉しいです。
■法人概要
法人名|一般社団法人ピーペック
所在地|〒157-0062 東京都世田谷区南烏山 6-33-1 サンライズプラザ 501
代表理事|宿野部武志
設立|2019年1月
事業内容|メディア運営事業、イベント企画運営事業、団体運営支援事業、当事者のこえ活用事業、就労支援/継続支援事業、政策提言/調査研究事業など
ウェブサイト| https://ppecc.jp/company/
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- 調査レポート
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