オキサイド、量子コンピュータ用高出力レーザの開発・製造に向けVexlum社と戦略的パートナーシップ契約を締結

株式会社オキサイド

株式会社オキサイド(本社:山梨県北杜市武川町牧原1747番地1、代表取締役社長 山本正幸)は、先端半導体レーザの製造メーカであるフィンランドのVexlum Oy(本社:フィンランド・タンペレ市、CEO Jussi-Pekka Penttinen、以下「Vexlum社」)と、量子コンピュータ向けレーザの開発・製造に関する戦略的パートナーシップの基本合意書を締結しました。

本パートナーシップにより、Vexlum社独自の最新技術である垂直外部共振器型面発光レーザ(VECSEL)技術と当社の波長変換技術を統合します。この技術シナジーにより、従来、ボトルネックとなっていた、サイズ、出力、対応波長の制約を克服する新しい量子コンピュータ用レーザの創出が可能となります。すでに販売を開始している量子コンピュータ用302 nmレーザ光源は、Vexlum社の高性能な基本波レーザと、当社の波長変換モジュールを組み合わせた製品であり、他社では実現が困難な高出力かつ高い安定性を達成しています。

量子コンピュータでは原子種や操作内容に応じて多様な波長のレーザが必要とされます。当社は、Vexlum社との協業を通じて、さらなる高出力化および対応波長領域の拡大を進め、量子コンピュータ向けレーザ製品のラインナップ拡充を図ります。

なお、両社は、2026年3月15日から20日まで米国デンバーで開催される「American Physical Society Global Summit 2026」において、本協業による最新技術および製品を展示します。

1. Vexlum社について

Vexlum社は、革新的な垂直外部共振器型面発光レーザ(VECSEL)技術(注1)に基づく高出力半導体レーザシステムを専門とするディープテック企業であり、フィンランド・タンペレ大学発のスタートアップとして2017年に創業しました。同社は、量子技術、医療、科学研究、半導体産業など、高い性能が求められる分野において、システムサイズ、レーザ出力、コストの面で競争力のある最先端レーザを開発・製造しています。特に、量子コンピュータ用途で必要とされる可視光領域(注2)を中心とした単一周波数、狭線幅、高出力を実現するレーザ技術を強みとしています。

2. オキサイドとVexlum社との協業による量子技術分野での事業展開

当社はこれまで、半導体前工程におけるウエハ欠陥検査装置向け深紫外レーザの開発・量産を通じて、高出力・高安定性・高信頼性が求められる分野で技術基盤を培ってきました。この深紫外レーザ技術の中核である波長変換技術に、Vexlum社の可視光領域における高機能基本波レーザ技術を組み合わせることで、量子コンピュータ用途に最適化されたレーザ光源を実現します。

すでに販売を開始している302 nmレーザ光源は、Vexlum社の可視光領域の基本波レーザ(注3)と、当社の波長変換技術を融合した成果であり、302 nm紫外領域(注2)において、他社では達成が難しい高いレーザ出力を実現しています。これにより、量子コンピュータ用途で求められる厳しい性能要件に対応します。

中性原子型量子コンピュータ(注4)では、原子をRydberg状態(注5)へ励起するレーザが量子演算において重要な役割を担います。両社で製品化した302 nmレーザ光源は、このRydberg状態生成に用いられるレーザの一つとして、量子コンピュータの研究開発段階から実装フェーズに至るまでを支えていきます。

3. 今後の展望

当社はVexlum社との協業を通じて、量子コンピュータ用途に求められるレーザのさらなる高出力化を進めるとともに、波長変換領域の拡大による製品ラインナップの拡充を図ります。量子コンピュータでは、原子種や操作内容により必要とされるレーザ波長が多岐にわたるため、302 nmに加えて、量子分野で求められる多様な波長のレーザを順次製品化し、用途に応じた最適なソリューションを提供していきます。

また、量子技術の社会実装が進展する中で、レーザ光源には性能のみならず、長期にわたり安定的に供給可能な体制が不可欠となります。当社は、本協業を軸に量子分野におけるサプライチェーンを強化し、高品質なレーザ光源を継続的に提供することで、量子コンピュータの社会実装に貢献してまいります。

4. Vexlum社 CEO兼共同創業者Jussi-Pekka Penttinen氏のコメント

「VexlumのVECSELチップとオキサイド社の卓越した結晶技術を組み合わせることで、量子および半導体分野を妨げてきたスケーリングのボトルネックを解消します。当社のVXLレーザ(注6)を基本波として用いたオキサイド社の302 nmレーザは、過去数か月にわたる性能評価において、紫外領域での安定した高出力を実現しています。最先端のVECSEL製造者として、これらのレーザシステムが紫外領域で比類なき性能を発揮できるようにするための重要な可視光レーザ技術を提供しています。」

 (注1)垂直外部共振器型面発光レーザ(Vertical-External-Cavity Surface-Emitting Laser:VECSEL)とは、半導体レーザを光の源にしながら、レーザ外部に共振器を設ける方式です。高出力と高いビーム品質を両立しやすく、狭線幅・単一周波数などの特性も得やすいことが特長です。

(注2)可視光領域/紫外領域とは、光の波長域を指します。可視光領域とは、人の目で見ることができる光の波長域を指し、一般に約 380~780 nm 程度の範囲をいいます。紫外領域とは、可視光より短波長側の光の波長域を指し、一般に 約300~400 nm 程度の範囲をいいます。なお、当社の半導体事業の主力製品266 nmレーザは、さらに短波長の深紫外域に分類されます。

(注3)基本波レーザとは、波長変換を行う前の「元となる波長のレーザ光」を指します。波長変換では、この基本波を非線形光学結晶等に入力し、目的の波長を生成します。

(注4)中性原子型量子コンピュータとは、電荷を持たない中性原子を量子ビットとして用い、レーザ光による冷却・捕捉・制御を行う量子コンピュータ方式です。原子を光学トラップなどで配列し、レーザにより量子状態を操作します。

(注5)Rydberg状態(リュードベリ状態)とは、原子が非常に高いエネルギー準位に励起された状態を指します。この状態の原子は、原子核から電子が遠く離れており、原子同士が強く相互作用する性質を持つため、量子ゲート操作などに利用されます。

(注6)VXLレーザとは、Vexlum社が展開するレーザ製品です。

■株式会社オキサイドについて

当社は、国立研究開発法人物質・材料研究機構発のベンチャー企業として2000年に設立。山梨県北杜市に本社と工場、神奈川県横浜市保土ヶ谷区に事業所があります。

創業以来、当社は単結晶・レーザのグローバルニッチトップカンパニーを目指し、「研究成果を社会に還元し、キーマテリアルを世界に向けて発信する」、「顧客へマテリアルソリューションを提供し、社会の発展に貢献する」、「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」という経営理念の下、単結晶から光学分野のバリューチェーンに沿って、常に単結晶開発や光学分野での技術で強みを生かせる事業に注力してまいりました。

主力は、21世紀の光の時代に必要不可欠な単結晶・光部品・レーザ光源・光計測装置の開発・製造・販売で、「新領域」、「半導体」、「ヘルスケア」の3つの事業を展開しています。

2014年には経済産業省の「グローバルニッチトップ100選」に選定、2021年2月にはForbes Japan主催の「スモール・ジャイアンツアワード2021」のグランプリを受賞しました。

当社の特徴は、(1)単結晶・光学関連の専門家・技術者が多数在籍し、研究開発型の事業会社として成長している、(2)国内外の企業から光学関連技術を買収し製品化・事業化するノウハウを有しているーことであり、これらが独創性や競争優位性の源泉となっております。

本件に関する問い合わせ先

株式会社オキサイド IR担当

ir@opt-oxide.com

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会社概要

株式会社オキサイド

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URL
https://www.opt-oxide.com/
業種
電気・ガス業
本社所在地
山梨県北杜市武川町牧原1747番地1
電話番号
0551-26-0022
代表者名
山本 正幸
上場
東証グロース
資本金
33億700万円
設立
2000年10月