AZUL Energy、東北大学 藪研究室との合同チームが脱炭素特化の懸賞型研究開発事業「TOKYO PRIZE Carbon Reduction」に入賞
青色顔料を用いたレアメタルフリー「AZUL触媒」を活用したCO₂の有効利用技術(CCU)の推進
東北大学発スタートアップAZUL Energy株式会社(アジュールエナジー、本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:伊藤 晃寿、以下「AZUL Energy」)と、国立大学法人東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)(所在地:宮城県仙台市、所長:折茂慎一、以下「東北大学」)の藪 浩研究室の合同チームは、二酸化炭素排出削減技術を競う懸賞型研究開発事業「TOKYO PRIZE Carbon Reduction」で、50を超える応募チームの中から入賞に選ばれました。藪研究室で発明され、AZUL Energyが社会実装を進める独自のレアメタルフリー触媒「AZUL触媒」を用いたCO₂の有効活用技術が評価されての入賞です。

受賞の経緯
「TOKYO PRIZE Carbon Reduction」は、東京都が運営するスタートアップ支援展開事業「TOKYO SUTEAM」の一環として開催された、二酸化炭素削減技術を競う国内最大規模の懸賞型研究開発事業です。東北大学の藪研究室と AZUL Energy による合同チームは、二酸化炭素の有効活用技術で応募し、3 月 12 日に東京六本木で行われた最終発表会にて入賞に選ばれました。藪研究室と AZUL Energy が開発した AZUL 触媒と本触媒を用いた二酸化炭素の有効活用技術が評価されての入賞です。
AZUL触媒について
AZUL触媒は、青色顔料である金属アザフタロシアニンを炭素に分子状で担持した触媒です(参考文献)。このAZUL触媒に用いられるフタロシアニン化合物は、中心金属や置換基のデザインを変更することで、さまざまな電気化学反応の触媒として活用できます。 今回のTOKYO PRIZEでは、当社の触媒ライブラリーの中から、特定の中心金属を持つAZUL触媒がCO₂の還元特性を示すという、東北大学・藪研究室による新たな発見を軸に提案を行いました。AZUL触媒は、レアメタルを使用せずに高い触媒活性を発揮し、さらに量産性にも優れることから、CO₂の回収・有効利用技術(CCU, Carbon Capture and Utilization)のキー材料として高いポテンシャルを有しています。

今後の展開
CO₂削減には、CO₂を単に回収するだけでなく、有益な炭化水素化合物などに変換し、有効活用することが不可欠です。従来、CO₂を炭化水素化合物に変換するには、多くのレアメタルが触媒として使用されてきましたが、資源の制約や高コストが普及の障壁となっていました。
AZUL触媒は、青色顔料と炭素を組み合わせた安価でサステナブルな触媒であり、CCU分野において従来の触媒に代わる重要な役割を担うことが期待されています。
AZUL Energyは、「Empower Your Energy Future」をコンセプトに掲げ、空気電池、燃料電池、水素製造装置などへのAZUL触媒の組み込みを通じた社会実装に取り組んできました。今後は、これらのエネルギーデバイスに加え、カーボンリサイクル分野への適用も積極的に進めてまいります。
AZUL Energyは、先進的な触媒技術を通じて、クリーンエネルギーの普及を促進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
【参考文献】
H. Abe, Y. Hirai, S. Ikeda, Y. Matsuo, T. Matsue, H. Matsuyama, J. Nakamura, H. Yabu, “Fe Azaphthalocyanine Unimolecular Layers (AzUL) on Carbon Nanotubes for Realizing Highly Active Oxygen Reduction Reaction (ORR) Catalytic Electrodes”, NPG Asia Materials, 11, 57 (2019).
【AZUL Energyについて】
AZUL Energyは、レアメタルを使用しない次世代エネルギーデバイス向けの高性能触媒“AZUL触媒”を開発する東北大学発のスタートアップです。既存の電池に代表されるエネルギーシステムでは、一般的に白金などのレアメタルが使われていますが、AZUL触媒はレアメタルを代替することできるため、資源制約のないエネルギーシステムを社会実装することが可能になります。AZUL Energyは、このAZUL触媒の技術によって、すべての人が手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーにアクセスできることを目指し、脱炭素社会、循環型社会の実現に貢献します。
【会社概要】
会社名 :AZUL Energy株式会社
設立 :2019 年7 月
代表者 :代表取締役社長 伊藤 晃寿
URL :https://www.azul-energy.co.jp
本社所在地 :宮城県仙台市青葉区一番町1-9-1 仙台トラストタワー10階 CROSSCOOP内
東京オフィス:東京都千代田区大手町 2-2-1 新大手町ビル 3F 0club内
■ お問い合わせ先
AZUL Energy株式会社 担当:林 誠之
E-mail pr@azul-energy.co.jp
すべての画像
- 種類
- 経営情報
- ビジネスカテゴリ
- 電気・ガス・資源・エネルギー化学
- ダウンロード