AIの活用による創造性の拡張に取り組むQosmoが、 音楽制作のためのAIツールを開発する新会社、株式会社Neutoneを設立。リアルタイム音響合成AIを用いたシンセサイザーやエフェクターを開発。
最新のAI技術を用いた新しい「楽器」を開発することで、国内外のアーティストとともに、21世紀の新しい音楽表現・ジャンルを創出することを目指す。
ステートメント
全ての楽器は誕生した瞬間は、最新テクノロジーでした。
人間は常に新しいテクノロジーを発明することで、それを扱う自分自身の能力も高めながら、
それまでなかった音楽表現を生み出してきました。
結果残るのは、テクノロジーではなく、音楽そのものと、音楽が人にもたらしてくれる感情です。
私たちNeutoneは、AIがこれからの時代の音楽の可能性を更に大きく広げてくれると信じています。
それは美しく、心躍る、悲しみに寄り添い、喜びを高めてくれる。
我々は、アーティストと一緒にこれまでになかった新しい音楽を生み出すために、
AIテクノロジーの開発を行うチームです。
Neutoneプロジェクトの歩み
これまでQosmoでは、深層学習を使ったリアルタイムDSP(デジタル音響処理)モデルを、DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)上で利用可能にするプラグイン「Neutone Plugin」を開発、2022年5月から無償提供してきました。
Neutoneは、汎用的なプラグインというかたちで最新のAIモデルを提供することで、これまで敷居の高かったAI技術の創作プロセスへの導入を可能にしました。また、新規に開発されたAIモデルを簡単に多くのミュージシャンと共有することができる本プラットフォームは、AI開発に携わる研究者やエンジニアにとっても貴重な場として利用されています。現在では、1000人を超えるメンバーがNeutoneコミュニティに参加するに至りました。
これまでにリアルタイムの音色変換(例: 声をバイオリンの音に変換)や音源分離(例: 曲からドラムの音だけを抜き出す)といった数十のモデルが公開、共有され、公開からすでにのべ46000回以上利用されています。また、Neutoneを用いたライブパフォーマンスは、MUTEK、Sónarといった世界的なフェスティバルでも発表されました。
今後のビジョン
いわゆる生成AIの技術革新が話題を呼ぶなか、経済的なメリットや技術論が先行し、実際に文化の創出を担うアーティストやクリエイターの立場に立った視点が十分に反映されていないという現状があります。Neutone(およびQosmo)では、生成AI技術を利用しつつも、あくまでもアーティスト、つくり手を中心に置いた世界観を重視し、彼ら、彼女らの音楽的創造性の発露を、AI技術によってサポートすることを目指します。今回、こうしたビジョンを共有できるコミュニティの拡大、AIモデルの開発、プラグイン開発のスピードアップを図る意図で、新会社の設立に踏み切りました。
年度内には個々のアーティスト向けにカスタマイズしたAIモデルの学習をサポートする新しいサービスの拡充、有料プランの提供などを予定しています。今後の動きにぜひご期待ください。
株式会社Neutone
【お問い合わせ先】contact@neutone.ai
【公式ウェブサイト】https://neutone.ai/
【Neutoneプロジェクトウェブサイト】https://neutone.space/
株式会社Qosmo
2009年設立。「アートとテクノロジーを通じて人類の創造性を拡張する」をビジョンに掲げる。アーティスト、研究者、プログラマ、デザイナーから構成されるチームが、作品制作を通して創造性のフロンティアを切り開くとともに、アーティスト・企業・個人が使えるAIツールを提供することで、より多くの人が創造的に働き・学び・暮らせる社会の構築に寄与することをミッションに活動する。
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