朝は起きられず活力がないのに、午後になると元気が出てきて夜更かしをする…これって病気?不安と疑問にこたえる---『よくわかる起立性調節障害』(法研)発刊
朝がつらい、起きられない、立っているのがつらいのに、理解されにくい。身近なのに誤解されやすい病気「起立性調節障害」を専門医が解説
『よくわかる起立性調節障害』(法研)発刊
株式会社法研より、起立性調節障害を専門医がわかりやすく解説する書籍『よくわかる起立性調節障害』を発刊します。
自律神経の働きや、環境、生活習慣、体質、からだの成長などがかかわり、朝起きて活動したり、立った状態で長くいることがつらい、できないという悩みを持っている人が多くいます。起立性調節障害(OD)の人は昔からいたのですが、理解されないことも多く、誤解されがちでした。
症状が朝に強くなることが多く、午後や夕方以降は元気になって遊んだり、ふつうに生活できることから「さぼっているのでは」「なまけているのでは?」と思われてしまいがちです。通学に耐えられず不登校につながることも多いのですが、朝寝坊して、日中はゲームをして過ごしたりしている様子を見ると、「学校でいやなことがあったのでは」「こんなに体力がなくてこの先大丈夫なのか」と保護者は心配になってしまいます。
起立性調節障害の症状は多様です。そして個人差もあります。
症状に思い当たる場合は受診も検討するとよいでしょう。
生活の工夫や、周囲のサポートでつらさが軽減することも多いです。
読みやすい本文に加えて、イラストや図解を多用しています。
患者さんが思春期であることも多いので、成長に合わせたかかわり方やコミュニケーションの考え方についても書かれているので、治療の際の参考になります。
起立性調節障害は遅刻、不登校などにもかかわりの深い病気です。
症状は多様なので、ケーススタディを多く紹介しています。発症の時期は、学業の進め方、進路選択なども気になる年頃です。本人や家族は、治療をして一刻もはやく元気に毎日学校に通えるようにと思いますが、すぐに回復する例ばかりではありません。病気の治療をしたり、病気・症状を理解して受け入れ、うまくつきあっていく方法を模索したりすると同時に、進路についてもお子さんごとにそれぞれの道を見出して力強く進んでいく様子が伝わってきます。
商品情報
よくわかる起立性調節障害
A5判 160ページ 2色刷り
定価1870円(税込)
ISBN978-4-86756-016-7 C0077
2023年8月発刊
著者
中澤 聡子(なかざわ さとこ)
1981年神戸大学医学部卒業後、神戸大学医学部小児科、姫路赤十字病院、神戸逓信病院を経て、2015年より東京逓信病院小児科勤務。現在は起立性調節障害専門外来を中心に診療。
専門および資格:日本小児科学会専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医、子どものこころ専門医・指導医、日本小児心身医学会認定医・指導医、日本小児精神神経学会認定医、こどもの心相談医、ICD(Infection Control Doctor)、日本医師会認定産業医。
もくじ
CHAPTER1 起立性調節障害とは
起立性調節障害ってどんな病気?/起立性調節障害の主な原因を知る/睡眠と起立性調節障害の関係/思春期の子どもの特徴/どんな子どもが起立性調節障害を発症しやすいのか/起立性調節障害を長引かせないために
CHAPTER2 病院を受診する
起立性調節障害のセルフチェックをしてみる/受診してからの流れ/新起立試験でわかる起立性調節障害の詳細/起立性調節障害と似た症状があらわれる病気/さまざまな睡眠の異常やパターン/神経発達症との関係
CHAPTER3 起立性調節障害を治療する
治療の流れ/薬を使わない治療 ①起き方・立ち方・座り方 ②毎日の食事や水分のとり方 ③適度な運動を心掛ける ④気候・天候などへの対策/学校へサポートを求める/起立性調節障害から起こる不登校/薬による治療/環境の調整/併発しやすい病気や症状への対応
CHAPTER4 心理面の対応を考える
心理面の対応の必要性/「家族」としてできること/保護者と子どもの関わり ~愛着・子育てについて~/子どもとの接し方/うつ状態になったときの対応
CHAPTER5 「これから」に向けた取り組みを始める
回復を目指すための居場所づくり/子どもとともに進路を考える/将来の夢や目標を見つけること/発症から回復までの経過 ~それぞれのケース~
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