2026年開催の欧州血液学会(EHA)におけるrogocekib用量漸増コホートデータ発表のお知らせ
Chordia Therapeutics株式会社(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役:三宅洋)は、再発または難治性の急性骨髄性白血病(AML)および高リスク骨髄異形成症候群(MDS)等の患者を対象とした、CLK阻害薬rogocekib(CTX-712)の第1/2相試験(CTX-712-CL-02)のデータを発表しました。Rogocekibは、RNAスプライシングを制御するCLKを選択的に阻害するファーストインクラスの経口低分子薬であり、承認済み標的治療のない骨髄性腫瘍領域における新たな治療選択肢として期待されています。本試験では、日本での第1相試験と同様に管理可能な安全性プロファイルを示すとともに、日本試験と比較してより治療困難な患者集団においても、単剤で初期的な抗腫瘍活性が確認されました。
主なハイライト
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再発または難治性AMLおよび高リスクMDS等を対象とした第1/2相試験において、rogocekibは管理可能な安全性プロファイルを示しました。
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本試験が対象とした高齢かつ前治療歴の多い治療困難な患者集団において、低用量群を含む評価可能症例は34例でした。そのような厳しい患者背景においても、rogocekibは単剤で4例の客観的奏効(AMLで3例のCRi、MDSで1例のmCR)を示しました。
〇 全奏効率(ORR)は11.8%(4/34例)で、計4例の客観的奏効を達成
〇 サブグループ別では、100mg(週1回投与)群のAMLでCRi 50%(2/4例)、80mg(週2回投与)群のAMLでCRi 20%(1/5例)を認めました。また、MDSについては80mg(週1回投与)群でmCR 25%(1/4例)が認められました。
〇 スプライシング変異を有する患者14例中5例が、ベースラインと比較して骨髄芽球の50%以上の減少を達成しました。
CTX-712-CL-02試験概要
本試験(NCT05732103)は、当社が米国で実施中の再発または難治性AMLおよび高リスクMDS等の患者を対象とした多施設共同の第1/2相試験です。用量漸増コホートでは、rogocekib錠剤を週1回で20mgから140mg、または週2回で60mgから100mgの用量で投与し、安全性、薬物動態、薬力学および初期的な有効性を評価しました。
用量漸増コホートデータの詳細
42例の患者の内訳はAMLが23例(54.8%)、MDSが16例(38.1%)、慢性骨髄単球性白血病が3例(7.1%)でした。65歳以上 が78.6%、過去に3回以上の異なる前治療を持つ患者が57.1%で 、高齢で治療困難な患者が全体の半数以上を占めました。
本試験では新しい製剤である錠剤を使用しました。薬物動態の解析では日本人での結果と相違ありませんでした。
安全性については、全例で有害事象が認められましたが、全体として管理可能な安全性プロファイルが確認されました。主な有害事象は血液毒性および消化器症状であり、用量および投与スケジュールに依存した毒性プロファイルが認められました。この結果も日本人の結果と大きくは変わりませんでした。
有効性については、用量漸増コホートの評価可能症例34例において、ORRは11.8%(4/34例)で、AML患者ではCRi 16.7%(3/18例)、MDS患者ではmCR 1例が確認されました。サブグループ別では、当社が至適用量候補と考える100mg(週1回投与)群のAMLでCRi 50%(2/4例)、80mg(週2回投与)群のAMLでCRi 20%(1/5例)を認め、日本人の結果と整合的な有効性シグナルが確認されています。また、MDSについては80mg(週1回投与)群でmCR 25%(1/4例)が認められました。本試験の用量漸増コホートで単剤での抗腫瘍活性が確認できた一方、CRについては未確認でしたが、米国では利用可能な治療薬が多く治療歴が長期化しやすいことに加え、前治療の蓄積による骨髄の疲弊が影響した可能性があると当社は考えています。2025年12月の治験医師会議でもその点が協議され、こうした知見を踏まえ、より高い有効性が期待できる患者群を適切に組み入れるべく治験実施計画書を改訂し、拡大コホートを実施中です。
以上の結果から、rogocekibは管理可能な安全性プロファイルを有し、高リスクの再発・難治性血液がん患者において単剤で抗腫瘍活性を示しました。特にAMLにおいては有望な奏効シグナルが認められており、当社の知る限り、CLK阻害薬単剤でこのレベルの有効性を示している薬剤はrogocekibのみです。本結果は、スプライシング制御を標的とした新たな治療アプローチとしてのrogocekibの臨床的有用性と今後の開発ポテンシャルを支持するものと考えています。
テキサス大学MDアンダーソンがんセンター白血病科暫定部門長であり、CTX-712-CL-02試験の治験責任医師であるGuillermo Garcia-Manero医師は、次のようにコメントしています。「CLKは白血病における重要な治療ターゲットです。進行したMDSおよびAMLの患者を対象とした本臨床試験において、rogocekibの安全性が確認されるとともに、非常に進行した状態の患者に対して臨床効果のシグナルが示されました。さらなる研究の実施が期待されます。」
今後の展開
本結果を踏まえ、rogocekibの至適用量候補および投与スケジュールの検討を拡大コホートで進めるとともに、より高い有効性が期待できる患者集団を適切に評価できるよう治験実施計画書の改訂内容を反映し、再発または難治性AMLおよび高リスクMDSを対象としたさらなる臨床開発を推進してまいります。これにより、rogocekibの価値を最大化し、未充足の高い医療ニーズに応える新たな治療選択肢としての確立を目指します。
当社代表取締役の三宅洋は次のように述べています。「米国で実施中の本試験において、rogocekibが高齢かつ前治療歴の多い治療困難な患者集団で、単剤での抗腫瘍活性が確認されたことを大変心強く感じています。本結果を踏まえ、拡大コホートにおいて引き続きrogocekibの最適用量および投与スケジュールの検討を進めるとともに、未だ十分な治療選択肢のない患者様に新たな治療を届けられるよう取り組んでまいります。」
CLK阻害薬 rogocekib(CTX-712)発表概要

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抄録番号 |
EHA-3974 |
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演題名 |
SAFETY, TOLERABILITY, AND PRELIMINARY ACTIVITY OF ROGOCEKIB IN PATIENTS WITH RELAPSED/REFRACTORY MYELOID MALIGNANCIES: RESULTS FROM A PHASE 1/2 STUDY (CTX-712-CL-02) |
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発表形式 |
ポスター |
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日時 |
2026年6月13日 18:45-19:45 (CEST) |
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発表要旨 |
用語集

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AML |
Acute Myeloid Leukemia 急性骨髄性白血病 の略で、骨髄中で白血球の元になる血液細胞が癌化した疾患で、血液がんのひとつ |
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CLK |
CDC2-Like Kinaseの略で、対象となるタンパク質にリン酸基を転移させる反応を触媒する酵素でスプライシングにおいて重要な役割を果たしている |
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CR |
Complete Remission 完全寛解 の略で、薬剤の抗腫瘍効果の評価において使用され、血液がんにおいては、患者の骨髄に存在するがん細胞の割合が5%未満であり、末梢血中の好中球と血小板などの正常血液細胞の数値が完全に回復している状態 |
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CRi |
CR with incomplete hematologic recoveryの略で、患者の骨髄に存在するがん細胞の割合が5%未満であるが、末梢血中の好中球と血小板などの正常血液細胞の回復が不完全な状態 |
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mCR |
Marrow Complete Remission 骨髄完全寛解 の略で、患者の骨髄に存在するがん細胞の割合が5%未満に減少した状態。CRとは異なり、末梢血の血球数の回復は問わない。主にMDSの治療効果判定に用いられる |
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MDS |
Myelodysplastic Syndrome 骨髄異形成症候群の略で、骨髄中で血液細胞のもとになる造血幹細胞に異常が起き、正常な血液細胞が作れなくなる疾患で、血液がんのひとつ。HR-MDS は、MDSのうち、AMLへの移行リスクや予後が不良とされる病型を指す |
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ORR |
Overall Response Rateの略で、全奏効率を示す指標。AMLではCR、CRi、MLFSを含み、MDSではCR、mCRを含む。 |
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血液毒性 |
薬剤の投与により、白血球・好中球・血小板・赤血球などの血液細胞が減少する副作用の総称。抗がん薬の治療において高頻度で認められる |
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慢性骨髄単球性白血病(CMML) |
Chronic Myelomonocytic Leukemiaの略で、骨髄中で単球系の血液細胞が異常に増殖する疾患。MDSと骨髄増殖性腫瘍(MPS)の両方の特徴を併せ持つ血液がんのひとつ |
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薬物動態(PK) |
Pharmacokineticsの略で、投与された薬剤が体内で吸収・分布・代謝・排泄される過程や、その時間的変化を解析する指標 |
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薬力学(PD) |
Pharmacodynamicsの略で、薬剤が体内でどのような生物学的作用を示すか、また標的分子にどの程度作用しているかを評価する指標。本試験では、スプライシングに関連するバイオマーカーの変化により薬剤の標的結合を確認している |
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用量漸増コホート |
第1相臨床試験において、低用量から段階的に用量を増やしながら、安全性および忍容性を評価するために設定される患者群 |
Rogocekib(CTX-712)について
Rogocekibは、RNAスプライシングを制御するCDC2様キナーゼ(CLK)を選択的に阻害するファーストインクラスの経口低分子薬です。骨髄性腫瘍ではスプライシング因子遺伝子の変異が高頻度に認められ、予後不良と関連していますが、現時点でこの経路を標的とした承認済みの治療薬は存在しません。Rogocekibは、この未充足の医療ニーズに応える新たな治療アプローチとして、日米で臨床開発を進めています。日本での第1相試験(CTX-712-CL-01)の結果は、血液がんパートについてはYokoyama H et al., Blood Advances 2026; 10(1): 262-272に、固形がんパートについてはSato J et al., Clin Cancer Res. 2026; doi: 10.1158/1078-0432.CCR-25-4896に、それぞれ掲載されています。
Chordia Therapeutics株式会社について
当社は、臨床開発品を擁するがん領域専門の研究開発型バイオベンチャーとして、神奈川県藤沢市に本社を置き活動しています。当社のリードパイプラインである CLK阻害薬 rogocekib(CTX-712)は、米国での第1/2相試験を進行中です。Rogocekibは、がんの脆弱性をターゲットにしており、有望な治療薬としての可能性が期待されています。また、当社は、リードパイプラインのrogocekib、MALT1阻害薬 ocipumaltib (CTX-177) に加え、CDK12阻害薬CTX-439、GCN2 阻害薬など、複数のパイプラインの研究開発に取り組んでいます。
詳細は、当社ウェブサイト(https://www.chordiatherapeutics.com/)をご覧ください。

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本リリースに関するお問い合わせ先 |
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Chordia Therapeutics株式会社 IR担当 吉良 info@chordiatherapeutics.com |

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