東京は2位に後退——物価を引いた"実質給与"、日本一は大阪。地方企業が採用で戦える47都道府県ランキング

給料は東京が一番。でも物価を引くと順位は入れ替わり、地方は"額面ほど"負けていない——47都道府県の実質給与を試算

スポット社労士くん社会保険労務士法人

物価高で賃上げが議論される今、中小企業の経営者が抱えるのは「自社の給与は、地域と職種の相場に対して高いのか安いのか」という問いです。額面(名目)の給与は東京など大都市が高い一方、生活コストも大都市ほど高く、"手取りの実感"=実質は額面の順位とは限りません。                                     

スポット社労士くん社会保険労務士法人は、グループ会社であるNOTsha株式会社が開発・運営する中小企業向け給与診断ツール「給与参謀」の計算エンジンを用いて、未経験正社員の名目給与(給与参謀が算出する適正月給)を427職種×47都道府県で算出し、総務省「消費者物価地域差指数」で割り引いた「実質給与」で都道府県をランキングしました。   

その結果、実質給与の日本一は大阪(253,231円)で、名目1位の東京は物価の高さに削られ実質2位(250,786円)となりました。

調査サマリー

  • 実質給与(未経験正社員の名目給与÷物価)の日本一は大阪(253,231円)。名目1位の東京は実質2位(250,786円)に後退

  • 給与の地域格差は、物価を引くと約17.5%縮む(都道府県間の最大差=名目60,829円 → 実質50,197円)

  • 47都道府県のうち18県は、給与の額面順位より「実質順位」の方が高い(物価が安い分、実質で健闘)。実質で順位を上げた代表は 宮崎+7・鹿児島+5・群馬+4・岡山+4・大分+4・岐阜+3

  • 逆に物価の高い 京都-6・石川-5・北海道-5・宮城-4 は実質で順位を下げた(名目の給与は高くても物価が相殺)

※本試算は未経験正社員(経験0年・フルタイム月173.3h)が対象。名目給与=各県の適正月給(427職種の中央値)、実質給与=名目給与÷その県の消費者物価地域差指数(総合)×100。
※給与=厚生労働省「労使協定方式の一般賃金」(給与参謀・令和8年度(2026年度)適用版)、物価=総務省「消費者物価地域差指数」(2024年(令和6年)結果)

調査結果1: 実質日本一は大阪、東京は名目1位→実質2位

未経験正社員の名目給与(427職種の中央値)は東京が最高(260,817円)ですが、東京の物価指数は104(全国=100)と最も高く、実質では250,786円に。一方大阪は名目251,458円・物価99.3で、実質253,231円と東京を上回り、実質日本一になりました。「給料の高さ」は「物価の高さ」に一部相殺されるため、名目(額面)の順位と実質の順位はズレます。次の表は、額面(名目)で高い県と、物価を引いた実質で高い県を上位7位まで並べたものです。1位が東京から大阪へ入れ替わります。

※実質給与=未経験正社員の名目給与(適正月給・427職種の中央値)÷その県の消費者物価地域差指数(総合・全国=100)×100。給与参謀の推計値による機械試算。
スポット社労士くん社会保険労務士法人「給与参謀」試算(出典:給与=厚生労働省「労使協定方式による一般賃金水準」令和8年度適用版/物価=総務省「小売物価統計調査(構造編)」「消費者物価地域差指数 2024年(令和6年)」)
スポット社労士くん社会保険労務士法人「給与参謀」試算(出典:給与=厚生労働省「労使協定方式による一般賃金水準」令和8年度適用版/物価=総務省「小売物価統計調査(構造編)」「消費者物価地域差指数 2024年(令和6年)」)

調査結果2: 給与格差は、実質で約17.5%縮む

都道府県間の給与差は、名目では最大60,829円(年間で約73万円)。これを物価で割り引くと最大50,197円(年間 約60.2万円)まで縮小します。「地方は都会より給料が安い」は事実でも、生活コストを踏まえた実質では、その差は額面ほど大きくありません。

調査結果3: 物価の安い地方は"額面以上に暮らせる"

47都道府県のうち18県は、給与の額面順位より実質順位が上でした。とくに 宮崎+7・鹿児島+5・群馬+4・岡山+4・大分+4・岐阜+3 は物価の安さで実質順位を大きく上げています。給料の額面では全国下位でも、実質では中位以上に浮上する県が少なくありません。中小企業にとっては、これが「額面で都会に負けても、実質なら採用で戦える」根拠になります。

調査結果4: 同じ仕事でも、実質の月給は"県で最大6.1万円"違う

未経験の名目給与を代表的な職種でみると、物価を踏まえた実質給与において「大阪が最も高く、青森が最も低い」傾向は共通しています(賃金の地域差が全職種に共通して反映されるため)。一方で金額の開きは職種によって異なり、給与水準の高い仕事ほど大きくなります。とくに建築施工管理では、実質の月給が県によって最大で月6.1万円(年約73.6万円)変わります。

※実質給与=未経験正社員の名目給与(適正月給・427職種の中央値)÷その県の消費者物価地域差指数(総合・全国=100)×100。給与参謀の推計値による機械試算。
スポット社労士くん社会保険労務士法人「給与参謀」試算(出典:給与=厚生労働省「労使協定方式による一般賃金水準」令和8年度適用版/物価=総務省「小売物価統計調査(構造編)」「消費者物価地域差指数 2024年(令和6年)」)

【全データ(付録)】47都道府県別 名目ランキング ↔ 実質ランキング

※左が額面(名目給与)のランキング、右が物価を引いた実質給与のランキング。同じ順位の行を左右で見比べると、物価で順位がどう入れ替わるかが分かります(1位は東京→大阪。右端の矢印=名目からの変動)。

※名目給与は未経験正社員(経験0年)の427職種の中央値。物価指数は総務省・消費者物価地域差指数(総合・全国=100・2024年(令和6年))。実質給与=名目給与÷物価指数×100。全47都道府県の数値は元データCSV( https://kyuyo-sanbou.jp/press/  )でも取得できます。あなたの会社の"この職種×この地域"の適正給与(物価を考えた実質も)は、無料ツール「給与参謀」( https://kyuyo-sanbou.jp  )でその場で分かります。自分の給与が相場と比べて高いか低いかを確認したい方は、働く方向け診断( https://kyuyo-sanbou.jp/shindan/  )をご利用ください。

考察: この地図は"きっかけ"、本当の仕事は自社の給与を決めること

本調査は、47都道府県という地図の上に引いた一本の代表線です。しかし、実際に人を採り、給与を決めるのは、もっと具体的な現場です——「この職種を、この地域で、経験◯年の人に、いくら払うべきか」。

給与参謀は、その"一点"を出すための道具です。採用時の提示額はもちろん、毎年の昇給、賞与、そして『給料を上げてほしい』への答えまで、同じ一本の物差しで示します。中途採用のたびに前職の給与へ引きずられて崩れがちな自社の賃金体系も、職種と地域の相場という基準を持てば、筋の通った設計に変わります。物価まで踏まえた"実質"は、その物差しに新しい目盛りを一つ加えるものです。

【地方企業は"実質"を採用の武器にできる】 物価を踏まえた実質では地域差は額面ほど大きくなく、多くの県で実質順位は額面順位より上でした。もちろん賃上げは大切ですが、それとは別に、額面の数字だけで「都会に見劣りする」と諦める必要はありません。"実質の豊かさ"(同じ給料でも生活にゆとりが出る)という事実を数字で正しく伝えることが、地方企業の採用力になります。

【東京企業のリモート・多拠点採用にも】 東京水準の給与を地方在住のリモート人材に払えば、その実質購買力は東京勤務者を上回ります=強力な採用力。逆に地域の物価に合わせた地域別給与を設計すれば、コストを最適化しつつ優秀な人材を確保できます。転勤者の給与調整も同じ考え方です。

この調査が生まれた背景

本調査は、机上の思いつきではなく、現場の相談から生まれました。「給与に釣られて若手が地方を離れる」「給与だけでなく、暮らしまで含めて自社の魅力を示せないか」——物価高のなかで地方の経営者から寄せられたこうした声が、"給与を物価で割り引いた実質値"という発想の出発点です。地域別・職種別に賃金を扱ってきた給与参謀だからこそ、47都道府県の実質給与を一枚の地図として描くことができました。

代表コメント

スポット社労士くん社会保険労務士法人 代表社員/NOTsha株式会社 代表取締役 関根 光

「給与参謀は、『従業員の給与を、いくらにすればいいか分からない』という中小企業の社長の切実な悩みから生まれました。中途採用のたびに前職の給与へ引っ張られて自社の体系が歪む、昇給や賞与の額に確信が持てない、『上げてほしい』と言われても適正がつかめない——そんな現場を、職種ごとの相場まで落とし込んで支えるための道具です。おかげで、東京の社長からは『地方でこの職種なら、いくらで採れるか』、神奈川・埼玉・千葉の社長からは『いくら出せば東京に負けずに採れるか』というご相談をいただくようになりました。そして物価高のいま、地方の社長からは『給与に釣られて若手が都会へ出ていく。給与だけでなく、暮らしまで含めて自社の魅力を示せないか』という声が届きます。本調査の"実質給与"は、その問いへの答えです。額面で都会に挑むのではなく、実質の豊かさで人を惹きつける——中小企業には、その戦い方があります。」

調査概要

・調査名:都道府県別「実質給与」(給与÷物価)ランキング
・調査主体:スポット社労士くん社会保険労務士法人(分析)/NOTsha株式会社(試算システム「給与参謀」の開発・運営)
・給与データ:厚生労働省「労使協定方式による一般賃金水準」(職業安定業務統計・令和8年度(2026年度)適用版)を、給与参謀の計算エンジンで未経験正社員(経験0年)の名目給与(適正月給)に換算
・物価データ:総務省「小売物価統計調査(構造編)」消費者物価地域差指数(2024年(令和6年)結果・全国平均=100。本調査時点の最新公表値)
・算出方法:各都道府県の名目給与(427職種の適正月給の中央値)÷ その県の消費者物価地域差指数(総合)×100 = 実質給与。名目給与は基準値×地域指数×退職金相当1.05×物価補正1.067÷賞与調整1.02×月173.3h
・対象:427職種 × 47都道府県
・試算日:2026年7月
・注記:数値はグループ会社NOTsha株式会社が運営する「給与参謀」の計算エンジンと総務省統計による機械算出です。名目給与(適正月給)は統計にもとづく推計値であり、実際の給与決定は各社の状況に合わせてご判断ください。本リリースの数値・図表は、出典(スポット社労士くん社会保険労務士法人「給与参謀」試算)を明記のうえ転載自由です。元データ(CSV)は https://kyuyo-sanbou.jp/press/ からダウンロードできます。

「給与参謀」について

給与参謀 https://kyuyo-sanbou.jp
「従業員の給与を、いくらにすればいいか分からない」——その悩みに答えるために、グループ会社NOTsha株式会社が開発・運営する、中小企業の経営者向け無料ツールです。427職種×47都道府県×経験年数(未経験〜20年)の適正給与を厚生労働省統計から30秒で算出。職種ごとの相場まで示せるため、中途採用で前職給与に引きずられない一貫した賃金体系づくり、昇給・賞与の判断、『給料を上げてほしい』への回答、社員一覧での管理までを支えます。物価を踏まえた地域別・職種別の"実質給与"も確認でき、地域をまたぐ採用やリモート採用の給与設計にも活用されています。当法人も顧問先の賃金コンサルティングに実務活用しています。無料・登録不要。なお、自分の給与水準を確認したい働く方向けには、診断ページ( https://kyuyo-sanbou.jp/shindan/  )もご用意しています。

法人概要

・法人名:スポット社労士くん社会保険労務士法人
・所在地:東京都千代田区三番町3-8 泉館三番町ビル6階
・代表者:代表社員 関根 光
・事業内容:中小企業の給与計算サポート・労務手続き・賃金コンサルティング・評価制度(建設業)
・URL:https://spot-s.or.jp/
グループ会社:NOTsha株式会社(代表取締役 関根 光・同所在地)「給与参謀」( https://kyuyo-sanbou.jp )をはじめとする中小企業向け人事労務支援サービスの企画・開発・運営。

本件に関するお問い合わせ

スポット社労士くん社会保険労務士法人
担当:藤木 義紀

TEL: 03-6272-6183 / Email: info@spot-s.jp
※取材のお申し込み、図表の高解像度データ・元データCSV・追加の都道府県別/職種別集計のご依頼に対応します。

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経営・コンサルティング
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会社概要

URL
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業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区二番町8-3 二番町大沼ビル4階
電話番号
03-6272-6183
代表者名
関根 光
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年09月