ギグワークプラットフォームに登録する医療機関に対し、「ハラスメント相談窓口」の設置有無の入力を必須化

歯科医院のハラスメント防止意識を醸成し、歯科医療従事者が安心して働ける環境を目指す

株式会社HANOWA

2024年9月3日 10時00分

歯科医院と歯科医療従事者のマッチングプラットフォーム「HANOWA」の運営を行う株式会社HANOWA（本社：大阪市北区曽根崎新地1-13-22 御堂筋フロントタワー、代表取締役：新井翔平、以下HANOWA）は、登録する歯科医院に対し、プロフィール上に「ハラスメント相談窓口」の設置有無の入力を必須化したことをお知らせします。

「ハラスメント相談窓口」の設置有無、入力必須化の背景

2020年6月にパワハラ防止法（正式名称：改正労働施策総合推進法）が施行され、2022年4月からは中小企業でも、相談窓口の設置などパワハラの防止策を講じることが義務化されました。

2022年3月に公表されたアンケートによると、「パワハラ対策を行っていますか？」という質問に対し、従業員数49名以下の企業では全体の43%が「行っていない」と回答しています。（※1）「わからない」という回答を含めると、全体の約55%の企業で対策が追いついていない、もしくは対策が講じられていないと読み解けることからも、多くの中小企業において相談窓口の設置などを含む対策が十分にされていない現状が明らかとなりました。残念ながらそれらの実態は、歯科業界でも同様に、我々の日々の運営やサポートからも実感するところではあります。

一例としては、「勤務初日から患者の目の前で大声で院長から怒鳴られた」、「患者と少し時間を経過して談笑していたら院長に後ろから椅子を蹴られた」、「法律上やってはいけない診療行為を威圧的に強要された」、「何度断っても執拗に食事に誘われる」などといった声が日々寄せられます。

また民間企業とは異なり、医師・歯科医師とコメディカルワーカーの権威や立場の違いから、小規模医療機関ではより一層健全にガバナンスを働かせることが難しく、現場のさらなる人材不足、人材流出を加速させてしまう業界構造も従来からの課題でした。

これを受け、HANOWAの登録歯科医院に対し、プロフィールでの「ハラスメント相談窓口」の設置有無の入力を必須化いたしました。これにより、歯科医院側のハラスメント防止意識やガバナンス意識の向上を図り、歯科業界全体の労務環境の健全化に寄与したいと考えています。

今後も、HANOWAは歯科業界全体の労務環境改善に対する意識醸成に積極的に取り組むことで、より多くの人材が業界に定着するよう尽力してまいります。

（※1）出典元：「497社が回答！「パワハラ対策」実態調査2022―人事向け情報サイト『人事のミカタ』アンケート―」（エン・ジャパン株式会社）

https://corp.en-japan.com/newsrelease/2022/28841.html

▼募集一覧画面（歯科医院名横の「✔︎」アイコンがハラスメント相談窓口設置済みの証）

▼（画像左）歯科医院プロフィール入力画面/（画像右）歯科医院プロフィール詳細画面　

▼歯科医院検索画面でも、ハラスメント相談窓口設置医院の検索が可能に（近日中にリリース予定）

代表コメント

医療業界に永続的に魅力的な人材が定着するように

医療法はこれまで1948(昭和23)年の制定以来、1985(昭和61)年の第1回改正を皮切りに最新2021(令和3)年まで9度の大きな改正を経てきました。その時代ごとの国民生活のニーズに合わせて改変してきた中で、一貫した大きなテーマの一つとして「医療機関の健全さの維持と永続性」が常に願われ、問われてきたとも言えます。永続性は例えば第5次、第6次改正などの持分なし医療法人への移行を通じた、税制優位による滑らかな事業承継体制の実現などにも見られます。先の2021(令和3)年改正において、医師の働き方改革についての言及があったことは大いに歓迎されるべきことです。そして今後将来、第10回、11回の改正があるならば、医療従事者たちがこの業界から流出しなくて済むような、医療機関自身が健全な労務環境を維持できる為のガバナンス強化への文言があって然るべきと思います。

歯科業界でどこよりも早く滑らかな雇用調整に挑んできた当社だからこそ、この業界には「人材不足問題」は存在しないと確信しています。あるのは「人材流出問題」であり、今回の機能強化が業界関係者のガバナンス意識に目を向ける一助となることを願って、引き続き邁進していきたく思います。

株式会社HANOWA 代表取締役新井翔平