山洋電気×信州大学×菱機工業、製造工場のカーボンニュートラル実現に向けた共同研究を実施

~環境配慮型の製造現場を目指し、産学連携で排熱利用と気積削減の効果をシミュレーション~

菱機工業株式会社

菱機工業株式会社(本社:石川県金沢市、代表取締役社長:北川 雅一朗、以下「菱機工業」)は、山洋電気株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:児玉 展全、以下「山洋電気」)の製造工場におけるカーボンニュートラル実現および環境配慮型の製造環境構築に向け、信州大学高村研究室と連携した共同研究を実施した。

本研究では、山洋電気の製造工場を対象に、工場内で発生する排熱を有効活用する「排熱利用」と、未利用となっている上部空間を削減する「気積削減」の2つの手法を立案した。3者がそれぞれの専門的知見を持ち寄り、現地調査・実測・シミュレーションによる効果検証を実施した。

研究の背景

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、製造工場では、生産活動と環境負荷低減を両立する取り組みが求められている。

山洋電気では、製造現場のさらなる環境負荷低減を目指し、長野県上田市に所在する延床面積36,500㎡の製造工場を対象として、菱機工業と信州大学で現地実測を行った。

本研究では、信州大学の専門的知見を取り入れながら、実測結果の分析およびシミュレーションによる効果検証を行った。

設備更新だけに依存するのではなく、既存施設内に存在する熱や空間を有効な資源として捉え、現場の実情に即した以下の2つの施策を検討した。

  • 排熱利用:

    環境試験室の恒温槽からの排熱や環境試験室内の空気を活用し、上階会議室の暖房に利用する手法

  • 気積削減:

    機械製造室の未利用上部空間に天井を設置することで、空調対象となる空間容積を削減する手法

検証内容と結果

1.恒温槽から排熱を活用し、会議室の暖房へ

環境試験室には多数の恒温槽が設置されており、冬期においても室温が高い状態となっている。

そこで、恒温槽から発生する排熱および室内空気を活用し、上階の会議室の暖房に利用するケースを設定した。

室内温湿度、排気温度、風量等の実測データをもとに、「TRNSYS18」を用いて暖房負荷をシミュレーションした結果、環境試験室内の空気と恒温槽の排熱を併用したケースでは、現状と比較して以下の削減効果が見込まれた。

  • 暖房負荷:97.0%削減

  • 暖房運転に伴うCO₂排出量:87.5%削減

製造工程で発生する排熱を、別室の暖房用熱源として有効活用できる可能性が示された。

2.未利用上部空間の削減による空調対象の最適化

機械製造室では、高天井空間のうち未利用となっている領域に着目し、天井を新設することで空調対象となる気積を47%削減する条件でシミュレーションを実施した。

その結果、以下の削減効果が見込まれた。

  • 空調負荷:30.6%削減

  • 空調運転に伴うCO₂排出量:31.8%削減

空調対象となる空間を適切に見直すことで、設備更新だけに頼らず、既存建物の使われ方に応じた省エネルギー化が可能であることを示した。

研究成果の意義

本研究では、製造現場における実測データと専門的知見、シミュレーションを組み合わせることで、設備更新だけに頼らない環境負荷低減手法の有効性が定量的に示された。

研究成果については、2026年9月2日(水)から4日(金)まで開催された「令和8年度 空気調和・衛生工学会大会(遠州・袋井)」において発表した。

今後、3者は本研究で得られた知見をもとに、製造現場への実装に向けた検討を進める。

山洋電気が目指す環境負荷の少ない製造環境の実現に向け、信州大学の専門的知見と、菱機工業が設備・エネルギー分野で培った技術力を組み合わせ、製造現場のカーボンニュートラルに貢献する実効性のある手法の確立を目指す。

■山洋電気について

山洋電気グループは、冷却ファンや無停電電源装置、サーボシステムなどの開発・設計・製造・販売を通じて、社会や産業を支える製品・サービスを提供しています。

環境マネジメントシステムの継続的な改善を図りながら、温室効果ガスの排出削減や環境に配慮した製品づくり、事業活動における環境負荷の低減に取り組み、豊かな地球環境の保全への貢献を目指しています。

■信州大学高村研究室について

高村研究室は、再生可能エネルギーや高効率設備の導入を通じて、SDGsの達成に貢献する建築物の開発に取り組んでいます。

最新の省エネ技術の普及と未利用エネルギーの利活用に向け、理論解析とフィールド調査を両輪として研究を進めています。特に、実測と企業との共同研究を重視しています。

■菱機工業について

菱機工業は、空気・水・エネルギーに関わる建築設備事業で培った技術力と知見を基盤に、お客様とともに新たな価値を創造する環境エンジニアリング会社です。

設備や建物を起点とした課題解決に加え、お客様の目指す姿の実現に向けて、計画立案から実行、運用まで一貫した支援を行っています。また、多様なパートナーとの価値共創を通じて、お客様ごとの課題や目標に応じた最適なソリューションの構築に取り組んでいます。

【本件に関するお問い合わせ先】 

菱機工業株式会社

長野支店営業課 石田(a.ishida@ryokikogyo.co.jp)

ソリューション開発課 高野(y.takano@ryokikogyo.co.jp)

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ビジネスカテゴリ
建設・土木学校・大学
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会社概要

菱機工業株式会社

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URL
http://www.ryokikogyo.co.jp/
業種
建設業
本社所在地
石川県金沢市御影町10番7号
電話番号
076-241-1141
代表者名
北川雅一朗
上場
未上場
資本金
1億円
設立
1954年10月