バッハを聴く2週間!草津音楽祭が今年も開幕!~無伴奏を聴くコンサート

マスタークラスとコンサートの両輪による伝統のクラシック音楽イベント

草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル

 

いよいよ2026年8月17日(月)から、第46回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルが開催されます。今年のテーマは「Bach is Cool バッハと涼もう」。期間中は室内楽を中心にバラエティー豊かな演奏会が予定されています。本記事では、前半のおすすめ公演の「バッハと独奏/バッハの独創」①②について、バッハの音楽の解説を含めて紹介します。

カリーン・アダム(Vn) 写真 友澤綾乃

2026年8月18日(火)16:00~ バッハと独奏/バッハの独創①

会場:草津音楽の森国際コンサートホール https://kusa2.jp/access/access-facility/

入場料:大人¥5,000/25歳以下¥2,500(全席指定)

曲目:

・J.S.バッハ(J.ブラームス編曲):左手のための「シャコンヌ」~ピアノのための5つの練習曲 Anh.Ia/1 第5曲

・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV 1007

・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV 1011

・J.S.バッハ:オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV 1055

出演:クリストファー・ヒンターフーバー(Pf)、エンリコ・ブロンツィ(Vc)、トーマス・インデアミューレ(Ob)、群馬交響楽団弦楽アンサンブル

 

2026年8月19日(水)16:00~ バッハと独奏/バッハの独創②

会場:草津音楽の森国際コンサートホール https://kusa2.jp/access/access-facility/

入場料:大人¥5,000/25歳以下¥2,500(全席指定)

曲目:

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV 1004

J.S.バッハ:2本のヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV 1012

C.Ph.E.バッハ:チェロ協奏曲 イ短調 Wq. 170, H. 432

 出演:カリーン・アダム(Vn)、伊藤文乃(Vn)、エンリコ・ブロンツィ(Vc)、アントニー・シピリ(Cemb)、高木和弘(Vn)、田中佑子(Vn)、増山頌子(Vc)/他

エンリコ・ブロンツィ(Vc) 写真 友澤綾乃

2026年8月18日(火)16:00~ バッハと独奏/バッハの独創①

解説:

「音楽の父」として知られるヨハン・セバスティアン・バッハが活躍したバロック時代は、ヴァイオリンやチェロ、オーボエなど、現在へとつながるさまざまな楽器が発展を遂げていた時代でもありました。バッハは、そうした楽器の個性や新たな表現の可能性を最大限に引き出す作品を数多く残しています。「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ」と「無伴奏チェロ組曲」は、その代表的な作品といえるでしょう。

しかし、バッハの死後、これらの無伴奏作品は長い間、不遇の時代を迎えます。「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ」は教材として扱われることもあり、「単体では聴き映えがしない」と考えられてピアノ伴奏を付けて演奏されることもありました。日の目をみたのは19世紀後半になってからで、当時大活躍したヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムが1879年に全曲演奏会を行い、さらに楽譜の校訂・出版をしたことで、この作品は広く世に知られるようになったのです。

 

ヨアヒムと親交があったブラームスは、バッハの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」の終曲《シャコンヌ》を敬愛していた作曲家のひとりです。そうした敬意から生まれたのが「左手のためのシャコンヌ」。この作品はクララ・シューマンに献呈されていますが、左手だけで演奏するため、高度な技術と優れた音楽的コントロールが求められます。原曲のヴァイオリン独奏版が持つ緊張感のある旋律美に対し、ブラームスのピアノ版では、低音や和声の広がりによる重厚な響きを味わうことができます。演奏機会は比較的限られている作品ですので、実演に接することができる貴重な機会を楽しんでいただきたいと思います。参考音源:https://www.youtube.com/watch?v=Ljb5MvKv0Hw

 

一方、「無伴奏チェロ組曲」も、現在ではチェロの作品を代表するレパートリーとして広く親しまれていますが、こちらも長らく忘れられていた作品でした。その価値を世に広く知らしめたのが、スペインのカタルーニャ地方のチェリストであるパブロ・カザルスです。13歳の頃、バルセロナの楽譜店でこの作品の楽譜と出会ったカザルスは、その音楽に魅了され、生涯にわたって研究を続けました。演奏会で積極的に取り上げ、1930年代には全曲録音を行ったことで、「無伴奏チェロ組曲」は世界中のチェリストにとって欠かすことのできない作品となりました。

 

6曲から成る「無伴奏チェロ組曲」の中でも、第1番はとりわけ親しまれている作品です。冒頭のプレリュードは映画やCMなどでもたびたび使用され、多くの人に知られています。流れるような分散和音から始まり、チェロ一挺だけで豊かな響きと多彩な表情を描き出すところに、この作品ならではの魅力があります。参考音源:https://www.youtube.com/watch?v=fSq46k-HC1I (本公演奏者による)

 

一方、第5番は、より深く内省的な世界を持つ作品です。この曲では最も高い弦を通常より一音低く調弦(スコルダトゥーラ)して演奏するため、響きはいっそう深みを増し、重厚な和音や低音の豊かな響きが印象的に現れます。第1番の親しみやすさと、第5番の深い精神性。その対照的な魅力を聴き比べることも、このプログラムならではの楽しみです。

参考音源:https://www.youtube.com/watch?v=j6TKaGS1_Ms(本公演奏者による)

 

コンサートの最後を飾るのは「オーボエ・ダモーレ協奏曲」です。オーボエ・ダモーレはイタリア語で「愛のオーボエ」を意味し、通常のオーボエよりやや低い音域を持つ楽器です。柔らかく温かな音色を特徴とし、バッハはその魅力を生かした作品を数多く残しました。18世紀後半には次第に用いられなくなりましたが、20世紀以降、古楽研究の進展とともに再び注目されるようになりました。

この協奏曲の自筆譜は現存していませんが、現在演奏されている作品は、チェンバロ協奏曲 BWV1055などをもとに復元されたものです。独奏楽器の美しい音色を生かした旋律、穏やかで親密な響き、そして独奏と合奏が織りなす優雅なアンサンブルをお楽しみください。

参考音源 https://www.youtube.com/watch?v=CG8c6jq6_98

 

今回のプログラムでは、バッハが独奏楽器の可能性をどのように追求したのか、そしてその作品がどのように受け継がれてきたのかを感じていただけます。それぞれ異なる楽器が描き出す、多彩なバッハの世界を存分にお楽しみください。

 

写真 友澤綾乃

 

2026年8月19日(水)16:00~ バッハと独奏/バッハの独創②

解説:

上述にある通りご紹介した「バッハと独奏/バッハの独創①」では、バッハが独奏楽器の可能性を切り拓いた作品と、その後の受容の歴史に注目しました。「バッハと独奏/バッハの独創②」では、バッハ自身の傑作に加え、その音楽が次の世代へどのように受け継がれ、新しい表現へと発展していったのかを辿ります。

 

冒頭に演奏される「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」は、バッハの無伴奏ヴァイオリン作品の中でも特に重要な一曲です。「バッハと独奏/バッハの独創①」で取り上げるブラームスの「左手のためのシャコンヌ」の原曲は、この作品の終曲にあたり、《シャコンヌ》は単独でも演奏される機会の多い名曲です。この作品はヴァイオリン音楽の最高峰の一つとして広く知られ、多くの名ヴァイオリニストたちに特別な作品として愛されてきました。約15分にも及ぶこの壮大な楽章は、ひとつの主題から次々と変奏が生まれ、独奏ヴァイオリン一挺だけとは思えないほど豊かな響きとドラマを生み出します。

参考音源:https://www.youtube.com/watch?v=qtyTaE7LvVs

 

続く「2本のヴァイオリンのための協奏曲」は、映画『愛と哀しみのボレロ』の冒頭シーンや『ミュージック・オブ・ハート』のクライマックスなど、さまざまな映像作品でも印象的に用いられてきた名曲です。第1・第3楽章では、2本のヴァイオリンが互いの旋律を追いかけ、呼び交わすように音楽を紡ぎ、躍動感あふれる世界を描き出します。対照的に第2楽章では、2つの楽器が寄り添うようにゆったりと歌い交わし、穏やかで美しい響きが広がります。3つの楽章が織りなす鮮やかなコントラストも、この作品の大きな魅力のひとつです。

参考音源:https://youtu.be/DJh6i-t_I1Q?si=CWJ4w5cuOODQqmVd

 

後半の「無伴奏チェロ組曲第6番」は、5弦チェロ(ヴィオロンチェロ・ピッコロなど)での演奏を想定して作曲されたと考えられている作品です。現在の一般的な4弦チェロで演奏する場合は、高音域を多く用いるため高度な技術が求められ、チェリストにとって最も難易度の高い組曲の一つとして知られています。伸びやかな高音の旋律と豊かな低音が響き合い、一挺のチェロとは思えないほど広い音域と、多声的な響きの豊かな世界を生み出しています。楽器の可能性を極限まで押し広げた、明るく開放的な響きもこの作品ならではの魅力です。

参考音源:https://www.youtube.com/watch?v=A2CzpnV_L0k

 

最後に演奏されるC.P.E.バッハの《チェロ協奏曲 イ短調》では、父J.S.バッハとはまた異なる音楽の魅力に触れることができます。C.P.E.バッハは18世紀後半のヨーロッパを代表する作曲家の一人で、その音楽はハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンにも大きな影響を与えました。感情の揺れ動きを率直に音楽で表現しようとする作風は、後に「疾風怒濤」と呼ばれる芸術潮流にもつながる新しい表現を切り拓いたものとして知られています。

この協奏曲の第1楽章では、オーケストラの鋭い短調のリズムの上で、チェロが急速で技巧的なフレーズを次々と繰り広げます。父J.S.バッハが緻密な対位法による構築美を追求したのに対し、C.P.E.バッハは感情の揺れや劇的な表情を前面に押し出しています。親子の個性の違いを感じ取っていただけることでしょう。

参考音源:https://www.youtube.com/watch?v=Gc5a2ByO2-w

 

このプログラムでは、バッハ芸術の頂点ともいえる独奏作品と協奏曲、そしてその精神を受け継いだC.P.E.バッハの作品を通して、一つの時代から次の時代へと音楽が受け継がれていく姿を感じていただけます。それぞれの作品が描き出す響きや表情をお楽しみください。

 

写真 友澤綾乃

 

草津音楽の森国際コンサートホールについて

会場の「草津音楽の森国際コンサートホール」は天狗山センターハウスから車で3分ほどの位置にあります(駐車場は完備、送迎バスも通っています)。開演前にアルプホルンが聴けたり、売店で音楽祭グッズを購入できたり、カフェカウンターもあります。

アクセス https://kusa2.jp/access/access-facility/

 

 

草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル(https://kusa2.jp/)について

世界一流の音楽家を招いて毎年8月に草津温泉を中心に開催しています。2026年は8月17日から31日まで毎日演奏会が行われています。温泉にプラスαで音楽鑑賞はいかがでしょうか。0歳から入場できる「子どものためのコンサート」や名曲を気軽に聞ける「森の音楽会」、夜の湯畑で行われる「湯あがりコンサート」もあります。もちろん、しっかりクラシック音楽を聴きたい方も、期間中の16時から草津音楽の森国際コンサートホールにて開催していますので是非お勧めです。

コンサート全公演についての詳細

https://kusa2.jp/concert/2026schedule/

 

【チケット販売】

コンサートの種別によって値段が異なり、詳細は公式HP(https://kusa2.jp/concert/2026schedule/)をご確認ください。2026年8月17日時点で25歳以下方は、半額でご入場いただけます(入場時に身分証明書が必要です)。

・オンラインチケット購入

GETTIISより https://www.confetti-web.com/@/kusa2_46

※ご予約前にGETTIISの会員登録(無料)が必要です。

※クレジットカード決済、セブンイレブンにて発券となります。

・電話:0279-82-5775 ※2026年6月1日(月)~8月14日(金)10:00~16:00(平日のみ)、2026年8月17日(月)~30日(日) 10:00~16:00(毎日)※支払い方法 郵便振替または銀行振込

・窓口販売:草津音楽の森国際コンサートホール内チケット窓口 ※現金、PayPay、くさつ温泉感謝券。クレジットカードはご利用いただけません。

本記事で紹介のコンサートは、未就学児はご入場いただけませんので予めご了承ください。(未就学児も入場できるコンサートもあります)

 

チケット購入に関する詳細

https://kusa2.jp/concert/ticket-4/

コンサートホール座席表

https://kusa2.jp/wp-content/uploads/2026/06/54b63ac310f4ffe823acd6be381e52e4.pdf

出演演奏者

https://kusa2.jp/concert/46artist/

 

★主催者について

公益財団法人群馬草津国際音楽協会

〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町大字草津字白根国有林54林班地内

TEL 0279-88-8118 / FAX 0279-88-8121 / E-mail: admin@kusa2.jp

草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル ホームページ https://kusa2.jp/

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会社概要

URL
https://kusa2.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
群馬県吾妻郡草津町大字草津字白根国有林54林班地内
電話番号
0279-88-8118
代表者名
松浦晃一郎
上場
未上場
資本金
-
設立
1977年05月