Hyphen社の自動調理システム「メイクライン」、1時間に350食を最高精度で提供
ベッコフオートメーションの技術がフードサービスのデジタル化に貢献
Hyphen社は、米国 カルフォルニア州・サンノゼに2018年7月に創業したスタートアップ企業です。
コロナ禍で、Hyphen社は、メイクライン(Makeline)と呼ばれる新システムを採用しました。
宅配サービスの厨房はもちろん、店舗を構えるレストランでも、デジタル注文に素早くに対応できるコンパクトな機械です。採用されたベッコフのEtherCATプラグインモジュールであるEJシリーズは、お客様専用にカスタマイズされた信号分配基板にコンパクトに配置できるよう設計されており、機能安全を確保するなど、先進の機能を備えています。さらに、ベッコフのオープンな制御技術により、PLCからクラウドへのシームレスな通信を実現しています。
メイクラインは何ができるか
メイクラインは、数百種類の食材をさまざまな温度で管理し、サラダなどのメニューをボウルに盛り付けます。メイクラインのシステムは、Hyphen社のクラウドサービスと接続し、軽量なプロトコールMQTT(Message Queueing Telemetry Transport)でデジタル注文をルーティングします。注文を受信すると、自社開発のディスペンサーが作動してボウルを満たし、コンベアに連結したモジュールを順に通過していく仕組みです。また、食品の安全管理に関する情報や、注文のピーク時間、お客様の注文傾向に関するデータインサイトも提供します。メイクラインの外観は、従来の厨房の調理台と似ています。飲食店スタッフが食材を運び込み、お客様に手作業で配膳することもできます。
EtherCATは食品サービス産業の革新的な自動化に貢献
Hyphen社は、メイクラインが既存飲食店の設備に適合し、今日の厨房に未来の技術を簡単に搭載できるようにしたいと考えました。そのため、伝統的なレストランの厨房と、自動化された調理システムとのギャップを埋める、新しいシステムを設計する必要がありました。必要な機能と柔軟性を、一般的な厨房で使用できるサイズに適合させることが技術的に大きな挑戦でした。
メイクラインでは、70以上のアクチュエータと、クラウドに接続されたコントローラおよびI/Oを、飲食店の厨房レベルの調理台に収める必要がありました。設置面積を最小限に抑えることに加えて、衛生的な基準を満たす必要もありました。これを実現するため、Hyphen社は、プロセス制御に関する情報や、時間と温度、食品保存環境のログの記録などの機能も必要としました。また、500種類もの食材を保存し、メニューに合わせて調理できる機械が必要でした。Hyphen社は、こうしたマテリアルハンドリングの課題を解決すると同時に、最小限の計装で、常に全体を把握できるプロセス制御を望んでいました。
メイクラインの各モジュールは、機能安全に優れたベッコフのプラグイン式EtherCAT TwinSAFE I/OであるEJシリーズを搭載しています。これらのI/Oは、カスタマイズ設計のPCB(信号分配基板)に取り付けて使用します。これにより、従来の配線式I/Oターミナルと比較して、約50%の小型化に成功し、さらに配線ミスを減らすことができました。
破壊の可能性を秘めたレシピ
Hyphen社は2020年半ばにメイクラインの構想化に着手しました。2021年末には最初のユニットが顧客の元に届いています。メイクラインは、99%の精度で正しく注文を処理し、1時間に350食分を生産します。さらに、配膳分量(ポーション)の精度は、業界平均の±15%から±2%まで向上させることができます。
仮に食材を間違えることがあれば、良くて迷惑、食物アレルギーや二次汚染を考えると、最悪の場合、命にかかわることにつながります。
ベッコフの制御ハードウェア、IoT、ネットワーク技術により、Hyphen社は厳しい設置スペースの要件を満たしながら、必要な性能を実現しました。メイクラインは、業界を破壊する可能性を秘めています。現在の飲食店スタッフのキャパシティを17倍にも増やすことができます。これにより、顧客の需要に応え、より多く売るための能力を、根本から変えることができます。食品を効果的にデジタル化することで、伝統的な厨房と自動化調理システムのギャップを埋め、来るべき未来に備えることができるのです。
写真入り記事全文はこちらをご参照ください:
https://v2.nex-pro.com/library/MzczMTA%253D
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