アクプランタ、シリーズAラウンド3社から4.8億円を調達
~気候変動による食糧問題の解決を目指し、海外展開の人材・体制構築の拡充へ~
・ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役パートナー:木場祥介)
・株式会社アイティーファーム(本社:東京都新宿区、代表取締役:黒崎守峰)
・農林中金イノベーション投資事業有限責任組合(運営者:グローバル・ブレイン株式会社)
〇資金調達の目的
今回の資金調達は、米国を中心とした海外展開をより加速することを念頭に、事業推進及びグローバルチーム体制の構築を主な目的としております。CXO候補、海外事業開発担当者、関連分野の研究管理職などのポジションで積極的に採用をすすめ、組織基盤の強化に取り組みます。
〇引受先のコメント(敬称略)
山口 十一郎・ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社 パートナー
アクプランタ社のバイオスティミュラントは、金社長の理研時代の研究成果にもとづき、確固たる技術基盤を有するものと、当社は高く評価しております。今後の社会実装に向け、海外を中心にした展開に注力するとのことで、当社としてもハンズオンで支援してまいりたいと考えております。アクプランタ社のバイオスティミュラントが広く世界に普及し、地球規模で問題解決に貢献することを願ってやみません。
春日 伸弥・株式会社アイティーファーム ジェネラルパートナー
IT-Farmは1999年より日本初のクロスボーダーVCとして全世界の革新的技術にアーリー出資を行って参りました。アクプランタには弊社主催コンテストXTC JAPANでの優勝をきっかけに海外でのネットワーキングをご支援しています。近年北米では乾燥・熱波による農作物被害が深刻化しており、今回アクプランタが海外代理店のみならず現地農家への製品営業を具体的に進展させている事業開発力と技術優位性に注目して出資いたしました。弊社は今後も海外企業との事業開発や資本提携などアクプランタのグローバル価値向上を支援して参ります。
白石 博朗・農林中央金庫デジタルイノベーション推進部部長代理
前回のラウンドに続き、本ラウンドにて追加出資をさせていただく運びとなりました。世界規模で温暖化や水不足等の環境課題が農業に与える影響は大きく、植物エピジェネティクスの最先端の研究成果を基にした当社製品は、今後更に世界に広がっていくポテンシャルを持つものだと確信しております。今回の出資を通じて、国内への販売に加えて、海外における拡販が進み、世界での持続可能な農業や食料生産の実現に向けて、当社の技術が広がっていくことを楽しみにしております。
西山 友加里・グローバル・ブレイン株式会社 ディレクター
前回に引き続き、今回のラウンドでも出資をさせていただきました。気候変動の影響はあらゆる分野で顕在化していますが、特に異常気象や水不足が農業分野に与える影響は深刻です。アクプランタ社は植物エピジェネティクスに関する高い研究開発力をもとに農業分野の課題解決に真正面から取り組んでおります。前回出資後から、より大きな市場の存在する海外での展開にむけて本格的に動き出しており、今後もグローバル展開にチャレンジを続けるアクプランタ社のさらなる飛躍に期待しております。
〇金鍾明アクプランタ代表取締役社長のコメント
この度、私たちアクプランタは「気候変動を、ともに生き抜く」というミッションのもと、「地球沸騰」に苦しむ地域の食料と環境を守る具体策として当社の技術を世界に展開するため、ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社、株式会社アイティーファーム、農林中金イノベーションファンドから、シリーズAの資金調達を実施いたしました。本調達を起爆剤として、世界展開を見据えて旱魃(かんばつ)と熱波の被害が恒常化しているアメリカでの実証試験と技術の拡大を進めます。アクプランタはチーム一丸となり、気候変動による地球規模の課題解決に邁進してまいります。
〇アクプランタ株式会社について
当社は、「Greenfulness-気候変動を、ともに生き抜く-」をミッションに、植物を様々な環境ストレスから守るバイオスティミュラント資材を開発するアグリバイオスタートアップです。バイオスティミュラント資材とは、植物やその周辺環境が本来持つ自然な力を活用することにより、植物のストレスへの耐性、収量と品質、収穫後の状態及び貯蔵などについて、植物に良好な影響を与える資材群です。農業分野における気候変動の影響や減農薬・減化学肥料意識の高まりを背景として、欧米を中心に世界中で利用ユーザーが急速に増加しております。
現在当社では、創業者の金鍾明が理化学研究所の研究員時代に、植物の環境ストレスとエピジェネティクス*に関する研究を通して発見した「酢酸が植物の乾燥耐性を高める」というメカニズム(図1)を基に開発したバイオスティミュラント資材「Skeepon(スキーポン)シリーズ」を販売しております。Skeeponを植物に投与することで、植物自身が乾燥・高温耐性を高め、過酷な環境下でも生育を維持し、植物のロスを減らすことができます。(図2)2019年から日本国内での販売を開始し、全国の農家様やゴルフ場様を中心にご利用をいただいております。
*エピジェネティクス:DNAの配列変化によらない遺伝子発現を制御・伝達するシステムおよびその学術分野のこと。
図1: 植物の乾燥耐性機能と酢酸に関するメカニズム
図2:2021年夏における北海道のブロッコリー農場での試験事例
当社は、バイオスティミュラント資材の開発や植物分野における研究開発を通して、世界的に課題とされている異常気象による植物資源生産へのダメージ、飢餓、栄養失調などの食糧問題の解決を目指しております。また、砂漠の緑化や森林の回復による環境保全、節水による天然資源の効率利用、植物の生産管理コストの低減に貢献することで、世界中の人々が心豊かに暮らし続けられる地球を実現すべく活動を行ってまいります。
〇採用情報
事業拡大中の当社では複数のポジションで人材を募集しています。詳しくは、当社採用ページおよびWantedlyをご覧ください。
採用ページ: https://ac-planta.com/entry_info/
Wantedly: https://www.wantedly.com/companies/company_6921401
【求める人材】
・日本の技術や製品を世界に展開し、気候変動下での農作物の安定供給の基盤づくりに貢献したい方
・農業・化学分野での研究成果の社会実装を推進したい方
・インターナショナルな環境でフラットなコミュニケーションがとれる方
【募集職種】
・経営企画部長:全社経営戦略の策定・運用体制構築を任せられるCSO/CFO候補。経営戦略をリードするだけでなく、研究シーズの事業化推進や投資家とのコミュニケーションなど、社内外含めて横断的にファンクションをこなすために考えながら動ける人。
・研究部長:研究チームをリードする管理職。経営戦略を踏まえた研究の統括と質の高い研究成果を継続して生み出せる人。農薬・化学メーカーなどでの製品開発チームのマネジメント経験者が望ましい。
・海外事業部長:米国を中心とした海外市場での新規事業開発担当。海外での事業展開の経験、企画立案と実行の能力があり、海外パートナーとのアライアンス構築や各種交渉を任せられる人。
〇経営陣のご紹介
・代表取締役社長 金 鍾明
長崎大学水産学部を卒業後、国立奈良先端大学院大学にて学位を取得(博士:バイオサイエンス)。酵母菌を用いたDNA複製研究を進めるとともに、ミトコンドリア維持に必須のアミノ酸代謝経路を発見した(学位論文)。その後は、UCLA分子生物学研究所にて、酵母菌を用いたエピジェネティクス研究に従事。帰国後、 理化学研究所 植物科学系研究センターにて研究員となる。植物研究分野において、環境ストレスとエピジェネティクスを結びつける研究分野を開拓した。
この研究の成果から、全ての植物が酢酸を利用して環境ストレスに耐性化することを発見。研究成果をいち早く社会実装し、地球温暖化による地球の食料問題と環境問題を解決するため、アクプランタ株式会社を設立し、CEO 代表取締役社長に就任した。東京大学大学院農学生命科学研究科特任准教授を兼任。
・取締役COO 中坂 高士
北海道大学環境科学院在学時に、モンゴルの森林火災を研究する中、環境問題と社会には深い関係があることを目の当たりにし、持続可能な社会とは何かを問うきっかけを得る。その経験から、事業を通じて社会課題を解決したいと考え、大学院卒業後は総合商社に3年勤務。
目指す事業を創るには、専門性とグローバルな仲間が必要と考え、日本の有機農家にて住み込みで約1年間農業に従事したのち、オランダWageningen大学でOrganic Agricultureの修士号を取得した。在学中のインターンシップでは、IITA(International Institute of Tropical Agriculture)ガーナ事務所で、バイオイノキュラントを普及する活動に従事。
その後、国際開発やスマート農業に関わる業務を経て、世界の持続可能な社会実現に貢献するべく、アクプランタにCOOとして参画した。
〇会社概要
会社名:アクプランタ株式会社
代表者:代表取締役社長 金 鍾明
所在地:〒113-0034 東京都文京区湯島2-16-9 ちどりビル3F
設立:2018年2月7日
連絡先:info@ac-planta.com / 03-4405-1625
事業内容:乾燥・高温・塩害耐性を備えたバイオスティミュラントの研究開発、製造及び販売
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