1500年の時を経て姿を現した木製はにわを後世に伝えたい。木製はにわ保存の費用をふるさと納税型クラウドファンディングで募集開始【第二弾】
大阪府初出土。国内最大約3.5メートル、劣化が進んでしまう貴重な木製はにわを羽曳野市で保存するため、ふるさと納税型クラウドファンディングで資金を募ります。
大阪府で初めて出土した「石見型木製はにわ」、令和3年の発掘調査で発見されたものの取り出せず、令和4年の再調査でようやく姿を現しました。この約3.5メートルの大型木製はにわは、粘土層による保護のおかげで、1500年の間朽ちることなく甦った貴重な文化財です。しかし、外気に触れた瞬間から劣化が始まり、そのままでは朽ちてしまうため、乾燥や腐敗を防ぐ「保存処理」が必要とされています。今年度には、保存作業の一環として「トレハロース含浸」を実施中であり、この作業にかかる費用を募るための「ふるさと納税型クラウドファンディング」が開始されました。
プロジェクト概要
プロジェクト名:【第二弾】1500年の時を経て姿を現した「木製はにわ」を後世に伝えたい
プロジェクトページ:GCFプロジェクトページリンク
掲載サイト:ふるさとチョイスガバメントクラウドファンディング
目標金額:1,600,000円
募集期間:2024年10月28日~2025年01月25日
寄附金の使い道について
【寄附金の使い道】
トレハロース含浸による保存作業にかかる費用へ充当
【実施手順】
・木製はにわ全体を沈められる大きさのプールを用意し、トレハロース濃度20%の水溶液に浸す。
・浸透圧により、木製はにわに含まれている水分がトレハロース水溶液と入れ替わる(含浸)。
・水溶液の温度、濃度を徐々に上げていく(濃度20%→70%、温度40℃→70℃)ことにより、含浸を促進させる。
・含浸が完了したら木製はにわを引き上げ、乾燥させる。乾燥期間中は、内部のトレハロースが残っている水分と共に重力で偏らないように、一定期間ごとに裏返すなどの作業を行う。
・木の内部にまでしみこんだトレハロースは、水分が蒸発すると、強い結晶(ガラス化)となり内部が安定し、形状が保たれる。
※工期の関係からすでに作業を開始しており、令和7年3月の完了をめざしています。
※目標金額に達しなかった場合でも保存処理は行います。
※目標金額を上回った場合は、木製はにわの展示にかかる設備や施設改修のための費用に充てさせていただきます。
クラウドファンディングに合わせ「古市古墳群オリジナルグッズ」が返礼品に登場
羽曳野市 古市古墳群オリジナルグッズ 4点セット
寄附金額:8,000円~
商品情報:羽曳野市 古市古墳群オリジナルグッズ 4点セット
内容量:・フェイスタオル
・クリアファイル
・ブックマーカー
・5枚組ポストカード
返礼品ページはコチラをご確認ください(ふるさとチョイス)
2022年、羽曳野市に姿を現した貴重な文化財「木製はにわ」
峯ヶ塚古墳は、大阪府で唯一の世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の構成資産です。
国の史跡にも指定されている一方、宮内庁が管理する「陵墓」には含まれておらず、現状は羽曳野市が管理しています。
このため、発掘調査の実施が可能で、昭和62年から現在まで続く発掘調査により築造当時の姿が明らかになりつつあります。また石室からみつかった豪華な副葬品をはじめ、3,700点にも上る出土品を誇る学術的にも貴重な古墳です。
令和3年の発掘調査で発見されるも取り出せず、翌令和4年の再調査でようやく取り出された大型の「木製はにわ(石見型木製品)」は、粘土層による保護のおかげで、1500年の間朽ちることなく現代にその姿を現しましたが外気に触れた瞬間から劣化が始まり、そのままの状態ではやがて朽ちてしまいます。そのため、劣化を防ぐ「保存処理」が必要となります。
希少な「木製はにわ」を保存する取り組みについて
前回のふるさと納税によるご支援で木製はにわ保存のための前処理を行いました。
令和5年度は、保存のための前処理として、木製はにわ本体の洗浄と3次元計測を行いました。
保存前処理として、木製はにわの表面に付着した様々な異物を洗浄、清掃により取り除き、各種計測機器や撮影機材を用いて精密な形状計測、写真撮影などデータ収集を行いました。この保存前処理については、昨年行いましたふるさと納税型クラウドファンディングにより集まりました全国の方々からご寄附を使用させていただきました。
前年度に引き続き、令和6年度は、保存のための本処理として、「トレハロース含浸による保存処理」を行っています。トレハロース含浸法は埋蔵文化財の保存処理としては定評のある手法ですが、対象物の大きさなどによっては、非常に時間がかかる作業であり、この木製はにわほどの大きさともなると、工程全体でかかる期間は約1年にもなります。
今回はこのトレハロース含浸による保存作業にかかる費用を募るためのふるさと納税型クラウドファンディングが開始されました。
羽曳野市生涯学習部文化財・世界遺産室からのメッセージ
木製はにわは、本市の遺跡から出土したものではありますが、文化財はすべて「国民共有の財産」であり、保存処理完了後は多くの方々に出土した古墳とともに見ていただきたく、現在整備構想中の歴史資料館などでの展示を予定しています。
木製はにわの他にも、埋蔵文化財は、いま私たちが住んでいる土地の地下に埋もれているため、建物の新築や宅地の造成時における調査などで、皆さんのご協力が欠かせません。
どの自治体でも、このように出土した埋蔵文化財について、時間も費用もかけて保存・保護のための活動をしていますが、市域26.45平方キロメートルの40%以上が埋蔵文化財包蔵地(遺跡)となっている羽曳野市においては特に費用面において厳しい現状があります。
担当者は日々調査や分析、報告などの作業を通して新たな埋蔵文化財を発見・保護し、調査の成果を公開することでまちの発展と文化財の保護・保全のバランスを整えています。ぜひとも皆様からの温かなご支援賜りますようお願いいたします。
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