ウガンダ政府にスキーポン製品登録申請へ
気候変動下の普及図る
申請の経緯と展望
東アフリカの内陸国・ウガンダ共和国は、人口の7割が農業に従事し、農作物の輸出国として知られています。一方、気候変動の影響を受けて乾季が長期化し、干ばつによる作物の収量に影響が出ています。また、同時に周辺国での食糧需要も高まっています。
同国での干ばつ対策の必要性が高まる中、2022年11月、Kaahwa Tophace駐日ウガンダ共和国特命全権大使が、日本国内でスキーポンを使用した作物栽培を視察。干ばつ対策として植物活性剤への理解を深めていただきました。
2023年1月には、駐日ウガンダ共和国大使館のご紹介で、ウガンダ国立農業研究機関(NARO)と共同研究の覚書を交わし、トマト、トウモロコシ、ブロッコリーの室内栽培で、「スキーポン」を使った作物の生育状況を確認する実証実験を開始しました。
屋内の実証実験では、無給水の状態での作物の乾燥耐性が確認され、屋外での実験も進めてまいりました。合わせて、同機関職員にスキーポンを使った作物栽培への助言や、実証実験のデータの共有を毎月行ってまいりました。
2023年に、独立行政法人国際協力機構(JICA)の 「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に「ウガンダ国干ばつでの植物生育を促進するバイオスティミュラントにかかるビジネス化実証事業」(2026年3月契約終了)が採択され、ウガンダ国内での販路開拓に向けた取り組みが本格化、その一歩として5月に「スキーポン」を同国で販売する際に必要な製品登録を申請する運びとなりました。
申請が受理された後、今後約1年をかけ、同国内で、製品登録で義務付けられている実証実験に着手、実験結果はウガンダ政府に提出し、製品登録が検討されます。具体的にはトウモロコシとトマトの栽培で、スキーポンを使い生育を比較します。この実証実験のパートナーには、ウガンダ国立作物資源研究所(NaCCRI)の研究員が任命されました。
2024年4月の渡航では、弊社メンバーがJICAのコンサルタントとともに同国を訪問。Monica Musenero科学技術イノベーション相ら閣僚・次官級との協議の場で、スキーポンを紹介させていただいただいたほか、Yoweri Kaguta Museveni大統領やRobinah Nabbanja首相とも懇談しました=下写真。
その様子は国内の新聞・テレビやニュースサイトでも掲載され、気候変動下での作物の安定供給に向けた、新たな栽培技術として大きな期待をいただきました。また、地域の農家にもお邪魔し、栽培方法を見せていただきました。
ウガンダの現地メディアの関連記事
Youtube: https://www.youtube.com/watch?v=jCo1tss1mVY
President Museveni meets Japanese investor over fertiliser project - New Vision Official: https://www.newvision.co.ug/category/news/president-museveni-meets-japanese-investor-ov-NV_186631
Planta's biostimulants induce plant drought tolerance - UG Diplomat: https://ugdiplomat.com/museveni-meets-japans-ac-planta-boss-welcomes-agric-tech-proposals-for-crop-resilience/
ウガンダの渡航に関する弊社のニュース
https://ac-planta.com/news/
金 鍾明CEOのメッセージ
今回の訪問を通じ、ウガンダの農家さんたちはとても純粋で、生まれ育った自然と土を大切にしていることがよくわかりました。しかし、地球沸騰化による衝撃はこれら発展途上国の農業生産と生活の質の低下に直結しています。多くのアフリカ諸国では、最新の農業技術に関する情報へのアクセスは難しく、日本で一般化している簡単な農業技術の導入でさえも叶いません。そうした中で弊社の技術を異常気象対策の重要技術として着目していただき、国を上げて期待と支援をしていただけることは大変にありがたいことです。ウガンダ国を出発点として、異常気象で疲弊する世界の人々の生活と環境を守るため、弊社は努力を続けます。
国際協力機構(JICA)「中小企業・SDGsビジネス支援事業」
「中小企業・SDGsビジネス支援事業」は、これまでの政府開発援助(ODA)を通じて築いてきた、開発途上国政府とのネットワークや信頼関係、ノウハウ等を活用し、日本が開発途上国の課題解決に貢献するため、現地機関と日本の民間企業等とのビジネスづくりを支援するものです。同事業には、ビジネスの検討段階に応じた2つの支援メニューがあり、このうち、弊社は「ビジネス化実証事業」(下参照)に応募、採択されました。
※JICAプレスリリースはこちら
https://www.jica.go.jp/information/press/2023/1527096_25245.html
「ビジネス化実証事業」の目的
開発途上国の課題解決に貢献し得るビジネスの開始に向けて、製品/サービスに対する顧客の受容性を確認した上で、製品・サービスの提供体制の構築及び収益性確保に目途を立て、事業計画の精度を高めることです。
※国際協力機構(JICA)のホームページから抜粋。
バイオスティミュラント製剤「スキーポン」
バイオスティミュラントは、「生物」(バイオ)と「stimulant」(刺激剤)を組み合わせた呼称で、農薬、肥料、土壌改良資材など、従来の農業対策に次ぐ技術です。植物が本来持つ作用を刺激することで、気候や土壌からのストレスやダメージへの耐性を高めます。
「スキーポン」は、酢酸(酢の主成分)の作用を活用したバイオスティミュラントで、酢酸の作用で植物の乾燥や高温への耐性を高めることで、収量や品質の維持や節水に繋げることができます。
アクプランタ株式会社について
創業者・CEO代表取締役社長の金鍾明が、理化学研究所の研究員だった2017年、学術誌「Nature Plants」に発表した、植物の乾燥耐性を高める酢酸の作用を活用したバイオスティミュラント資材「スキーポン」を開発したアグリバイオスタートアップです。
気候変動や減農薬・減化学肥料の需要の高まりを背景に、国外では米国やウガンダなど14カ国で、スキーポンによる高温・乾燥対策の実証実験に取り組んでいます。
国内ではJAふじ伊豆(静岡県)、群馬、愛知、和歌山の各県農業試験場、全国各地の農家、農業グループ、企業などと取り組んでいます。
第6回 アグリテックグランプリ最優秀賞/第1回JAアクセラレーター優秀賞/AgriFood SBIRピッチ2023ビジネス構想最優秀賞、日本経済新聞社主催「超DXサミット インパクトピッチ」日経賞など、受賞多数。
お問い合わせ
アクプランタ株式会社 鈴木
e-mail: h.suzuki@ac-planta.com
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