スマートラウンド、1倍非参加型の優先株式でシリーズAを調達

株式会社スマートラウンド

株式会社スマートラウンド(本社:東京渋谷区、代表取締役:砂川大、以下スマートラウンド)は、この度、シリーズAラウンドの資金調達を1倍非参加型の優先株式で行いました。「スタートアップの可能性を最大限に発揮できる世界をつくる」をミッションに掲げるスマートラウンドでは、自社のこれまでの資金調達においても日本の全てのスタートアップのためになる挑戦を行い、その考え方と実務上の注意点などを発信してまいりました。

〈スマートラウンドの特徴的な資金調達事例〉
・エンジェル投資家20人強から資金調達
・日本政策金融公庫の資本性ローンを利用した資金調達
・FF APAC(米国Founders Fundのスカウト・ファンド)からJ-KISSで資金調達

今回のシリーズAラウンドは、資金調達における「日本のガラパゴス的常識」の改善に自らチャレンジし、日本のスタートアップ環境を「世界標準」に近づける試みのひとつです。

スマートラウンド、1倍非参加型の優先株式でシリーズAを調達スマートラウンド、1倍非参加型の優先株式でシリーズAを調達

■優先株式とは
優先株式とは、会社法で定められている種類株式の一種で、その保有者である優先株主は普通株主に優先して特定の利益を享受することができるように設計された株式のことをいいます。
このうち、スタートアップ投資の実務では、スタートアップがM&Aなどで売却された時に、その売却益を優先株主に対して先に分配する「残余財産優先分配権」が定められた優先株式を活用するのが一般的です(みなし清算条項により、M&Aを清算とみなした場合)。

■優先株式における参加型と非参加型の違い
残余財産優先分配権には、参加型と非参加型の2つの種類があります。
参加型では、以下の左の図のように、M&Aなどによる会社売却益を分配する際に、まず最初に優先株主にその投資額を分配します。その上で、まだ分配できる売却益が残っている場合には、優先株主を含む全株主がその持分比率で分け合います。
一方で非参加型は、右の図のように優先株主に投資額を分配した後、まだ分配できる売却益が残っている場合でも、優先株主には分配せずに普通株主だけで分け合うというものです。
 

参加型優先株式と非参加型優先株式参加型優先株式と非参加型優先株式

自社の優先株式がどのような設計になっているかは、優先株式を発行する際の株主総会議事録に添付された発行要項や、その際に変更した定款の優先株式の項目で確認することができます。

参加型の場合の例

  • A種優先株主又はA種優先登録株式質権者に対して、第1項に従い残余財産の分配をした後になお残余財産がある場合、当会社はA種優先株主又は A種優先登録株式質権者に対し、 普通株主及び普通登録株式質権者と同順位にて、 A種優先株式1株につき、 普通株式1株当たりの残余財産分配額にA種転換比率を乗じた額の残余財産の分配をする。

非参加型の場合の例

  • 前項による分配の後なお残余財産がある場合には、A種優先株主及びA種優先登録質権者に対して分配は行わず、普通株式及び普通登録質権者に対してのみ分配を行う。

■日本の常識と世界の常識
日本ではスタートアップにとって不利な参加型が一般的な契約条件となっています。Coral Capitalの調査(https://coralcap.co/2019/12/seed-finance-03/)によれば、日本のスタートアップが発行した優先株式の実に97%が参加型であるといわれています。
他方、米国では日本とは逆で、スタートアップにとって有利な非参加型とするのが常識となっています。シリコンバレーで著名な法律事務所の一つであるFenwick & West LLPの2022年の調査レポート(https://assets.fenwick.com/documents/Silicon-Valley-Venture-Capital-Survey-Second-Quarter-2022.pdf)によれば、参加型の優先株式を利用した資金調達は全体のわずか5%未満となっています。

■なぜ世界標準である必要があるのか(株式会社スマートラウンド 代表取締役社長 砂川 大のコメント)
岸田内閣は2022年を「スタートアップ創出元年」と位置付けました。その実現のためには、世界で活躍する日本のスタートアップがどんどん誕生し、海外の投資家も日本のスタートアップにどんどん投資をする、こうした循環が起こらなくてはなりません。
しかし、上記の優先株式の参加型/非参加型の違いにみられるように、日本のスタートアップを取り巻く環境には、依然として「ガラパゴス的常識」が存在します。私は、(米国が主導する)世界標準のスタートアップのフレームワーク、またそれがスムーズに稼働するエコシステムに変換していくことが、この循環を可能とする必須条件だと考えています。
もう少し具体的な話をすれば、米国の投資家は「標準的ではない投資条件を受けてしまっているスタートアップ」に投資をすることを躊躇します。必要のない不確定要素とリスクを負うことを嫌うためです。日本の1倍参加型の優先株式による投資は、彼らからするとこの「標準的ではない投資条件」そのものです。
こうしたガラパゴス的状態を打破する試金石となるために、また自社のシリーズBで海外投資家から資金を調達することを目的に、スマートラウンドは今回のシリーズAの投資条件を非参加型の優先株式とすることにしました。
とはいえ、このチャレンジはスマートラウンドの一方的な考えで実現するものではありません。全ては理解を示してくださったシリーズAの投資家のおかげです。ここに最大限の敬意を表するとともに、お礼を申し上げたいと思います。
数ヶ月以内にシリーズAのエクステンションを行う予定ですが、それがクローズし次第、追加でスマートラウンドとしての考え方や、実務からの学びを改めて共有する予定です。ご期待ください。

■今後の展開
スマートラウンドは「スタートアップが可能性を最大限に発揮できる世界をつくる」ことをミッションに掲げ、スタートアップには事務作業の効率化や「よくある失敗」の回避のために、投資家には投資先やファンドの管理をミスなく効率化するために「smartround」を提供しています。
今後は、スタートアップ自身が利用したくなる未上場株式のセカンダリーマーケットの実現、さらには海外展開の準備をすすめていきます。今回調達した資金は、このための事業開発、プロダクト開発、組織開発に充当いたします。
スマートラウンドはミッションの実現に向けて、全職種で採用を強化しております。スタートアップの発展に寄与したい、スタートアップが抱える問題を解決したい、なによりもスタートアップが大好きだ、といった方のご応募をお待ちしております。
■「Smartround Academia 2022 Fall」開催決定!
10/4(火)に「Smartround Academia 2022 Fall」を開催いたします。
3つのトークセッションに加えて、起業家と投資家の1on1壁打ちイベント「今をときめく!投資家壁打ち第4弾」を行います。
第1部では、ベンチャーキャピタリストのグローバルランキングであるMidas List 100に日本人として初めてランクインしたSozo Ventures中村氏をお招きし、スマートラウンド砂川との対談形式でグローバルなスタートアップ事情について伺います。
イベントの詳細は下記をご覧ください。皆様のご参加お待ちしております!

Smartround Academia 2022 FallSmartround Academia 2022 Fall

【イベント概要】
日時:2022/10/04 (火)14:00~19:00 入退室自由
場所:オンライン開催(第1部のみオフライン会場も含むハイブリッド開催)
主催:株式会社スマートラウンド
協賛:株式会社セールスフォース・ジャパン、株式会社LegalForce、株式会社ファイナンス・プロデュース、株式会社ユーザベース(INITIAL)
共催:oVice株式会社
【プログラム内容】
第1部 14:00〜15:00 世界を動かすキングメーカー Sozo Ventures 中村さんに聞く、グローバルスタートアップ事情(第1部のみオフライン×オンラインのハイブリッド開催)
第2部 15:00〜16:00 爆伸びスタートアップに聞く!顧客獲得のリアル
第3部 16:00〜17:00 Web3.0最新アップデート
第4部 17:00〜19:00 今をときめく!投資家壁打ち第4弾

■smartroundについて
スタートアップと投資家間のやり取りを効率化するためのデータ作成・共有プラットフォームです。スタートアップ向けには株主総会、資本政策、ストックオプション管理など管理業務を効率化するサービスを提供。投資家向けにはソーシングや投資先管理、パフォーマンス分析、レポーティングなどのファンド関連業務を効率化するサービスを提供しております。3,100社以上のスタートアップに利用されており、投資家やアドバイザー向け有料サービスも50以上の組織に利用されております。
■会社概要
会社名:株式会社スマートラウンド
所在地:東京都渋谷区道玄坂1-16-6 二葉ビル3F
設立日:2018年5月30日
代表者:砂川大




 

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株式会社スマートラウンド

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URL
https://jp.smartround.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内1丁目6−5 丸の内北口ビルディング9F
電話番号
03-4405-2042
代表者名
砂川 大
上場
未上場
資本金
1700万円
設立
2018年05月