ニールセン、「新型コロナウィルスによる消費習慣への影響(日本版)」第2期(2020年4月~5月)調査結果を発表
~緊急事態宣言から4週間、保守的な日本の消費者にも大きな変化のうねりが~
・回答者の3人に1人は新型コロナの沈静化には1年以上かかると予想。
・回答者の過半数が行動制限の解除後も活動レベルをコロナ以前ほどには戻さない考え。
東京、2020年5月22日 - ニールセンでは、70以上の国と地域において実施した世界最大規模の調査「新型コロナウイルスによる消費習慣への影響(3月)」に続き、同調査の第2期調査を2020年4月30日~5月2日に掛けて日本において実施、調査結果を発表しました。
日本では、4月7日に緊急事態宣言が発令されており、各自治体における感染拡大対応策の本格化も伴って、4月以降、消費者の行動パターンにより大きな変化が表れるだろうことが予測されていました。こうした状況を受け、ニールセン・カンパニー(日本)では、3月の調査に続く追加調査を4月30日より行い、激変する消費行動をリアルタイムで追跡しました。
同調査は、インターネットにて日本全国526名を対象に、4月30日~5月2日に掛けて実施。感染に対する危機意識、情報の入手方法、行動や消費の変化、今後に対する懸念など、幅広い項目で全国の消費者より回答を得ています。注目される流行後の行動変化については、eコマースを含む買い物の場所や手段、国内外旅行や娯楽、移動など多数の領域について、また、消費量の変化については、食品・日用品関連項目を多数設定し、消費者の行動パターンの変化に関し詳細にわたる回答を得た上で、分析を行っています。
強まる危機意識と長期化への認識
調査結果から、緊急事態宣言以降、日本人の新型コロナウイルスの感染拡大に対する危機意識が大きく強まった事が分かります。3月中旬の時点では、55%の人が自身の感染リスクを懸念していましたが、今回5月初旬の時点では76%に増加しました。また、この問題が長期化するとの認識も広まっており、前回の調査では、沈静化に1年以上を要するだろうと考えていた人は約1割程度でしたが、5月初旬の時点では3人に1人が1年以上掛かるだろうと捉えています。
危機意識に伴う日常行動の変化
3月中旬の時点では、日本人の警戒意識は高い水準にあったものの、他のアジア諸国と比べて実際の日常行動はそれほど変化していないという結果でした。しかし、この1カ月半の間に日本人の行動は大きく変化しました。最も顕著なのは余暇活動の減少、家庭での調理や食事の増加、買い物の頻度、実店舗からオンラインへのシフトなどです。また、在宅勤務も大きく増加しました。5月初旬の時点ではオフィスワーカーの8割が在宅勤務を経験し、その内約7割が新型コロナウイルス感染拡大以降、在宅勤務の頻度を増やしています。
コロナとの冷戦下における新たな消費価値基準
半数以上の回答者は、行動制限が解除された後も直ぐに行動レベルをコロナ以前に戻すことを考えていません。感染再拡大の危険、経済的な不安といった「コロナとの冷戦期」とも言うべき、緊張が続く環境において新しい日常を送る消費者は、新たな価値基準を模索しています。日本では、感染拡大期には多くの食品や日用品の消費増加が見られましたが、今後は既に海外で見られるような、より嗜好性の高い製品カテゴリー、ブランドから実用性の高いカテゴリー、ブランドへの消費のシフトが日本でも見られるかもしれません。変化していく消費者の新たな価値基準に応じたベネフィットを訴求していくためには、当面、より高い頻度で継続的に消費者意識を理解していく事が求められます。
調査結果レポートは、5月25日販売開始となります。レポートの詳細に関しては、ニールセン・カンパニー合同会社(Eメール:JPNwebmaster@nielsen.com)までお問い合わせください。
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