農業技術(アグテック)スタートアップの輝翠TECHは、AIロボットプラットフォーム「アダム」向けのアタッチメント開発を開始した
農薬散布と草刈りの設計を完了し、実証実験の準備に着手した。
2021年9月に設立された農業技術スタートアップ、輝翠TECH(以下、輝翠TECH)は、2023年4月に青森県のアップル農園で、ロボットを活用した初の有償パイロット・プログラムを開始した。輝翠TECHはJAアクセラレーターに選出され、各自治体からの支援を受けながら、リンゴ、ブドウ、ナシ、柿などさまざまな果樹園でKisuiロボット(アダム)をテスト走行しており、将来的には露地野菜にも展開する計画をしている。
現在は、農家は運搬機、草刈り機、速度調整型農薬散布機、肥料散布機など、複数の高価な機械を購入しなければならない。しかしこれらの機械は年に数回、または短いシーズンだけ使用されるケースが多い。輝翠TECHの目標は、これらの機能を1台の機械で統合し、より経済的な方法で製造することで、1台の機械で年間を通じて使用可能なだけでなく、コスト効率が高く、手頃な価格で購入できるようにすることである。
草刈りや農薬散布は体力的にも負担が大きく、頻繁に行われ、1回の作業にかかる時間も長いため、こうしたアタッチメントを搭載することで、ロボット・プラットフォームを通じて農家により多くの利益を提供することが可能である。
Kisuiロボット(アダム)のコンセプトは当初から、高齢化する農家による労働力不足を克服し、これまで耕作放棄されていた農地を再活用する支援、そして高齢の農家が引退に向けて進むことによって、耕作放棄地を増やさないようにすることだった。アタッチメントの機能追加によって、これらの目標を更に推し進めることができる。
アタッチメントによって、高価な複数の機械が1台の手ごろな価格のロボット・プラットフォームで統合され、多様な作業を実行できるようになるのだ。