シンガポール経済開発庁、ベンチャー企業の育成支援のために 3,200万シンガポールドル(約35億5,200万円)を追加出資

企業とスタートアップとのパートナーシップを促進

シンガポール経済開発庁

シンガポール経済開発庁(EDB)は、シンガポールのベンチャー企業(既存企業による新興事業)の育成を支援するコーポレート・ベンチャー・ローンチパッド3.0(以下、CVL3.0)に、今後2年間で3,200万SGD(約35億5,200万円)の新たな資金を追加出資します。CVL3.0では、シンガポールを拠点とする既存の企業とスタートアップ(少数または個人の起業家による新興企業)とのパートナーシップの分野にも注力していきます。

EDBのベンチャー企業育成部門であるEDBニューベンチャーズは、CVL3.0のパートナー企業9社とともに、高成長分野での新規ベンチャー創出に向けた指導や効果的なコラボレーションに注力します。

第一弾のCVL1.0は1,000万SGD(約11億1,000万円)のパイロットプログラムをベースに2021年5月に始動したもので、第二弾のCVL2.0は2022年7月に、より多くの企業を対象に2,000万SGD(約22億2,000万円)の追加出資によって強化されました。

CVLプログラムの立ち上げ以来、EDBはパートナー企業24社による14のベンチャー企業創出を支援しており、さらに複数の案件が進行中です。これらのベンチャー企業はシンガポールに本社を置き、地域市場をターゲットにビジネスチャンスを創出しています。また、既存および新規の投資家から7,000万SGD(約77億7,000万円)を超える追加融資を受けています。パートナー企業のうち少なくとも10社は複数のベンチャー企業を設立しており、専門のベンチャー組織を設立している企業もあります。また6社は、持続可能性やAIといった新たな成長分野のビジネスチャンスに注力しています。

CVL2.0による新規ベンチャー企業の詳細については、添付の参考資料Aをご参照ください。

EDBのジャックリーン・ポー(Jacqueline Poh)次官は、次のように述べています。

「CVLプログラムでは、シンガポールのワールドクラスのビジネス・エコシステムを活用することで、成長のためのイノベーション創生を加速してきました。CVL3.0は、ベンチャー企業創出を通じてイノベーションの足跡を深め、企業とスタートアップのウィン・ウィンのパートナーシップを支援するEDBのコミットメントを再確認するものです」

スタートアップとのパートナーシップを支援するプログラムの拡大

CVL3.0では、企業が革新的な製品、サービス、テクノロジーにアクセスするための新たな道筋となる、企業とスタートアップのパートナーシップへの支援を導入します。

企業は、新製品の共同開発による新たな収入源の確保や、生産性を高めてコストを削減するなどの商業的成果を出すために、オープン・イノベーション・パートナーズと協力して、既存の優良スタートアップとパートナーシップを組みます。これらのスタートアップは、シンガポールのリアルな需要を取り込むことで成長機会を拡大し、地元の起業家によるエコシステムを活性化させることになります。

企業とスタートアップのパートナーシップが革新と成長を促進している一例として、シーメンスとアーティザン・グリーンの協業があります。シニア・バイス・プレジデント兼シーメンス・デジタル・インダストリーASEAN担当ヘッドであるイザベル・チョン(Isabel Chong)氏は、次のように述べています。

「スタートアップとのパートナーシップは、シーメンスの長期的な成長戦略の一環です。例えば、地元の水耕栽培農家アーティザン・グリーンとの協業によって、当社のオートメーションとデジタル化ソリューションを活用することで生産量を増やし、事業を拡大します。これは、当社の技術的専門知識とアーティザン・グリーンの都市型農業へのアプローチとの相乗効果、そして高品質な地元農産物の持続可能な生産への共通のコミットメントを示しています。EDBのCVL3.0が、企業とスタートアップの相乗効果を育み、業界全体の協業を促進する支援であることを嬉しく思います」

長期的なベンチャー企業創出力の強化に引き続き注力

CVL3.0は、引き続き、シンガポールに本社を置く新規ベンチャー企業の創出を通じて、ビジネスチャンスを多様化する企業を支援します。ベンチャー・スタジオ・パートナーズとの協力により、参加企業は6ヶ月のスプリントでコンセプト検証を学ぶとともに、持続的かつ長期的なベンチャー企業創出力を構築します。

専門エンジニアリングのグローバル企業であるIMI plcは、持続可能なエネルギーベンチャー企業をさらに発展させるため、CVLプログラムへの参加後、社内ベンチャー企業育成部門であるIMI ベンチャー・スタジオを立ち上げました。責任者であるマルコ・プラチディ(Marco Placidi)氏は、次のように述べています。

「CVLは、IMIがシンガポールにベンチャー・スタジオを設立することを決定した大きな要因です。EDBはベンチャー企業パートナーや企業による強固なエコシステムを構築し、IMIによるエネルギー・産業分野の脱炭素化と持続可能性に焦点を当てた一連のベンチャー企業の立ち上げを支援しています。ベンチャー・スプリントやそれ以降のEDBのアドバイザリー・サポートは、ベンチャー企業を成功させ、経験豊富な起業家精神を持った人材を惹きつける上で極めて重要です。ベンチャー企業育成を通じて、IMIは今後数年間の新規事業の成長と技術革新の可能性に大いに期待しています」

CVLのパートナー9社は、ベンチャー・スタジオとオープン・イノベーション・パートナーで構成されています。これらのパートナーは、各企業の経験レベルに応じて、能力開発、方法論、人材、リソースなど独自のサポートを提供します。

CVL3.0パートナー一覧は添付の参考資料Bをご参照ください。

CVL3.0のその他のサポートにおける特徴

  • EDBは、各コンセプトの検証スプリントおよびスタートアップ・パートナーシップ構想の専門サービスおよび人件費の最大50%を共同出資する

  • 参加企業がスタートアップパートナーと共同開発したパイロット・プロジェクトを立ち上げ、規模を拡大する場合は追加助成金支援も利用できる

  • 妥当な場合は、EDBはコンセプト検証スプリントとスタートアップ・パートナーシップ・イニシアチブにベンチャー・ビルダーやアドバイザリー・サポートを派遣する

  • 投資会社であるEDBIからの投資機会、VCやファミリーオフィスのネットワークなど、地域や世界のエコシステムを利用できる場合もある

CVL3.0支援の詳細は添付の参考資料C(英語)をご参照ください。

CVL3.0参加企業の募集を開始しました。詳細は以下のウェブサイト(英語)をご覧ください:

https://www.edb.gov.sg/en/grants/corporate-venture-launchpad-programme.html

*1SGD=約111円(2024年9月4日現在)

参考資料A、B、Cのリンクはこちらから

d96113-18-8120c019a7686b9d99346e654a71bab2.pdf


シンガポール経済開発庁(EDB)とは

EDBは1961年に設立された貿易産業省傘下の政府機関で、シンガポールの産業育成、投資誘致を担っています。「外資系企業誘致のワンストップセンター」として、海外20カ所以上に事務所を持ち、外国企業に投資先としてのシンガポールの情報を提供するだけでなく、世界の経済、技術、市場動向を把握することで、シンガポールで競争力を持ちえる産業や分野を育成するための経済戦略を立案しています。日本には、東京に事務所を構え、日本企業のシンガポール投資をサポートしています。

最新のビジネスニュース及びEDBが開催されるイベント情報については、是非ともEDBのニュースレターにご登録ください: https://go.gov.sg/edb-bridge

EDB ニューベンチャーズとは

EDBニューベンチャーズはEDBのベンチャー企業育成部門です。その目的は、シンガポール発の高い潜在力を持つ新規ベンチャー事業が世界をリードするビジネスとなるよう、創出と拡大を支援します。そしてそうした新規ベンチャー企業の構築のために、コーポレート・ベンチャーリングに関する既存企業や、著名なビジネス・リーダー、シリアルアントレプレナーらと積極的に協力しています。シンガポールにおけるベンチャー企業育成のエコシステムを活性化させるだけでなく、パートナーやポートフォリオ・ベンチャー企業に対して、業界ネットワーク、専門知識、人材、リスクシェアリング・キャピタルへのアクセスを提供しています。

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会社概要

シンガポール経済開発庁

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URL
https://www.edb.gov.sg/ja.html
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
#28-00 Raffles City Tower, 250 North Bridge Road, Singapore 179101
電話番号
065-6832-6832
代表者名
Png Cheong Boon
上場
未上場
資本金
-
設立
1961年08月