【岸和田市】急増する「住居確保の壁」。官民連携の居住支援協議会が現場の課題解決へ
居住支援成約者の半数が「緊急連絡先なし」、さらに若い世代の孤独死も発生─ 。行政・不動産店・社会福祉協議会の現場担当者が一堂に会し、入居から地域定着までを途切れなく支える仕組みづくりを協議しました 。
社会福祉法人 岸和田市社会福祉協議会が事務局を務める「岸和田市居住支援協議会」は、令和8年6月30日(火)に今年度第1回目となる定例会を開催いたしました。
本協議会は、行政の住宅・福祉部門、市内の協力不動産店、そして居住支援法人である当会が連携し、住まいの確保に配慮が必要な方々を支援する官民一体の居住支援ネットワークです。
定例会では、年間100件を超える相談実態や、緊急連絡先不在、入居後の孤独死といった現場の深刻な課題が共有され、市民の皆様が地域で安心して暮らし続けるための具体的な方策について意見交換が行われました。

【1】行政・不動産・福祉の「現場担当者」が集結する強み
本協議会の最大の特徴は、岸和田市の住宅政策課や各福祉部門(高齢・生活困窮・障害・生活保護)、地域の協力不動産店(2社)、そして当会の相談支援員といった「日々現場で当事者と向き合っている実務担当者」が直接協議を行う点です。
制度の枠を超え、それぞれの専門的視点から地域の居住支援を牽引しています。
【2】現場から報告された「住まいをめぐる切実な課題」(事業報告より)
定例会では昨年度の事業報告が行われ、住居確保の厳しさと孤立化の現状が浮き彫りになりました。
●年間100件超の相談と「緊急連絡先」の壁
相談件数は年間100件を超え、その約2/3を生活保護世帯が占めています。さらに、入居に至った成 約者のうち約半数にあたる31名が「入居時に必要な緊急連絡先がない」状態であり、当会(社協)が緊急連絡先を引き受けることで入居を実現させました。
身寄りがない方の住居確保問題は極めて深刻です。
●生活困窮者のシェルター利用増
火災の被災者などを含む「生活困窮者居住支援事業(一時的な宿泊場所の提供)」の利用も多く、のべ19件・384泊の受け入れを行いました。
【3】「入居して終わり」ではない。定例会での主な協議内容
入居支援そのものは順調に進む一方で、「入居後の地域定着」に関する新たな壁について、各担当から以下のようなリアルな課題が提起され、活発な意見交換が行われました。
●若い世代での孤独死と見守り
協力不動産店より、比較的若い年齢層での孤独死事案があったことが報告されました。福祉サービスに繋がっていない人を含めた鍵の預かりや入居後の見守り、緊急時対応の仕組みづくりが急務となっています。
●家賃滞納リスクと情報共有の壁
生活保護世帯等の入居後の家賃滞納に対し、行政・不動産店・支援機関の間でタイムリーな情報共有が課題であることが指摘されました。家賃滞納により住宅喪失に至るケースがあることや、その後の生活再建が困難であることから、入居者が地域に定着して生活を継続するための連携強化の必要性が確認されました。
●バリアフリー物件不足と空き家活用の検討
高齢者や障がい者のためのバリアフリー物件の確保が難しい現状を受け、今後、市内で増える「空き家」に関する相談情報を共有することで、居住支援の資源として利活用することを検討できないかと意見交換が行われました。あわせて、障がい者の「1人暮らし体験」の取り組みも継続して推進します。
【4】岸和田市社協(事務局)からのメッセージ
住まいは、誰もが人間らしく生きるための最重要基盤です。しかし、現場では「家が見つからない」という入居前のハードルだけでなく、「入居後に地域で孤立してしまう」「家賃が払えず生活が破綻する」といった入居後の課題が山積しています。
私たちは、この居住支援協議会を通じ、行政・不動産・福祉の強みを掛け合わせ、「誰もが住み慣れた岸和田市で、最後まで安心して暮らせる地域社会」の実現に向けて、力強く歩みを進めてまいります。
◆本件に関するお問い合わせ先
社会福祉法人 岸和田市社会福祉協議会(岸和田市居住支援協議会 事務局)
所在地:大阪府岸和田市野田町1-5-5(岸和田市立福祉総合センター内)
受付時間:月曜〜金曜 9:00~17:30(祝日、年末年始を除く)
電話番号:072-439-8255
Eメール:support@kishisyakyo.net
公式Webサイト
https://sites.google.com/kishisyakyo.net/kyojyushien/(居住支援協議会)
https://www.syakyo.or.jp/(岸和田市社会福祉協議会)
担当:大川・吉村・岡端
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